アレルギー

花粉症 舌下免疫療法
 花粉症(アレルギー性鼻炎/結膜炎)は大人にも子どもにも多い病気です.一定の時季だけ症状が出る「季節性」(スギ花粉症など)と,一年中グズグズする「通年性」(カビやホコリなど)があります.小さい子どもは鼻風邪を繰り返しやすいので,これを花粉症と混同しないでください.
 対症療法として,抗ヒスタミン薬 の内服がよく効きます.眠気の出やすいことがちょっと困った副作用ですが,新しく開発された薬ではほとんど感じないレベルまで改良されました.効果が
不十分なら,点鼻薬や点眼薬などの追加手段があります.
 完治をめざすならアレルゲン舌下免疫療法 があります.少量の原因物質を含む錠剤を毎日服薬すると,しだいに体が慣れて過剰なアレルギー反応が出なくなります.スギ花粉症の「シダキュア舌下錠」と,ダニの「ミティキュア舌下錠」が利用できます。
 とくに「シダキュア舌下錠」は経験例が多く,過半数の方が治療効果に満足しています.スギ花粉にアレルギーがあることを検査で確認しておき,花粉の飛散が終った5月から秋口(9月ころ)までに開始するのがよいと思います.5歳から処方可能ですが,当院では小学生になってからをお勧めします
初回だけは (成人でも子どもでも)解説ビデオを視聴していただいたあと院内で服薬して,強い副反応が出ないか30分間ほど観察するため,あわせて1時間弱の余裕が必要です(予約が必要).なお,効果を継続させるために3~5年間続ける必要があります.
製薬メーカのサイト 👉 舌下免疫療法って?


食物アレルギー 経口減感作療法
 食物アレルギーは子どもに多い病気です.乳幼児におこる即時型アレルギーの三大原因は 鶏卵牛乳小麦 です.じんま疹などの皮膚症状で気づくことが多く,状況から疑わしい原因物質が推定される場合は,まず記録をつけてください.採血して 特異的 IgE抗体 を測定し,診断の参考にすることもあります.
 発症当初は,原因と確定した食品をいったん避けなければなりません.しかし,ずっと食べさせないのはよくありません.アレルギー症状が出ない程度のごく少量から試験的に摂取を始めて,徐々に量を増やし,いずれは普通に食べられるようにもっていくのが賢い対処法です.こうした 経口減感作療法 を乳幼児期から始めたいのですが,多少のリスクをともなうため,軽症例以外は専門病院を紹介します.

アナフィラキシー エピペン 
 1~2時間以内に発症する即時型アレルギーのうち,多いのはじんま疹などの皮膚症状です.それだけなら抗ヒスタミン薬を内服するだけでよいのですが,全身症状が加わることがあります(これを アナフィラキシー とよぶ).たとえば,嘔吐や腹痛(消化器症状),呼吸がゼイゼイしたり息苦しくなる(喘息症状),顔色が真っ青になって気を失いそうになる(低血圧症状)など.
 アナフィラキシーは,ときとして命にかかわるので,一度
経験したら二度と原因物質(アレルゲン)に触れてはいけません.減感作療法は危険なので,普通はおこないません.注意していても,知らないうちにアレルゲンと接触したら困りますが,すぐに特効薬の アドレナリン を注射すると重症化するのを防ぐことができます.そこで,常に携行してもらい,自分で(あるいは周囲の人が)注射できる自己注射キットが開発されました.その商品名がエピペンです.処方は登録医師しかできません(当院で可能)
製薬メーカ 👉 エピペンサイト


気管支喘息
 幼児から高齢者まで,どの年齢層にも起こりますが,子どもと大人では症状の出方がすこし違います.子どもの気管支は敏感で,大人よりも喘息様の症状を起こしやすいのですが,小児喘息と診断されたうち半数以上は思春期までに治ってしまいます.
 喘息の主な原因はアレルギーです.ハウスダスト,ダニ,ペット(犬猫など),カビなどさまざまで,原因物質(アレルゲン)がわからないこともあります.風邪ひき(気道感染症),大気汚染,ストレス,気象の変化なども症状を誘発します.
 喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)をともなう咳は気管支喘息(発作時)の主症状です.ひどくなると陥没呼吸や呼吸困難を起こし,ときに命の危険さえあります.喘息発作の最中に受診されたお子さんには,吸入療法(気管支拡張薬+ステロイド)を行います.気管支拡張薬の効果はすぐあらわれ,そのあと数時間かけてステロイドが効いてきます.しかし,重篤な発作の場合には,さらに強い治療ができる病院へ紹介します.
 治療のゴールは「発作がまったく起こらない」状態を続けることです.そのために,内服薬や吸入薬などをうまく組み合わせてコントロールします.その方法は,ひとりひとりの病状によって違いますし,季節や体調に合わせても調整します
.そうした長期管理が難しいケースは専門病院にお願いしたり,連携しての治療となります.