講師(宗夜)ブログ
●なぜ、それをする?
なんでこんなことしたんだろうと思うようなことを人は時々するなぁ、と思います。
なんでなのか、その時には理由は分からない。
でも、その行動にはそれなりの意味があるような気がしています。
なんでか分からなくてもついやってしまうのが右脳なのではないかと工藤は思っています。
ついやってしまう時、右脳は解放されていて気分が落ち着いているのではないかと思っています。
7月の終わりの茶事『夕去りの茶事』において、和蝋燭🕯️を使いました。
続きお薄を終えた頃には、蝋燭は全て溶け切り、手燭のお皿の底に熱せられた液体となって溜まっていました。
宗嘉先生が指☝️でツンと触ろうとしました。
(これ何だろう?)と思ったみたいです。
『先生、熱いですよ。触らない方が良いですよ』
それでも先生は指を伸ばして触ろうとします。
『触らないほうがいいですよ、先生。熱いですよ』と声を掛けたところで、
(あ、溶けたロウか…!) と気付いたようでした。
この時の宗嘉先生の行動を見て、
(そうそう、男の子ってこうなんだよねー)
とつい思いました。
大人の男性を前にして失礼ですが、
『これ、何だろう?🤔』と不思議がる純粋さが、宗嘉先生の最大の魅力のように思います。
そしてその純粋さが成功への鍵🔑なのではないかと思っています。
工藤は男児を育てた経験があるので、つい自分の子を思い出します。
『熱いから触っちゃダメよ』
と言っても幼い息子は必ず触りました。
『ダメよ』の『よ』を言い終わるか終わらないかのうちに触ります。
(ケンカ売ってんの⁉️)と思うようなタイミングで触ります。
手を洗わせれば必ず蛇口に指を突っ込んで水を撥ねさせます。洗面所は毎回水浸しです。
米櫃に手を突っ込んでお米を撒き散らします。
タンスの引出しを下から少しずつズラして開け、それを階段にして上に登ります。
(なぜ、それをする?)
私には理由が全く分かりません。
理由を問うのは左脳なのかもしれません。
大きくなってから改めて理由を聞くと、
『どうしても止められないんだ』
と言いました。
『怒られようが、叩かれようが、ケガしようが、どうしても止められない。やり遂げたいという気持ちは止められないんだ。』
へー(@_@)
最近になって、あの一蓮の行動はデータ収集だったのではないかと思い始めました。
一般的に、男児は女児よりも言葉が遅いとされています。
言葉を現象と結びつけることに時間が掛かるように思います。
『これ熱いから触っちゃだめよ』
と声をかけた時に、耳に残るのは前半のみだったようです。
『触っちゃだめよ』は消えてしまっていたようでした。
。。。。。。。。。
熱い?
なに熱いって?
触れば分かる?
触ってみよう、アッチー‼️😫
。。。。。。。。。
もしかしたらこのデータ収集はとても大事な経験だったんじゃないかと思います。
『熱いってこういうことか』という記憶のデータが一つ脳に書き込まれた瞬間かもしれません。
記憶はその人の財産です。誰にも奪えません。
撥ねる水💦
小さな米粒🌾
撒けばパラパラと音を立てて面白い。
タンスの引出し。
引いたり押したり。 時々指を挟んで痛くて泣く。
こういうことすると痛い目に遭うと学ぶ。
でもまたやる。
すんでのところですり抜ける快感。
『フー!😁』
大人の立場からすればイタズラですが、その時の子どもは『面白いこと』をただ追求しているだけ。
こういう経験をたくさん積んでおくことが右脳を発達させるんじゃないかと思います。
そして大人になっても時々はこのように、気持ちの赴くままに行動して、自分を解放することが大切なように思います。
自分を解放するには心から安心できる空間が必要です。
素のままの自分でも受け入れてくれる空間。
いいのよ時々失敗しても、と。
そう思うと案外大きな失敗はしないもの。
皆さまには、お稽古で伸び伸びとご自身を解放していただきたいと思います。
解放することで明日を生きる活力が内側から湧いてくると私たちは考えています。