講師(宗夜)ブログ

2022-09-23 15:35:00

所作(37)●お点前の覚え方:まずは大好きなお点前を一つ覚える

生徒さまから

『どうやってそんなにたくさんのお点前を覚えたんですか?』

とよく聞かれます。

 

『大好きなお点前が一つあると良いですよ』

とアドバイスさせていただいております。

 

私のお気に入りはは茶箱の雪点前❄️

先日も久々にzoomで生徒様とお稽古をし、

『あー、やっぱり雪はいいわぁ…』

としみじみ味わいました。

 

私は雪点前のお道具が膝前に並ぶと気分がスッキリします。

縦と横だけで構成されるお道具たち。

勝手付きから…

茶箱の本体:たて

古帛紗:たて

掛子:たて

茶箱の蓋:よこ

 

たて、たて、たて、よこ

たてたてたてよこ、イエス!👍

 

それからすごく好きな動き。

小棗ちゃん。

私のイメージでは小棗ちゃんは女の子です。

最初はわがままお嬢様。

仕覆から出て箱の蓋の真ん中でいばっております。『ここ私んち』

ところが帛紗で清められると、しとやかなレディに様変わり。

少し左側によけて腰を下ろすのです。

右側にお茶筅とお茶巾がいらっしゃるので

『どうぞこちらにお座りください』

と自分から遠慮したのでした。

(ああ、良い子になったねぇ…。よしよし。)

見守る私は涙が出そうです。

 

不可思議なのは、箱の本体を向こう側に上げる仕草。

だって、まだお茶筅とお茶巾が入っているじゃないの。

『なんでここで上げるの?遠いじゃないのよ』

と文句言いたくなります。

でもまぁ。世の中に理不尽なことはたくさんありますから、仕方ないでしょ。受け入れまひょ。

ちょっと私が手を伸ばせば良いのよ。

ほら取れた。

 

もう一つ、とても好きな動き。

お茶杓の仕覆の畳み方。文結び。

Vの字に折ってぐるりと結びます。

ほどく時もぐるりと回して元通り。

ああ、美しい。

文結び(ふみむすび)という音も美しい。

平安朝の薫りがほのかに漂います。

どうか美しく一手で結んで、

一手でほどいていただきたい。

心を寄せるをのこが記した文かもしれません。

メールもLINEも電話もない時代。

紙も筆も墨も大変貴重な時代。

大量生産とは程遠い古の時代。

そんな時代に思いを馳せてお道具と向き合ってみましょう。とても気持ちが清々しくなります。

 

こんな風に、雪点前は私のイマジネーションを掻き立ててくれます。

いつも自分の作ったお話の中で遊んでいるイメージです。幼少期は一人遊びが好きでした。

勝手にお話を作るのが好きでした。

そういえば子供時代、絵本作家とか漫画家とかになりたかったのを今思い出しました。

よくいろいろ書いてましたね。

机の引き出しにしまってあるのを母親が勝手に見て、漢字の間違いを添削していたのも今思い出しました。まったくあの人は…。まぁいいや。

 

こんな風に勝手に脳内で楽しんでおりますと、

楽しい気持ちがお客様に伝わるようです。

『覚えなきゃ、覚えなきゃ』

とプレッシャーを自分にかけなくても大丈夫です。

 

お好きな方法で楽しんでいただければ…と思います。

一つしっかりと覚えてしまうと、その先に自然と枝葉が伸びてまいります。

伸びたいと思った時に才能は自然と伸びるようです。

伸びたいという気持ちが整うのをじっくり待つのもいい時間の過ごし方だと思います。

一緒にじっくり待ちましょう。

by 工藤 宗夜