講師(宗夜)ブログ

2024-12-01 15:08:00

●口切りの茶事 其の一

霜月の最終日曜日

よし庵にて令和6年の口切りの茶事が催されました。

 

茶壺のお茶に、本年の収穫の感謝を表し、来年の豊作への祈りを捧げるお茶事です。

平和であるからこそ持つことのできる特別な時間。

ご参加くださったお客様は、ほぼ社中の生徒さんです。

皆さま一年前からご予約くださり、この日をとても楽しみにお待ちいただいておりました。

 

お正客から

『どうぞお茶壺の拝見を』

とのご所望を受け、亭主が床に向かいます。

網を外して口緒も取ります。

口緒をぐるりと反時計回りに取るさまは、まるで時を巻き戻しているかのよう。

いにしへの茶事に想いを馳せます。

亭主は一度水屋に戻り、『お茶壺日記』を持ち出します。

 

お茶壺日記には茶壺に収められたお茶名が記されています。

・濃茶三種

・薄茶一種(詰茶)

 

日記を貼り付けている板は、茶壺を守っていた木箱の蓋。

この蓋に毎年貼り足して貼り足して重ねていきます。

年々お教室の歴史を刻む大事な板となっていくことでしょう。

 

その後に亭主は葉茶上戸を持ち出し、封印を確かめてから、小刀で封を切っていきます。

しっかりと封をされているためか、合口は固い様子。

2巡目でようやく口が開きました。

蓋を外すとふぅわりと葉の瑞々しい香りが広がりました。

『いずれの茶を差し上げましょうか?』

との亭主の問いに

『では大宗匠お好みの、松雲の昔を』

とお正客がお答えになりました。

 

作法に則って濃茶の袋を取り出し、詰茶と共に挽屋に入れて、再び封をして亭主の印を押し、壺を拝見に出します。

 

宗嘉先生の美しい手捌きと、一年に一度しか目にしない茶道具や作法を、皆さまは真剣にご覧になられていました。

 

この後に、初炭手前・懐石料理・続き薄茶、となります。

 

お茶壺の拝見が、心躍るお茶事の幕開けとなりました😊🏺🍃