講師(宗夜)ブログ
●野生の掟と右脳
時間のある休日。
一年くらい前から、たまに野生動物特集の番組を見ることがあります。NHKのBSの番組です。
何となく野生動物に興味が出てきたのでした。
宗嘉先生と古事記の話をしたのがきっかけでした。古事記ではスサノオノミコトが、様々な他の神様を簡単に殺してしまうシーンがあります。
そのたびに私は驚いて
『何も殺さなくても良いじゃないのよ』
と反発したのでした。
宗嘉先生に聞くとこのように答えられました。
。。。。。。。。。
それが野生の掟だから。
良いとか悪いとかじゃない。
人間だって本当は野生の掟からは逃れられないのだ。
。。。。。。。。。
野生の掟?
私は野生じゃないから分からないな…。
野生ってどんな生活をしているのだろう。
ある番組でツキノワグマの子育てを追っていました。
冬眠を終えた大きなクマ🐻が穴から出てくると、その後から小さな子グマが2匹ヨチヨチと這い出てきました。
ヨチヨチ…。かわいい!
坂を転げ落ちてコロコロコロコロ…
『あーーっ』と追う母グマ。
口に咥えて穴まで戻ります。
子グマは何度も穴から出て転がります。
お母さんも何度も坂を降りて子グマを咥えます。
大変だよねぇ、子育ては💦
でもお母さんグマは何だか嬉しそう。
子グマを連れて色々なところにお散歩に行ったり。大変だけど嬉しそう。
そんなある日。
高い木に母子3匹が登って寝ていました。
ある日を境に必ず高い木に登ってひっそりと寝るようになったとのことでした。
ちょうど繁殖期の季節でした。
大きな若いオスのクマが辺りをウロウロし始める季節でした。
オスのクマは子グマを見つけると食べてしまうのだそうです。
子育て中にはメスのクマが発情しないためです。
母子3匹はオスのクマを恐れて木に登っていたのでした。
だけれども、やっぱり見つかってしまいました。
木の下から鋭い爪を使って登ってくる大きな若いオスのクマ。
必死に子グマを守る母親。
ああ、でも…。
守り切れない。
崖を転がり落ちる小さな子グマ。
かわいそうに…🥺
かわいそうに…🥹
一番かわいい年頃なのに。
悲しみに打ちひしがれる若い母グマ。
かわいそうに🥲🥲🥲
と、思った次の瞬間。
『じゃ、行きましょうか❤️』
母グマは若いオスのクマを誘うように森に入って行きました。
なんと‼️
いま、つい今さっき。
自分のかわいい子が、その…その若いオスのクマに命を奪われたと言うのに。
アリなの❓それ、アリなの❓
もしこれが人間で法廷の場であったなら…
🔵検察官:あなたは自分から若いオスグマを誘って森に入りましたね?
🔴弁護人:異議あり!今のは誘導尋問です。
🔵検察官:質問を変えましょう。どんな目的を持って自分から森に入ったのですか?
🟡裁判官:被告人は質問に答えてください。
🐻母グマ:私は…
〜辺りが急に暗くなり、一人スポットライトを浴びる母グマ〜
🐻母グマ『私は野生の掟に従っただけです‼️』
以下、宗嘉先生のお言葉。。。。。
そう、自然は厳しいの。
だけどポジティブなの。
だってそうでしょ?
その母グマ、オスグマを憎んでないでしょ?
恨んでないでしょ?
『よくも…』なんて言ってないでしょ?
気持ちを切り替えて新しい生命を育んでいくわけでしょ?逞しいじゃない。
だから、ポジティブ。
右脳の世界。
。。。。。。。。。。。。
そうなのか…。
人間の世界には様々なルールがあるので、野生の掟は普段は目には見えない。
けれども
●強いものが勝つ
●状況は刻々と変わる
●変化に応じてすぐに行動を変える
という掟は人間社会でも変わらない。
『ひどい』とか
『あんまりだ』とか
『誰々のせいだ』とか
文句を言うことに時間を使わないで
『そういうこともある』
と受け止めて次の行動に移るという冷静さも時には必要だろう。
だからと言って簡単には割り切れないという気持ちも人間らしい優しさで、これが人と人とを繋ぐ絆ともなる。
野生の掟かぁ…。
母グマの後ろ姿から色々なメッセージを感じたのでした。