講師(宗夜)ブログ

2022-08-13 15:37:00

所作(23)●記憶力を上げるには… 《自分編》《生徒編》

いわゆる『頭の良い人』と言われる人は、第一に記憶力に優れた人を指します。

 

その発展形が『仕事のできる人』となります。

仕事のできる人とは、逆算ができる人とも言えるでしょう。企画力、計画力はすべてこの逆算ができるかどうかに掛かってきます。

 

仕事が大きくなってくると一人で業務を担うことは不可能です。

複数の人間と連携を持つことになります。

仕事の連携を取るには、どの業務にどれだけの時間が掛かるのか、ざっと把握して相手に伝える必要があります。

 

その時に頼りになるのが記憶力です。

それまでの小さな経験の一つ一つを正確なデータとして蓄積し、必要な時に必要な分だけ必要なものを引き出せる力が記憶力です。

 

一つ一つのデータは点の状態。

点の状態のままでは意味を成しません。

 

色々な場所に色々な大きさの点(知識)を散りばめ、それらを関連づけて繋げていくとで記憶となります。

関連づけとは、比較して相違点を見つけていくことです。この作業により知識にタグが付けれて引き出しやすくなります。

 

その後、似たものもどうしが集められ、点と点が繋がり線となります。

これらの集合体が、どこかでまた関連づけられて、網の目のように脳の中で広がっていきます。

網の目ができるともう忘れません。

そして更に点を細かく打っていき、緻密な網の目に仕上げていきます。

こうすることで取りこぼしを極力少なくしていくのです。

 

《記憶力の上げ方・自分編》

★とにかく丸覚えする。

一つ一つ真剣に丸覚えする。

知識の点は多ければ多いほど良い。

とにかく点を打っていくイメージです。

バラバラに見えてもそのうちにまとまります。

一つ一つの意味にこだわらないこと。

こだわらない人から伸びていきます。

『意味がわからないから覚えられない』というのは単なる言い訳です。説明しても覚えません。

 

★最初から完璧を目指さないこと。

最初は50点満点とします。

そのうちに段々とハードルを上げていきましょう。何段階かに分けていくことで持続力が増します。自分で段階を分けられることも才能の一つです。短気を起こさず自分をゆっくりと育てていきましょう。

 

★心の中で自分を褒める癖をつける。

『私、やるねぇ〜!50点取れたじゃん』

無言で自分を褒めること。

周りの人に褒めさせないことです。

疲れさせてしまうから。

大人は人を疲れさせてはいけません。

周囲の疲れが、巡りめぐって自分に還ってきます。気がつくと自分の方が疲れているはずです。

 

《記憶力の上げ方・生徒編》

他人の記憶力を上げることは簡単ではありません。箇条書きでは説明できないので散文体で記します。

 

『なかなか覚えられないんです』

と嘆く方がたまにいらっしゃいます。

私どもでは、まず嘆くのをやめてもらいます。

 

嘆くと知識の点が打てなくなります。

そんなことないですよ、とか

そのうちできますよ、とか

慰めの声が欲しいのでしょう。

このような甘えを持った方は、慰めると

『そっか、じゃあいいや』

と努力するのをやめてしまいます。

目的は慰めの言葉を獲得することだからです。

慰めると目的が達成されて満足し、知識は増えません。

 

以前は

『褒めればいつか前向きになるに違いない』

と信じてひたすら励ましました。

しかし一向に前向きになりませんでした。

そのうちにこちらも褒めるのに疲れてしまい、

褒めることをやめた途端、教室を去りました。

 

人の指導をすることの難しさを知りました。

考えてみれば『褒めれば良い』とは、相手に対して非常に失礼でした。

相手の可能性を探す努力をせずに安易でした。

向き合っていませんでした。

 

今は『一つだけ』褒めることにしています。

努力したであろうポイントを一つだけ。

 

もしも、一つも褒めるところが無かったとします。全然出来ない。何も覚えていない。

その時は試しに一つだけ褒めてみる。

手を取ってリードする形です。

『努力するポイントはココですよ』と指し示すのです。

 

背筋が伸びましたね、とか

足のつま先を揃えることが出来ましたね、とか

 

出来ていなくても褒めます。

出来そうな課題を相手に提示します。

するとその課題に意識が注がれて、次回は本当に出来ています。

リーディング(leading)です。

 

リーディングすると生徒さんは

『えー?そうですかぁ?』

とまんざらでもない様子で笑顔になります。

 

が、ここで褒め過ぎない。

『ええ』と笑顔で冷静に言って、スッと引く。

 

以前は引き際が分からず

『本当です、本当です。すごいじゃないですかぁ!』

と盛りに盛っていました。

これはむしろ相手を嫌な気持ちにさせてしまいました。営業がバレバレだったのです。 営業で褒められても、嬉しくないですものね。

 

生徒さんが本当に求めているのは

魂と魂のふれあいです。

真剣に向き合った者どうしは厚い信頼関係で結ばれていきます。

 

講師と生徒さんとの信頼関係は、やがて生徒さんどうしの信頼関係へと発展し、コミュニティのネットワークへと形を変えます。

網の目のようなネットワークは変幻自在です。

時勢を捉えて上手く波の流れに乗ることができるはずです。

600年続いた茶道そのものであるように。

 

いかがでしたでしょうか?

自分の記憶力を上げることは、仕事をする上で必須の努力項目です。

また、自分だけではなく他人さまの記憶力を上げることも、年長者として社会的に避けられない役割かもしれません。

他人さまの記憶力を上げることで自分の記憶力も更なる高みへと上がっていきます。

皆さまのお仕事の現場で活かしていただけましたら幸いです。

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