講師(宗夜)ブログ
●寅子さん達のおかげ様
朝ドラを天気予報の合間にちょこちょこと見ています。
《虎に翼》の寅子さん。
『はて?』が口ぐせ。
これがどうも苦手で。
(またそれ〜?)とうんざりしてチャンネルを天気予報に戻すことも多くありました。
でも今朝の寅子さんを見て
『さすがだなぁ』
と思い直したのでした。
朝ごはんの用意を一人でしていた義理の母、百合さん。
そこに航一さんと息子と娘が降りてきて、『わたし、パン』『ぼく、ご飯』と言い放つ。
百合さんから見れば血はつながらないけれども法的に孫。
『ちょっと待って。その感覚おかしくない?』
と早速突っ込む寅子さん。
(うわぁ、始まった。こういうの苦手💦)
と思って天気予報にチャンネルを変えました。
(台風🌀はまだ来ない。今日は晴れて暑い☀️)
と、また気になって寅子さんにチャンネルを戻します。
家族帰宅のシーン。
航一さんの息子、朋一さんは『夕飯要らない。今日のきんぴら、ちょっと辛かった』と文句を言い、お風呂を沸かしてくれと動きながらやや面倒くさそうに百合さんに話す。
そこでまた寅子さん『そのような言動はどうなのでしょう?』と問題提起。
朋一『放っておいてくれ』と反発。
(ここはお父さんの出番。航一さん、叱りましょう。)
航一さん黙る。
(叱りましょう)
黙る
(叱らんのか〜い)
航一さん、うな垂れる。
ダメやな、おとん。
その点、寅子さんは偉いな。
態度をハッキリさせて。
ここまで来て、さっきの朋一さんの台詞を思い出しました。
『ぼくお風呂』
『はい、沸かしましょうね』
沸かしましょうね、…って百合さんは事もなげに言ったけれども…。
確かこの時代は薪でお風呂を沸かしていたような。
ドラマの舞台は昭和31年。
同時期を描いたアニメ『サザエさん』では、カツオが波平さんのために薪を焚いてお風呂を沸かしていました。
百合さんもこれから焚くのでしょうか?
使用人が別に居るのかもしれませんが、現代のようにボタン一つでポチッとはいきません。
そしてお風呂に入る順番も、父親を差し置いて長男が先となると、次は威張っている娘なのか。
その次は誰だか分からないけれども、百合さんは当然のように最後で、お湯を抜きながらお風呂を洗って翌日に備える、のだろうなぁと思いました。
こういう細々とした(当時は大変手の掛かる)家事を、女性は一手に引き受けていたのかもしれません。
それでいて特に感謝もされず、家父長制度では身分は長男よりも下に見られている。
財産の所有権も、女性名義がどこまで認められていたのだろうかとつい思いを巡らせてしまうのでした。
間違ったことは書けないのでここでは触れませんが、以前に古代の歴史学者からこのように聞いたことがあります。
。。。。。。。。。。
奈良時代には、女性の高級官僚が政治の場でたくさん活躍していました。
彼女たちは独立した個人として認められていて、夫とは別に自分名義の不動産所有権も有していました。
実は非常に先進的な社会だったのです。
。。。。。。。。。。
古代が先進的だったならば、中世・近代・近現代における女性の所有権は限定的だったのだろうかと思いました。
《虎に翼》のドラマが始まったころ、寅子さんがギャンギャン叫んでいたのが印象的でした。
(何をそんなに怒るのよ)
と思ったこともありますが、今では考えられないほどの身分制度や慣習が敷かれていたのかもしれません。
改めてオープニングの映像を見ると、今までとは違ったものに映るのでした。
・学習の機会も得られず労働に明け暮れる初老の女性
乱れて顔に貼り付く髪の毛
・重たいリアカーを何とか引いて日銭を稼ぐ姿
・人目を避けるように陰で勉強する女性
・その後に弾けるような笑顔の女学生たち
・最後に様々な職業を連想させる服装の女性たちが踊っている。中央には寅子さん。
寅子さんのように能力もあって逞しい女性達が、少しずつ社会的地位を上げてくれたおかげで現代の私たちは恵まれた環境に身を置いているように思います。
『律した自分』を持っている女性の素敵さも見習いたいと思いました。
きちんとした髪型、服装、小物選び、物腰、言葉遣い…
ドラマですから確かに虚構の世界ではありますが、こうやって映像で見てしまうと、外見がどれだけ人間の感情に訴えるのかを認めざるを得ません。
きちんとしているからこそ言葉に説得力が宿ります。
前時代の女性達におかげ様を思って、自分も自分らしく日々を送ろうと心に決めるのでした。