講師(宗夜)ブログ
●集団脳という考え方
『集団脳』という言葉を最近知りました。
サイエンス系の番組で、ホモサピエンスのグレートジャーニーの回で飛び出したのでした。
アフリカ大陸で生まれたホモサピエンスは、その後大陸から全世界へと旅に出て約5万年かけて拡散を続けました。
ネアンダルタール人やその他の原人と一時的な共存もあったようですが、残ったのはホモサピエンス一種だと伝えていました。
生き残った種と絶滅した種の、大きな違いは何かというと
『集団の規模』
絶滅した種は集団の規模が小さかったとのこと。
多くても10人くらい。
それに対してホモサピエンスは20人〜30人の規模を維持していたと言います。
集団の規模が大きいことで様々な生存スキルに長けたメンバーを包することができ、環境の変化にも対応しやすかった。
これを『集団脳』と言うのだと紹介していました。
集団脳か…
いい言葉だなぁと思ったのでした。
似たような言葉に『多様性』があります。
金子みすずさんの詩に
『みんな違ってみんないい』
という優しく綴られた言葉もあります。
二つとも良い言葉だけれど、私の胸には今一つグッとこなかったのでした。
ややおとなしすぎると言うか、
『仕方ないよね』
という諦念を纏った感じにも聞こえるからなのでした。
ところが『集団脳』と名付けられると、全てのメンバーに独立した能力が与えられているというポジティブな響きに一変しました。
『存在するだけで価値がある』という考え方を持っている人がリーダーとなってメンバーを束ねたら、こんなに強い集団はないだろうと思うのでした。
そう言えば、我が師の宗嘉先生もよくそのようなことをおっしゃいます。
『覚えようが覚えまいがそんなことはどちらでも構わない。生徒さんは存在するだけで価値がある』
奥伝も、
奥秘伝も、
幻のお点前も、
ほぼ全てのお点前を覚え、
覚えただけでなく所作の美しさや間合いにもこだわって極め、
どこに出しても恥ずかしくないだけのクオリティを磨き続けておられる我が師匠が、
何年やっても一つのお点前を覚えることのできない生徒さんの手を取って、丁寧に丁寧に教えておられる。
『今日は右と左を間違えなかったね』
と一緒になって喜び、
『〇〇さんにはお茶を美味しく点てる才能があるね』
と心から誉めて茶室を温かな空気で満たす。
宗嘉先生に『集団脳』の話をしたことはありません。
もしもお話ししたら、
『まーた、そんな小難しい言葉…。そんな言葉はどうでも良いんだよ。このひと時を楽しみなよ。』
と笑うことでしょう。
ああこれがきっとNo. 1のリーダーの器だろうなぁと思いました。