講師(宗夜)ブログ

2026-04-26 19:23:00

●問答は大和言葉がよろし

よし庵では問答に大和言葉をお勧めしております。

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お美しいお道具の拝見を誠にありがとうございました。

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『お美しい』のところを別の大和言葉に変えるならば下記の単語が挙げられそうです。

・麗しい

・艶やかな

・趣のある

・お色味豊かな

 

その他に何となく浮かぶのは、

『雅やかな・華やかな・鮮やかな・あでやかな』

などですが、侘び茶のお道具には合いそうもないためここには載せませんでした。

 

・お美しい

・麗しい

・艶やかな

・趣のある

・お色味豊かな

 

改めて声にしてみると、大和言葉の優しい響きに心が癒されます。

茶室での問答に用いれば、その効果はとても高く、ご亭主のお顔がいつもここでほぐれるのです。

 

優しい言葉は口周りの筋肉に無理をさせません。

柔らかく動くから、出てくる音も柔らかい。

日本人は大きな声で話さない民族と言われます。

大和言葉と無関係ではないでしょう。

言葉少なで、静か。

それが私たちにとっては自然体。

無理をしないから、いざという時にむしろ力を発揮できる。

 

逆に、よし庵では避けている形容詞が『熟語』であります。

 

・結構な

・ご立派な

・貴重な

 

別に悪いわけではないのだけれど…

禁止するほどではないのだけれど…

大和言葉と比べると耳馴染みがないのは外来語由来だからかな、と思うのでした。

・促音の『っ』

・破裂音の『ぱ』

・拗音の『ょ』

 

音が硬くて、やや攻撃的な印象。

 

熟語が取り入れられた時期は、日本文化の転換点と重なります。

日本の鎌倉時代〜室町時代〜安土桃山時代にかけて、大陸や半島からの移住者が非常に多かったとのこと。

大陸での王朝の入れ替わりは、民族の入れ替わりを意味。

日本に逃れた多くの人によって熟語が取り入れられたと言われています。

 

熟語にはピタッと焦点を合わせる力があります。

大和言葉みたいにぼんやりしていない。

言いたいことを短く言い当てるその力は、政治・経済・法律の部門、国の根幹で大きく活かされていきました。

日本も公家の世から武士の世への遷り変わりの時期。

ルーツが不確かな人が重用されやすい背景がありました。

文化が貴族階級から下の階級に降りて行き裾野が広がったとも言われ、様々な分野で日本が発展した大事な時期でもあります。

 

古典を読んでみると、平安時代中期(905年)の古今和歌集には熟語は殆ど出てきません。

同時期に作られたといわれる竹取物語にも出てきませんでした。

ですが平家物語(鎌倉時代初期1240年ごろ)には、冒頭から

『祇園精舎・諸行無常・沙羅双樹・盛者必衰』

と熟語がたくさん並んでいます。

徒然草(鎌倉時代後期1330年ごろ)でも熟語を多く目にしました。

 

現代人の感覚に近いから、読みやすいのも確か。

茶道は武家の文化なので、むしろ熟語の時期に興ったのであります。

けれども…

よし庵としては問答に

 

まろやかな優しさが欲しい。

 

まろやか(円やか)は、よし庵が理想とする女性像に近いのであります。

 

二字熟語、四字熟語、IT用語、AI用語…

外来語は明瞭で正確。

ビジネスシーンに欠かせません。

 

でも疲れてしまう。

あまりに左脳を刺激し過ぎる。

 

だからよし庵のお茶室では、

仄かな安らぎを求めて

大和言葉がよろし。