けが やけど 中毒
外傷 以下の1つでも該当すれば,救急車を呼ぶか,病院の救急外来へ!
① 意識がない,モウロウとしている,あるいは受傷直後に意識消失があった
② 立って歩くことができない
③ 顔面が真っ青である,呼吸が苦しい
④ 傷口を強く圧迫しても出血があふれて止まらない
⑤ 四肢が変形しており,その近くに出血している傷がある(=開放性骨折)
当院で初期治療ができる外傷
1)小さい傷(6〜7㎝まで)には,局所麻酔で縫合手術を行います
2)痛む部位に骨折がないかどうか診断したいときは,X線撮影を行います
3)胸部や腹部の打撲では,必要に応じて,エコー検査やX線撮影を行います
当院では応急処置だけして専門医や病院へ紹介する外傷
1)大きく深い傷,顔面の傷(傷跡が目立ちやすい部位),汚染された傷 など
2)X線で骨折が見つかったとき,関節の損傷が疑われるとき → 整形外科
3)胸部や腹部の打撲で内臓損傷が疑われる場合
子どもの肘の脱臼(肘内障)
小さい子の腕を強く引っ張ると,肘(正確には橈骨頭)の亜脱臼がおこります.片腕を急に動かさなくなるので,すぐ気づきます.この脱臼はごく簡単な手技によって整復できますが,ちょっとしたコツがありますので,慣れた医師に任せるのがよいでしょう.当院での整復成功率は90%以上です(たった10秒で治せるというのが院長の自慢).
熱傷(やけど)
すぐ 水道の蛇口で 熱傷部位に水を直接かけて冷やす.徹底的に冷やす! 20分 間つづける! これによって,皮膚が深くまで傷害されるのを防ぎ,治りが早くなり,瘢痕も目立ちにくくなります.冷却した後に,清潔なガーゼやタオルなどで軽く覆って受診して下さい.水洗冷却が20分間できない場合は,アイスパックで冷やしながら来てもかまいません.軟膏は塗らない,水疱ができても破らない,冷えピタは無効です.
当院で初期治療ができるのは,比較的狭い範囲の浅い(Ⅰ度~Ⅱ度)熱傷です.目安は体表面積の2〜3%くらいまで(手の平の面積が大体1%に相当する),それより広ければ,病院の救急外来や専門クリニックへ直接行ってください.また,Ⅲ度(深い)熱傷,あるいは特殊な部位(顔面,関節部,陰部)にできた深めの熱傷も最初から病院がよいでしょう.
中毒 異物の誤飲誤入
子どもが何か危険なものを食べたり,飲んだりしたのを見つけたら,すぐに口の中を見て,何かあったら手で取り出したり,可能なら水ですすいだりします.しかし,喉を刺激するなどして,無理に吐かせてはいけません.次に重要なことは,中毒症状があるかどうかです.普段と様子が違う(異物誤嚥ならば咳き込んでいる)場合には救急車を呼ぶなり,救急病院へすぐに行くことです.救急処置を必要とすることがあるからです.中毒症状が全くない,あるいは(異物を飲み込んだが)つらそうな様子がないといった場合は,当院へ来ていただいてかまいません.そのさいに原因物質の残りとか包装を持参して下さい.その情報があると,今後に起こりそうなことを推測できるからです.
金属製の異物を飲み込んだり,何かを気管に吸い込んだ疑いのある場合は,X線撮影で確認することもあります.
子どもが鼻や耳に,小さい豆とか球体の玩具を入れて取り出せないことがときどき起こります.当院でも摘出用の道具を使いますが,難しいケースは耳鼻科へ依頼します.
熱中症
蒸し暑いところで長く居たり,激しい運動や労働をすると,熱中症のリスクは高まります.ただし「熱中症に特有な症状」というものはありません.熱中症を疑っても「別の病気ではないか?」慎重に見極めます.子どもであれば 感染症(かぜ)の発熱と区別する,高齢者であれば 心臓 や 肺 や 脳 の病気を見落とさないことが大切です.
熱中症のなかでもっとも重いⅢ度(熱射病)とは ---- モウロウとしている,フラフラして歩きづらい,ロレツが回らない ---- つまり,意識障害のおこった状態です.意識がおかしい と思ったら,すぐ 救急車 を呼んでください.意識が正常で,まっすぐ歩くことができる ---- つまりⅠ度~Ⅱ度の場合は,弱い風のあたる涼しいところに休ませて水分補給する(飲めない場合は点滴する)だけでも改善するはずです.