講師(宗夜)ブログ

2023-04-02 12:33:00

●3/26(日)源氏物語茶事ご報告

3/26(日)源氏物語茶事が開催されました。

総勢8名さま。

この度初めて顔を合わせる方々も多く、待合での自己紹介は大いに盛り上がりました。今回が初めての茶事経験となる方々も多かったのでした。

 

お点前は経験豊富な生徒さまにお願いしておりました。

『久しぶりの続きお薄で、あまり自信がなくて。どうか皆さまのお力添えをお願いしたく…』

と仰ったところで

『た、助けられない…』

と、入門されて1年未満の生徒さまが仰ってドッと笑いが起き、この一言でみんな心から安堵した様子でした。

(私だけじゃなかった。良かったー🤭)

『みんなで助け合って楽しみましょう😊』

と結束しました。

 

みんなで頂く茶懐石料理の味は最高でした✨

《茶懐石料理のメニュー》

向附・・あじのみどり酢和え 

煮物椀・・粟麩のオランダ煮 ほたるいか ふき

預鉢・・海老とうどのアボカド和え

焼物・・鰆の木の芽焼き

汁・・とろろ昆布の吸い物

菓子・・道明寺桜もち

 

特に皆さまからご好評いただいたのが、鰆の木の芽焼きです。

ふっくらと柔らかい鰆は、ほんのり塩味。

木の芽の香りが口いっぱいに広がります。

そして和菓子は桜道明寺🌸

桜あんを中に納めた道明寺です。

道明寺粉のつぶつぶの大きさが絶妙でした!

つぶにより生まれる食感のリズム。

桜あんと相まって春のハーモニーを奏でます。

 

その後に千鳥の盃。

茶懐石のハイライトと言えましょう。

よし庵ではお酒を供することはいたしておりません。形だけとさせていただき、作法の説明と共に宗嘉先生が燗鍋を持って回ります。

その後、しつらいの拝見を経て腰掛け待合に下がり、炭手前、続きお薄のお点前となりました。

よし庵ではお膳をゆっくり召し上がっていただきたいという配慮から、炭手前は続きお薄の直前とさせていただいております。

この会では炭手前の立候補がございませんでしたため、宗夜がいたしました。

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そしていよいよ、生徒さまによる続きお薄のお点前となりました。

お正客もお次客も、茶事が初めての生徒さまでした。お二方とも、とても緊張なさったとのことですが誠実なお人柄が滲み出ていて、茶室全体が優しい雰囲気に包まれました。

生徒さま同士が教え合って助け合って温かい茶事となりました。

 

初級の生徒さまのお隣にいらした中級の生徒さまが、

『ここで干菓子を召し上がると良いですよ』

とアドバイスくださり、お菓子を取る作法も同時に教えてくださっていました。

宗夜はどうしても水屋から離れるわけにいかなかったため本当に助かりました。

 

お点前を終え、送りつけのご挨拶にて…

皆さま口を揃えて、先輩生徒様の続きお薄のお点前の素晴らしさを述べられておられました。

『あんな風に自分もお点前をしたい…』

先輩の美しい所作と優しさ溢れるお点前に心打たれたとのこと。

先輩の方も、後輩生徒さまの心の清らかさに触れ、同じように感動されたご様子でした。

 

しつらいの拝見を終えて、もう一度広間にお集まりいただき、宗嘉先生の源氏物語のお話を楽しみました。

平安時代のお茶と、平安時代の和菓子。

光源氏、夕顔、六条の御息所、葵の上、若紫…

(ああ、私にも似たようなところあるかも…)

宗嘉先生が本当に伝えたいのは、男女の恋愛を超えた、女性としての美しい生き方。

反省してほしいわけではなく、ガツガツと前のめりになってほしいわけでもなく、もちろん無気力になってほしいわけでもなく…

1000年前の女性のモデルを解説することで外側から自分を見つめられたら、それでもう悩みは半分解決したようなものだと言います。

 

湘南藤沢、弥生の末の昼下がり。

午前中はしっとりと雨模様で始まったお茶事も、午後には晴れ間が差して参りました。

皆さまのお顔も晴れやかで、共に時間を過ごせたことに幸せな気持ちでいっぱいになりました。

皆さまご参加ありがとうございました。

2023-03-03 14:21:00

●雛まつり茶事ご報告

3/26(日) 5名のお客様と雛まつり茶事を行いました。

稽古茶事なので、生徒さまお二方に『続きお薄のお点前』と『炭手前』をお願いしました。

当教室の生徒さまで、プロのフォトグラファーである太田真弓さまがお写真を提供してくださいました。

生徒さまの同意を得た上で掲載させていただきます。

 

お点前を披露してくださった生徒さま、本当にありがとうございました!

お陰様で素晴らしいお茶事となりました。

お点前担当の生徒さまは

『よし庵の名にかけて頑張ります💪』

と前日までお稽古に励んでくださいました。

炭手前担当の生徒さまも、毎日私どもの動画をご覧になり、手を動かしてくださっていたのこと。

そのお気持ちがとても嬉しく私の心に響きました。

 

そして迎えた当日🌸

日頃の練習が結実した美しいお点前であったと宗嘉先生から伺っております🍵

炭手前もお羽が流れるような美しい手捌きであったとのこと🪶

(工藤は半東のため水屋仕事をしておりました)

 

お客様のお作法も見事でいらして、茶室の空間が清々しい気で満たされていました。

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茶事には独特の緊張感があります。

お稽古で常にお顔を合わせている間柄でも、茶事の場がお教室でも、いつもとは異なる空気が流れていました。

亭主役の真剣に茶道と向き合ってくださるそのお姿に、誰もが心を動かされました。

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日々のお稽古の真髄は、この心持ちの中にあるのかなと思いました。

 

●小隠は陵薮に隠れ 大隠は朝市に隠る

しょういんはりょうそうにかくれ

だいいんはちょうしにかくる

 

中途半端な者は、山野に隠れ住んで悟りを開こうとするが、本物は市中で超然と暮らしているものだ。

 

いつも会う人

いつも通う場所

いつも手にするお道具たち

『いつも』の中の特別なひと時。

これが本当の創造性なのかも知れないと気付いたのでした。

 

宗嘉先生の茶懐石料理も、心を満たす素晴らしいお膳でございました。

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締めくくりは『源氏物語』

平安期のお茶と和菓子を一緒に味わいました。

きな粉すはま(桃)

とても楽しい時間でございました。

ご参加いただきまして誠にありがとうございました😊🤲

 

銅鑼を鳴らしてお客様にお時間をお知らせします。

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炭手前で茶室を暖めてお釜の準びを整えます。

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