完全室内飼育のススメ
完全室内飼育
猫を完全に室内で飼育することは、外に出さずにかわいそう!と思うかもしれません。しかし、猫のことを考えるなら、完全室内飼育にするべきでしょう。これから、そのことについて説明します。
飼育の仕方のいろいろ
猫の飼育の仕方には、いろいろあります。外飼い、放し飼い、完全室内飼育と分けることができます。外飼いは文字通り、外だけで生活してもらうスタイル。放し飼いは、室内にも外にも行き来できるスタイル。完全室内飼育は、室内で飲み生活するスタイル。
新しく猫を飼い始める方には、完全室内飼育をお勧めします。放し飼いも外飼いも、極論すると野良猫と同じです。
「完全室内飼育」にする理由
- 病気・怪我・喧嘩から守ることができる。
- 交通事故・動物虐待から守ることができる。
- 他人の敷地で糞尿することがない。
- 誤って保健所に連れて行かれることがない。
- 行方不明・迷子の心配がない。
- 寿命が長い。
以上のことから、絶対に室内飼育にするべきでしょう。
病気・怪我・喧嘩から守ることができる。
外で感染するウイルス性疾患には治療法のない猫エイズや猫白血病があります。また、猫カリシウイルス感染症や猫ヘルペスウイルス感染症などの致命的(仔猫では致命的になるケースもあります)とは言わないまでも感染性の高いウイルスも蔓延しています。
また、ノミやダニなどの寄生虫もいますし、それを媒介して赤血球に寄生する原虫もいます。
猫の世界では縄張り争いもあります。猫同士の喧嘩によって怪我したり、その怪我から感染症になったりと良いことはありません。
交通事故・動物虐待から守ることができる。
猫は突然車が近づいてきても、足がすくんでいるのか、止まってしまう子がいます。車は急に止まることができずに猫をはねてしまうことになるでしょう。万が一、即死しなかったとしても重傷のまま自宅まで帰ってこられる猫は少ないと思いますし、助かったとしても体には大きな障害が残ることになるでしょう。
猫好きの方には犬が嫌いという方もいます。逆もまた然り、猫が嫌いな人もいるのも事実です。ニュースで取り上げられることも多い動物虐待も未だに発生します。飼育されている猫は、野良猫ほど警戒心が強くはないので、人間に近寄っていくこともあるでしょう。
他人の敷地で糞尿することがない。
近隣トラブルの中には、飼育猫がお隣さんの庭で糞尿してしまうことも少なくありません。また、最近では公園の砂場に猫が入りにくいように壁で囲まれている砂場もあると聞きます。猫が他人の敷地や公園の砂場を理解できない以上、糞尿のトラブルは避けることができません。
誤って保健所に連れて行かれることがない。
猫が外出している時、野良猫と勘違いされて保健所に連れて行かれることも考えられます。マイクロチップが埋め込まれていれば、助かることもあるかもしれませんが、マイクロチップが入ってなく、さらに首輪が取れてしまったら、野良猫との区別はできません。
行方不明・迷子の心配がない。
前述した保健所の件とかぶりますが、誰かに連れて行かれる心配や、他の猫や犬に追いかけられてとんでもなく遠いところまで行ってしまうことも考えられます。運良く帰ってこられる猫もいるかもしれませんが、そのまま行方不明ということにもなりかねません。
また、病気の猫は一人になってストレスから身を守る習性があります。そのまま亡くなってしまうこともあるでしょう。昔は、「猫が死ぬときは姿を隠す」と言われていました。具合が悪くなって動けずにそのまま亡くなってしまうこともあるでしょう。
寿命が長い。
室内飼育猫は寿命も長いことがデータ※で証明されています。一概には言えないことですが、一緒に家の中で生活していれば猫の異変に気付くことも多いでしょう。猫は具合が悪いことを隠す動物と言われています。外出する猫は、健康状態の把握が難しいと言えるのではないでしょうか。
※一般社団法人 ペットフード協会 平成29年(2017年)全国犬猫飼育実態調査