講師(宗夜)ブログ

2022-09-29 20:07:00

所作(41)●静かなるオーケストラ

茶道は静かなオーケストラのようだ、とある茶人が表現していました。

本当にその通りだと思います。

 

美しい音楽を奏でるためには、どんなことに気を付ければいいのでしょう?

それは、呼吸に基づいた安定感です。

すぅぅ… 、はぁぁ… 、すぅぅ… 、はぁぁ…

この一定のタイミングを壊さないようにお点前をなさってください、と生徒さまに申し上げています。

でも、この一定が本当に難しい…。

よく出来るところは早くなりがち。

忘れないように早く済ませたくなります。

その代わり出来ないところは遅くなりがち。

みんなそうです。

気持ちはよく分かります。

まずは帛紗捌きから改善してまいりましょう。

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(1)目の前に三角に広げる。

(2)左手3本指が表に出る。

(3)左腿の中央あたりで縦にする。同時に左手の親指でロック。

(4)左手の人差し指パラリと外す。

(5)左手が右手近くまで上がる。

(6)左手で内側に織り込む。

(7)左手親指でロック。

(8)左手が帛紗の中央まで下がってくる。

(9)胸の前で水平にする。

(10)右手の人差し指、帛紗をスーッと一文字描いて向こうに折る

………………………………………………………………..

 

これら一連の動きを『いち、に、さん…』と呟きながら行ってみてください。

一定の速度を保つことが出来るようになります。

帛紗捌きが改善するだけでも、ご自身の気持ちが変わってくると思います。

 

すぅぅ… 、はぁぁ… 、すぅぅ… 、はぁぁ…

 

とても心地よく穏やかな気持ちになります。

するとお客様も心地よく穏やかになられます。

たとえお点前を間違えても『頑張って…』とお客様が心の中で応援してくれます。

同じものを同じ目で見、意識の根底でみんなが繋がっている気持ちになります。

静かだけれど同じ方向を向いて、同じ気持ちを共有していて、とても心が安らかになります。

自分はひとりじゃないという幸せな気持ちになります。

 

宗嘉先生のお点前が美しいのはこういうところなのです。

 

安心できる心地よい速度。

迷いのない手の動き。

空間に残るその軌跡。

在るべきところに収まるその様。

そして静かなこころ。

 

今という時を一緒に生きていること自体に感謝したくなります。その姿を皆さまと一緒に見届けることが出来ることにも感謝したくなります。

 

技巧的ではないのです。

上手なのと美しいのとはちょっと違う。

覚えているとか、覚えていないとかでもなく、

出来る、出来ないでもない。

 

こんこんと泉が湧くような。

ゆっくりと心を満たしていくような。

そんな感じです。

本当に精神を集中させるとそのような静けさをまとうのかもしれません。

 

私どものお教室には、いつもそのような満たされた静けさがあります。楽しい時には盛り上がるけど、基本的には静かです。

良い教室になったなぁ…としみじみ思います。

ずっとこのような教室を作りたかった。

 

控室では皆さまにリラックスしていただいて。

でもお稽古が始まったら…

オーケストラの指揮者が指揮棒を上げた時に楽団員全員がスッとと集中するような…

そんな教室にしたかった。

 

ああ楽しい

ああ幸せ。