日記
マーチ
時代を感じる角ばった外観にコンパクトなボディ。
こちらは日産マーチの初代モデルです。
当時1982から1992まで十年間もの間販売されており、様々な特別使用車が販売されました。
また、この初代マーチをベースにデザインを一新した「パイクカー」と呼ばれる派生車両も存在します。
さて、今回のご依頼はステップ部分の腐食の修理です。
写真だと分かりづらいですが、腐食の一番ひどい箇所は2~3cmくらいの穴が開いていました。
ボディに穴が開くほどの腐食となると、ボディ内部の腐食もなかなか凄まじいことになっていそうです。
果たして中身はどうなっているのか…。
ボディをめくれば案の定現れた錆の塊。
予想はしていましたが、これはまた一筋縄ではいかなそうな作業です…。
シボレー「コルベットC2」
本日紹介する車はシボレー「コルベットC2」。
現在ではC8まで出ており、この車両は名前の通り2代目に当たります。
生産されていたのは1963年頃で年式と未だ衰えない人気も相まって、現在の希少価値は相当なもとなっております。
それゆえに雑誌やテレビで目にする機会はあっても、日本の公道で走行しているこの車を見かけることは困難といえます。
ちなみに、芸能人では所ジョージさんが所有していたりします。
さて、蛇足はここまでとして今回のご依頼ですが、アライメント調整とホイールの塗装、タイヤ交換の3点です。
備考としてお客様から「タイヤが内減りしてしまう」お話も伺いました。
それでは早速作業に移っていきましょう。
まずはタイヤ交換を行います。
ただし、アライメントの後にホイールの塗装も控えているので、ホイールにバランスウェイトはまだ取り付けていません。
続いてアライメント調整。
こちらが調整前数値です。
足回りの部品もところどころ交換されているようなので予想はしていましたが、やはり大きくズレていました。
しかも、四輪ともネガティブトー、ネガティブキャンバーなのでタイヤが内減りするというお客様のご指摘とも一致していますね。
早速調整作業ですが、この車は少し調整機構が独特な作りとなっております。
こちらの二枚の写真は左がキャンバーの調整機構、右がトーの調整機構となっております。
左の写真は見ての通りモンキレンチがかかっている箇所を伸縮してリヤタイヤにキャンバー角が付きます。
問題は右の写真。
C2コルベットはリヤがトレーディングアーム式という構造をしており、写真中央のアームの両脇に挟まっているシムの厚さの比率を変えることでリヤのトーを調節します。
シムの厚さを車両内側を薄くし車両外側を厚くするとトーがプラスに、逆に車両内側を厚く車両外側を薄くするとトーがマイナスに動きます。
調整の細かさはあくまでもシムの厚さに依存するため、0.1mmずつ動かすようなことはできませんが、厚さの違うシム同士をうまく組み合わせると、左右差を限りなく小さくできます。
さて、続いてフロントのアライメントですが、こちらはダブルウィッシュボーン式を使用しております。
左の写真はアッパーアームを上から見た写真です。
こちらはアッパーアーム軸側の取り付けナット2本を緩め、それぞれの隙間にシムを挟むことでキャンバーとキャスターを調整できます。
シムの厚さを車両前方を薄く車両後方厚くするとキャスターがプラスになり、逆に車両前方を厚くし車両後方を薄くするとキャスターがマイナスになります。
また、同時にシムの入れれば入れるほど、キャンバーがポジティブに動いていきます。
こちらも厚さの違うシムをうまく組み合わせをて基準値を目指しつつ左右差をなくしていきます。
そして最後に左の写真のトー調整用のシャフトを回してトーを合わせていきます。
そして調整後の写真です。
時間はかかりましたが満足のいく出来です。
試運転でも問題がないことを確認し終えたら、次はホイールの塗装に移ります。
元のホイールはホワイトでしたが、今回はブラックに塗装。
写真にはありませんが、塗装前にホイールに付いた小傷の修理も行っています。
塗装が終われば、ここでようやくホイールバランスを取り、車両に装着すれば完成。
この度は当社に貴重なお車をお任せいただき有難うございました。
またのご来店を心よりお待ちしております。
ホンダ「S2000」
日記をご覧の皆様、お久しぶりです。
中々時間が取れず、前回の更新から随分と時間が経ってしまいましたが、何事もなかったかのように久々の更新をします。
本日紹介するのはホンダのS2000。
当ホームページでは以前にも同様の車種を紹介しましたが、今回入庫された車両はサーキット使用にチューニングされているようです。
さて、今回のご依頼ですが、写真から分かる通りアライメント調整です。
ただし、今回のアライメントは純正の数値に調整するのではなく、ご依頼された数値にアライメントを持っていきます。
という訳で調整前数値がこちら。
右フロントのトーが大きくズレていますが、当社に入庫前に足回り関係の部品を交換されているようなのでその影響でしょう。
S2000のアライメント調整ですが、フロントのトー以外は全て調整カムを回せば動くようになっております。
話すと長くなるので詳細は省きますが写真だとメガネレンチがかかっている箇所を回すとアライメントが調整できます。
フロントのキャスター調整用のカムだけは下向きなのでレンチをかけていませんが、ロアアーム後方に存在します。
イメージとしてはこれらの調整機構とタイロッドエンドの調整機構を動かしながら目標値に近づけていきます。
そして作業後の数値がこちら。
概ねご依頼の数値まで持っていくことができました。
特徴としては競技車両なので、フロントのトーがマイナスに大きく振っています。
一般的な車両ではフロントのトーはプラスに調整することはあってもマイナスに調整することはほぼありません。
これは一般的な車両と、競技車両では求められている需要が異なるからです。
直進安定性を重視するならばトーインを、操舵に対して機敏な反応を求める場合はトーアウトをという訳ですね。
本日はご入庫有難うございました。
またのご依頼を心よりお待ちしております。
今年も残りわずか…
新設備導入ダイハツ「パノラマモニタ用ターゲット」
この度から新たにダイハツ車用のパノラマモニタ調整用のターゲットを購入しました。
ダイハツ車にパノラマモニタが装備され始めてからしばらく経ちましたが、採用台数の増加を考えての判断です。
特に鈑金屋はディラーや一般的な整備工場よりもドアやバンパーの脱着に携わる機会がかなり多いので、使用する機会も少なくはないでしょう。
余談ですが、このターゲットはダイハツ車以外にもスズキ、マツダ、ホンダにも代用できるターゲットのようなので、今後の活躍に期待できそうです。
さて、ただの新しいターゲットの購入報告だけではあまりにさみしい内容なので、ここからは実際にターゲットを使用した作業の様子をざっくりと紹介しようと思います。
まずはある程度平滑な地面に車を止めて要領書に従い車の両脇に基準線を一本ずつ引きます。
この線はあくまでもダイハツ車の「パノラマモニタ」のズレを点検するためのものであり、トヨタ車の「パノラミックビューモニタ」や日産車の「アラウンドビューモニタ」などでは線の位置や形状が異なりますのでその都度車種に応じた要領を調べましょう。
次にナビに映るパノラマモニタを確認してズレの有無を確認します。
ここまでが点検の内容ですね。
ここでズレがなければ作業は終了となりますが、2枚目の写真のようにカメラ映像の境目位置の基準線が明らかにズレていた場合、調整が必要となります。
というわけで要領書の指定の位置にターゲットを設置しました。
今回の作業でパノラマカメラを脱着した箇所はフロントバンパーだけなので、フロントカメラの調整だけします。
診断機をつないで調整画面へ、ナビの画面に映った赤線の範囲にターゲットが入っていることを確認します。
要領書の指定位置に正しく置けていれば、三枚目の写真みたいな配置になっていると思います。
もし赤線の範囲からターゲットがはみ出ていた場合はターゲットの設置位置とカメラの取り付け状態を確認しましょう。
そして作業後の写真がこちら。
2枚目の写真と比べるとズレが解消していることが分かりますね。
これにて調整作業は完了となります。
最近では部品の脱着だけで専用のターゲットを用いた調整が必要となる車が増えてきております。
当社では主にトヨタ車、ダイハツ車、ホンダ車を中心にセンサーやレーダー、カメラの調整作業も承っております。
ご依頼の際は事前にご連絡をいただければ助かります。