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猫の慢性口内炎、抜歯だけではない治療の現在
猫の慢性歯肉口内炎(FCGS)は、強い口腔内炎症と痛みを引き起こす難治性疾患です。これまで抜歯が主要な治療法の一つとされてきましたが、すべての猫で十分な改善が得られるわけではありません。近年は、免疫反応の異常や口腔内細菌叢、カリシウイルスなど複数の要因が関与する病態として研究されています。薬物療法やレーザーなど、さまざまな治療法も検討されていますが、現時点では万能な治療はありません。重要なのは、よだれ、口臭、食べにくそうにする、食器の前で迷うといった小さな変化を早期に発見し、痛みを放置しないことです。
猫の肥満とサルコペニア、「太っているのに筋肉が少ない」問題
猫の体重管理では、単純に体重を減らせばよいわけではありません。近年注目されているのが、加齢や活動量低下によって筋肉量が減少する「サルコペニア」です。特に高齢猫では、脂肪が多い一方で筋肉が少ない「隠れた筋肉減少」が起こることがあります。急激な食事制限は筋肉量の減少をさらに進める可能性があるため、減量では体脂肪だけでなく筋肉量も評価することが重要です。食事内容を調整するとともに、遊びや運動を取り入れながら、ゆっくり健康的に体組成を改善していくことが理想です。
猫の尿閉はなぜ起こる?オス猫で特に注意したい病気
オス猫では、尿道が細く長い構造をしているため、尿道閉塞を起こすことがあります。何度もトイレに行く、排尿姿勢をとるのに尿が出ない、鳴く、陰部を気にするなどの症状が見られたら緊急事態です。完全に尿が出なくなると、短時間で高カリウム血症や腎障害を起こし、命に関わることがあります。原因には尿道栓子、結晶、炎症などがあり、単純に「結石だけの病気」とは限りません。治療後も再発する猫がいるため、水分摂取量を増やすことやストレスを減らすことなど、長期的な再発予防が重要です。
猫の慢性腸症、IBDとリンパ腫をどう見分ける?
「長期間の軟便」「繰り返す嘔吐」「徐々に痩せてきた」といった症状が続く猫では、慢性腸症が疑われます。猫では炎症性腸疾患(IBD)と小細胞性リンパ腫の症状が非常によく似ており、血液検査や超音波検査だけでは区別が難しいことがあります。近年は内視鏡検査や病理組織検査に加え、免疫染色やクローナリティ解析などを組み合わせ、より正確な診断を目指す方法が用いられています。治療法は原因によって異なるため、「腸炎だから薬を飲ませる」というだけでなく、必要に応じて診断を深めることが重要です。
猫の肝リピドーシス、食べないことがなぜ危険なのか
猫が数日間食事をとらないとき、単なる「食欲不振」と考えてはいけません。特に肥満傾向の猫では、体内に蓄積された脂肪が肝臓へ大量に運ばれ、肝リピドーシス(脂肪肝)を発症することがあります。黄疸や嘔吐、強い元気消失などが見られ、重症化すると命に関わります。治療では原因疾患の治療とともに、できるだけ早く十分な栄養を与えることが重要です。近年は「食べるまで待つ」のではなく、必要に応じて早期から栄養管理を開始する考え方が重視されています。猫では「食べないこと」そのものが治療を急ぐサインになるのです。


