猫の飼育環境

環境を豊かにする

猫が暮らしていく上で環境はストレスを大きく左右します。より良い環境を目指していきましょう。

 

照明

「照明」は室内飼育の猫に日々の活動を習慣化するための環境的合図です。「照明」は自然光を提供することができない場合、1日の中で明るくしたり暗くしたりする周期をタイマーによって制御する必要があります。タイマーをつけられない場合、毎日同じ時間に、手動で「照明」をオンオフする必要があります。部屋を出入りするたびに「照明」をオンオフしないようにしましょう。猫の室内照明の「明るさ」についての推奨は分かっていません(げっ歯類の飼育に関する一般的な「明るさ」の推奨は、床から1メートルの高さで400ルクス以下です。)。

 

猫の視力

猫は人間よりも視力は劣ります。近眼であると言われています。しかし、視野は人間よりも広く、動くものに対しては敏感に察知します。さらに、暗いところでも良く見えるようにできています。また、猫の世界は、白黒ではなく赤と緑がうっすらと判別できる程度のようで、色の判別は苦手なようです。

 

騒音

騒音レベルは最小限に維持しましょう(60デシベル以下、静かに会話するくらいのレベル、スマートフォンで計測できる無料アプリもあります。)。猫がいるときは静かな声で話をし、可能な限り猫の部屋以外で会話をしましょう。よく鳴く犬は、可能な限り猫から離しましょう。ケージや部屋の扉は静かに閉め、特に猫を不安にする突然の予期しない騒音を避けましょう。新聞を広げたり、ゴミ袋を開いたりするなどの他の環境騒音もできるだけ排除しましょう。出来ない時はテレビやラジオをつけておき、突然の騒音を遮断しましょう。

 

猫の聴覚

人間と比べて5倍近い聴覚を持つと言われています。しかし、音が大きいから恐れているのではなく、突然音がなることに反応することが多いようです。また、ビニール袋や紙袋の「カサカサ」という音が、獲物の動く音に似ているため敏感に察知します。ビニール袋や紙袋で遊ぶことが多い猫ですが、取っ手の部分は切り取って首や手足に引っかからないようにしておきましょう。

猫の好む音は、低くて大きい音よりも、高くて小さな音と言われています。低い音は唸り声などに代表される恐怖や怒りなどの感情、逆に高い声は喜びや興奮など感情を表しています。

 

匂い

犬や他の猫、アルコール、タバコの煙、洗剤(洗濯洗剤も含む)などの匂いは最小限にしましょう。これらはすべて猫にとって有害でストレスの多いものです。特にケージ内に閉じ込められている猫にとっては逃げようがありません。

 

猫の嗅覚

猫の嗅覚は非常に優れており、聴覚、視覚に比べると圧倒的に嗅覚に依存した動物と言えます。匂いを嗅ぐことで猫は、食べ物の判断、縄張りの主張、挨拶、相手の情報の感知などを行なっています。猫の鼻先に指を突き出すと必ず匂いを嗅ぎます。これも相手の情報を感知しているのではないでしょうか。

また、猫は頬や顎の下、そして肉球に臭腺を持つとされています。そこで分泌された匂いは、猫が頬をすり寄せたり爪とぎをしたりするときにその場所にマーキングされます。この匂いでテリトリーを確認しています。 

 

温度

猫は暖かさ(29-38℃)を好みます。しかし、室内飼育の猫のほとんどは、この暖かさを得ることができません。そのため、猫がより暖かさを得ることができるように寝具を提供し、猫がいつでも使用できるようにしましょう。タオルを使う場合は、猫が敷いたりくるまったりできる十分な大きさが必要です。紙の切れ端をたくさん箱に入れたものも使用できます。電気毛布や湯たんぽなどを使用する場合、猫がいつでもそこから他の快適な場所に移動できるようにしましょう。