講師(宗夜)ブログ

2022-10-08 14:33:00

所作(44)●コンプレックスは創造のタネ

コンプレックスを持つことは悪いことではないのかもしれない、と時々思います。

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コンプレックスは創造のタネ。

マイナスではなく乗り越えるべき課題である。

克服すれば自分の強みになる。

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と、偉そうに自分の子どもに語ったことがあります。まるで自分が何もかも乗り越えてきたような言い方ですが、そんなことはありません。

この言葉は子どもに対するエールであるのと同時に、自分に対するエールでした。

でもこの言葉は本当だと思っています。

 

当時の自分のコンプレックスは、着付けの技術の未熟さでした。

どうすれば着付け技術が向上するのか、とても悩んでいました。

教えてもらったことは全て行っていました。

でもどうしても上手くいかない。

本を何冊も買い込み、さまざまな動画を見ました。

どうも決定打とはならない。

本の通りにしても、動画の通りにしても、着崩れは防げない。

 

・襟が時間と共に開いてしまう

・裾が動作のたびに開いてしまう

・衽線が上下で揃わない

・おはしょりが一直線に整わない

・裾線が決まらない

・帯の柄合わせができない

・帯の大きさが決まらない

 

どうしてかなぁ?

 

当時はコロナ禍。

対面でのお稽古が不可能であったご時世。

仕事時間の激減を受けて、これをチャンスと捉えて徹底的に着物と向き合いました。

 

この時に骨格標本を買いました。

そして大きなポスターも2枚買いました。

骨格のポスターと、骨格筋のポスターです。

 

自分の着崩れはどうして起きるのか?

標本とポスターと自分の体をじっくり観察しました。

どうやら関節のところで着崩れが起きるらしい。

それが筋肉の動きによって広がるようだ。

 

ああ、そうか!

人によって体型が違う。

骨の太さも長さも大きさも違う。

筋肉のつき方も脂肪のつき方も当然違う。

そしてもう一つ。

動き方に、人それぞれのクセがある。

動き方のクセを掴んで初めて着付け技術が上がるんだ。

予めクセを予測して、着崩れを最小限に抑えられるように計算して着ることが大事。

 

ところで…

自分が習ってきた着付け技術は、本当に正しいのか?これを機に一から立て直してみよう。

 

私はどうしても紐が緩む。

この結び方、本当に正解なの?

様々な結び方を試し、最終的に辿り着いたのが『結ばない』という策。

私は左右に絡げるだけ。

その絡げた目を下の紐で完全に覆い被せることにより、絶対に弛まない。

しかも体の動きにしなやかに順応する。

ところがこれを可能にするのは『麻の晒し』

他の素材では不可能でした。

紐の長さも大事。

買ってきてそのまま使うのはNG。

自分仕様に作り変える。

そして必ずアイロンがけします。

 

補正もこだわりました。

補正って必要なの?

しなかったらどうなるの?

しないで着てみたら…、私の着物はシワだらけ。

では第二段階。

私はどこにどの程度必要なの?

補正を足したり、引いたりして、そのたびに写真を撮って…。

最終的に辿り着いたのが、麻布6mぐるぐる巻きの術!

ぐるぐる巻きにすることで、固い土台ができあがります。

この固い土台が私の着物ライフには頼れるパートナー。しっかりとした摩擦を作り、薄手の長着でも着崩れしません。

(初心者の方にはこの土台づくりは教えていません。着物に慣れている人にお勧めしています。)

 

帯の結び方も見直しました。

そしてオリジナルの結び方を考案しました。

これで帯の柄合わせもバッチリです。

また、帯の形を美しく仕上げる『秘密のひも』も考えました。近々動画にアップします。

ご覧いただけましたら嬉しいです😊

 

ただ一つ。

どうしても克服できなかったのが、裾の開き。

座るたびにどうしても開いてしまう。

これは…仕方ないかな。

というのは、体型が若い頃とは違うから。

それはそれで受け入れて。

これはコンプレックスではないのです。

大人の事情です。

 

コンプレックスは克服するためにある。

コンプレックスは創造のタネ。

楽しんで乗り越えれば自分の強みになります。