講師(宗夜)ブログ
●皐月☘️野点茶会
皐月の最終日曜日
よし庵にて初の野点茶会が催されました。
長らく雨続きでありましたのに、この日は澄んだ青空が広がりました。
よし庵の待合には定刻までにご参加の皆さま8名がお集まりくださいました。
今回は茶事ではなく茶会ですので、ややカジュアルです。
白湯で喉を潤わせつつ軽く自己紹介。
その後に宗嘉先生お手製のワンプレートの茶会ランチ。
食材選びと献立のバランスに拘り抜いた優しいお味のお膳。
身体にじんわりと沁みます。
。。。。。。。。
もち麦鶏つくね
和風サラダ
アスパラのごま和え
にんじんのもち麦あんかけ
新しょうがの炊き込みご飯
沢煮汁
季節の和菓子:水ぼたん
。。。。。。。。
ランチの間に盛り上がったのが
『美容と健康』の話題でした。
・最近はこんな風に食事に気をつけている、とか
・食べ物の嗜好がこんな風に変わった、とか
・え?私は全然変わらないんですけど、とか
・無頓着に食べるのは危険、とか
・でもせっかく生きているんだから好きな物を食べたいのよ、とか
・そう言えば今日の献立では『もち麦』がフィーチャーされているね、とか
・私はご飯に入れて毎日食べているの、とか
・それは素晴らしい!、とか
とかとかとか…
まぁよく喋りました。
普段のお稽古ではお喋りを慎んでいただいているので、このように心を許して皆さまとお話し出来る時間は貴重な機会です。
このメリハリがよし庵の茶道の良いところだと思っています。
皆さまはそれぞれに魅力的。
お互いにその魅力を確認し合える時間がこのようなカジュアルなお茶会の醍醐味のように感じました。
『美容と健康』に話題が上るということ自体が素晴らしいと思います。
生活と気持ちが安定しているからこそ口に出来る話題です。
未来志向で誰も傷つけません。
ところで、女性は全般的に美容とおしゃれに貪欲です。
若い女性も美容とおしゃれにエネルギーを注ぎますが、大人女性とは大きな違いがあります。
それは真剣さです。
大人女性にとってのおしゃれは、健康の上に成り立つことものであり、現実的です。
大人世代の女性が『美容と健康』を口にする時には、言動が一致しているのです。
『結局のところ、大切なのは日々の積み重ねなのよねぇー』
『うん、うん』
とみんなで納得しました。
ランチを食べ終えたら、そのまま和菓子をいただきます。
本日の和菓子は、水ぼたん。
花ひらく直前のぼたんの蕾です。
きゅっと最上部がすぼまった状態ですが、するすると花びらがほどけて、今にも満開となりそうです。
幾重にも美しいドレープを持つ見事な牡丹を想像しつつ口に運びます。
中は香り豊かなレモンあん。
外側のういろうも同じくらいに柔らかく、調和のとれた美を感じます。
さぁ、そろそろ茶庭に移りましょうか。
今日は本当に良いお天気。
カラリとした風を感じ、鳥の囀りに心が弾みます。
手水に注がれる水の音。
さらさらと心地よく、時間の流れを忘れるほど。
よし庵の茶庭には3色の小石が敷かれています。
白とグレーとブラウン。
配置も絶妙で実に現代的。
茶室を多く手掛ける専門家のアドバイスにより、このような色彩となりました。
色の違いは、遠近法に則っており、奥行を感じさせます。
陽の光を浴びた時の反射率も計算されているようです。
グレーとブラウンは光を吸収しますので、白い石の輝きが一層に目立ちます。
白い石には石英がふんだんに混じっているのでしょうか?
まるでダイヤモンドのようにキラキラと光を放ち、現実を忘れて夢のような幻のような不思議な気持ちになりました。
このお席にて薄茶と自然の両方を存分に味わいました。
それでは、もう一度広間に戻り宗嘉先生の座学に参りましょう。
本日のお題『利休とキリシタン』です。
学校で習う日本史とは全く異なる切り口で、宗嘉先生の解釈が進みます。
史実の羅列だけではない、その時代に確かに生きた人々の足跡を辿り、茶道を軸とした歴史と宗教観が展開されていきました。
ご参加者の中にキリスト教を信仰されている方々がおられ、宗嘉先生のお話に目を潤ませて何度も頷いておられました。
ご自身でも茶道とキリスト教との共通点に何となく気付かれていたとのこと。
ところが確かめようもなく、お社中の師に確かめることも憚られ、一人胸の中にそっと仕舞われていたのだとか。
それが、宗嘉先生の口から滔々と語られる様を見て『心が動きました』と仰っておられました。
実に充実した一日となりました。
楽しく打ち解けたお食事の時間。
その後、爽やかな空気と共に薄茶を味わい
最後はしっかりと茶道の真髄を述べて引き締める。
楽しくて、ためになる。
よし庵らしい野点茶会でありました。
9月にも野点茶会を催します。
皆さまのお越しを楽しみにお待ち申し上げております。