講師(宗夜)ブログ
●質問してもいい時間、いけない時間
先日、生徒さんがお稽古中に
『いま質問してもよろしいですか?』
とお尋ねくださいました。
その時は別の生徒さんが点前座で亭主としてお稽古されていたので
『今は〇〇さんの時間ですので、ご質問はお稽古の合い間か、ご自身のお稽古時間にいたしましょう。』
とお答えしました。
するとその方は
『はい』
と静かにお返事をされ、お点前さんがお稽古を終えられたのちにやはり静かに宗嘉教授にご質問されたのでした。
突然に質問を切り出さないあたりが、『さすが上級者』と周りに思わせ、『しっかり教育を受けてきた方』とも思わせます。
お一人お一人の時間は限られております。
まさにその時間のために皆さまはお代を支払っておいでですので、周りの方々へのご配慮もお持ちいただくよう指導しております。
その指導が社中に浸透しつつあった頃合い、宗嘉教授が御家元から功労賞を賜りました。
様々な情報発信を通して、よし庵の指導方針をご評価いただいたように思います。
ご質問…
たくさんおありだろうと思います。
茶道には600年の歴史があり、代を替えて大勢の人々が伝統を繋いできました。
当初は意味も理由もわかっていたものが段々と曖昧になっていくことは仕方のないこと。
また、初心者・中級者のうちは理由に囚われずとにかく覚えていくことが大切。
上級者以上になって余裕が出た時に
『そういえば、どうして?』
と疑問が湧くことも、同様に仕方のないことであります。
問いによって互いの学びが深まります。
お寄せいただいたことで新たな視点が見出され、茶道の輪郭が鮮やかに浮かび上がることもしばしばです。
その時間の共有こそが社中に帰属する喜びでもあります。
『そうだったんだ!』
と驚きの声が上がり、気持ちが温かくなる機会がよし庵のお稽古では何度もあります。
ただ、志はあるのにタイミングを間違えると疎まれる存在になることも…
数年前に、ビジターで奥伝お稽古にご参加の方がいらっしゃいました。
お稽古前の全体の挨拶が済むなり
『ちょっと質問良いですか?』
と真っ直ぐに宗嘉教授を見つめて強い口調で問われました。
(ああ、これか!)
頭を下げながら社中の生徒さんが合点が行ったと共通の表情をされたのでした。
『はい。ただ…後ほど、ご自身のお稽古時間内で宗嘉先生にお尋ねください。』
と申しますと
(あっ💦)
と何かに気付いたお顔をされました。
向学心を持つことは素晴らしいです。
向学心は自分の内側から芽生えるエネルギーそのもの。
よそから植え付けることは出来ません。
エネルギーはそのままにもう一歩。
ひと様の時間も大切にできる女性
になられたら、より素敵になられるだろうと思いました。