講師(宗夜)ブログ

2022-07-16 18:51:00

所作(14)●野生動物に学ぶ大人教育の極意

動物のドキュメンタリー番組が好きです。

世界中の猫ニャンを映した番組に癒されたり、身近な鳥や動物、また野生動物の生態を特集した本格派の番組も好きで見ています。

 

特に野生動物の番組には、印象に残るものがあります。

仕事に活かせるヒントがたくさん含まれているように思うのです。

野生動物には『弱肉強食』という避けることのできない厳しい掟があります。

その掟の中でどのような工夫をして自分の群れを生かし続けているのか、とても興味があります。

先日はトラの特集を見て、その子育て方法にとても感心しました。

トラのお母さんが4匹の子どもを育てていました。

オスが3匹、メスが1匹でした。

子どもがまだ幼い赤ちゃん時代には、お母さんはまず子どもにエサを与え、自分は後回しにしていました。

食べたいだけしっかりと食べさせて、その後で自分がゆっくりと食べました。

ところが狩りの仕方を教えられるくらいに大きく成長すると、突然に態度を変えました。

子どもがエサを食べようと首を伸ばした途端、

『ガオー‼️』と叱りました。

その気迫は凄まじく、子どもはすぐに身を縮めました。

子どもの顔まわりの毛がお母さんの鼻息で後ろになびいていました。

子どもは何が何だか分からない様子。

一旦キョトンとし、

『え?お母さん、嘘だよね?』 と信じられない表情を浮かべながら、もう一度エサに首を伸ばしました。

すると先ほどよりも大きな口を開けて、鋭い牙を子どもにわざと見せつけながら、

『ガッオオーー‼️』 と威力の増した声でハッキリと子ども相手に吠えました。

子ども達の反応↓

『えええぇぇ〜〜〜⁉️』

『お母さん、優しいんじゃなかったのぉ〜⁉️』

この瞬間に親子の関係が変わりました。

序列をハッキリと理解させたのです。

『働かざる者食うべからず』

目の前で狩りを成功させ、狩りの仕方を教えると同時に、自分の力を子どもに示す。

その後もやはり力を見せつけるようにゆっくりとエサを味わう。

自分が満足して食べ終わった後には、ゆったりとエサから離れて子どもにエサを食べさせる。

子どもの中にも序列があり、オスが先。

力のないメスは一番最後。

先に食べたければ狩りの力を身につけて群れに貢献し、序列の順位を上げていくしかない。

 

これをしないとどうなるか?

序列が崩れて群れはバラバラ。

子どもはお母さんの言うことを聞かずに狩りのテクニックも身につかない。

それどころか最後はお母さんが子どもに食われなねない。

野生はタイミングを逃しません。

優しい顔と厳しい顔。

その二つを使い分けるタイミング。

すごいなぁ。見事だなぁ。

とても感心しました。

これは人間の世界でも当てはまります。

大人同士の組織においても同じだと思います。

私どものような教育系サービス業においても、

一般の企業においても、

『人を育てる』という意識は欠かせなせん。

優しい顔だけでも厳しい顔だけでも上手くいきません。

最初はもちろん優しい顔から入ります。

何も分からない状態で始められるわけですから。

手を取って一つ一つ優しく丁寧に教えます。

優しく優しく教えていると、人によっては立場の違いを分からなくなる方もいらっしゃいます。

生徒と講師ではなく、友達のような、肉親のような、どんな関係なのか分からなくなってしまうようです。

こうなるとお教室全体の雰囲気にも影響してしまい、真剣なお稽古が難しくなることもあります。

そのような事態になる前に、しっかりと向き合って『きちんとしましょうね』と伝えます。

一瞬ピリリと緊張した表情になります。

しかしやがてこちらの真意を受け止めてお稽古を真剣に行ってくれるようになります。

先日もそうでした。

お稽古で足の動きが苦手な生徒さまがおられました。

今までずっと質問を受けるたびに一緒に動いてお教えしていました。

ですがある時、

『本当はこの方、自分で出来るのではないだろうか?』

という気持ちが湧きました。

『時間が掛かっても、間違っても良いから、自分でやってみてください。』

と伝えました。

その生徒さまは一瞬動きを止めましたが、今まで教えた通りにきちんと動くことができました。

今までの指導が、ようやく記憶となって定着した瞬間でした。

ご本人もすごく嬉しかったようです。

自分を信じることは、全ての活動のエネルギーの素となります。

自信をつけることが生きる上で大切なのは、子どもよりもむしろ大人の方かもしれません。

大人にふさわしい返事の仕方や、歩き方、美しく見える正座の仕方など…

細かい指導を重ねるうちに、その方は美しく変わっていかれました。

それは、

最初の丁寧で親切な指導と、

少し距離を置いた厳しめな指導、

この効果的なバランスの成果だと思われます。

バランスの取り方は、状況により様々に変化します。

変化の激しい今日を生きるには誰もが必要とする能力です。

日常の所作を見直して、

まずは身体のバランスを整えましょう。

その後に自然と精神的なバランスも整ってきます。

=========================

和から学ぶ気品ある仕草 美しい所作教室

https://syosa.yoshian.com/index.html