講師(宗夜)ブログ
●リモートおうちお稽古
よし庵では、お教室での対面お稽古と共に、リモートお稽古も大きな柱としております。
遠方の方や小さいお子様をお持ちの方々がお稽古してくださっています。
リモートでお稽古が可能なの?
と思われるかもしれませんが、これが面白いほどよく出来るんです。
工藤の担当は茶道(初級・中級)と着付けです。
生徒さまのご自宅と繋がっているので、たまに小さいお子様がちょこちょこ挨拶してくれます。
《着付けのお稽古にて》
工藤『では帯の手先を右手でもって、背中に回して左手で取りましたら…』
『こんにちわー‼️』とお子様👶
工藤『こんにちわー😊。そしたら左手で帯を持ったまま前に回してきて…』
子👶『今ね、パン食べてんの』
工藤『あーそうなんだぁ。いいねー!』
ママ『あっちでテレビ見ておいで』
子👶『くるみパンだよ』
ママ『テレビ見ておいで』
子👶、去る
子👶、また来る『こんにちわー‼️』
楽しい🤣🤣
小間切れのお稽古に見えるかもしれませんが、楽しみながらお稽古しているから、結構身につくのです。 そしてお子様も嬉しそう。
子👶『いつかねぇ、〇〇も着物きるんだぁ!そしたらねぇ、帯ぐるぐるしてねぇー、そしたらねぇ、お茶もシャカシャカするよ🍵』
文化とは案外こんな風にしながら次世代に繋がっていくのかもしれません。
ただ、リモートでは情報量が限られています。
パソコンの画面とお互いの声が頼りです。
そのため講師と生徒さま双方の歩み寄る努力が欠かせません。
一緒に悩んで問題を解決します。
先日は袋帯の結び方について一緒になってウンウン悩みました。
《袋帯のお稽古の様子》
工藤『そしたらここで帯の布を二重にして、二重のまま先ほどの下線に重ねます』
生徒さま『二重のまま重ねる…。先生どうしてもメインの柄が正面に来ません。』
工藤『うーーーん。どうしてかな。もう一回やりましょう。』
なんでかな、なんでかな、
この時はどうしても時間内に問題が解決しなかったので、生徒さまに写メで帯の様子を送ってもらい、工藤が添削することにしました。
再現するとこんな感じです↓
また、袋帯の構造がどうしても口頭では伝わらなかったので図を描いて説明しました。
……………………………………
生徒さまより『これなら分かる!』と納得していただけました。
こうやって、ああでもない…こうでもない…と言いながら一緒にお稽古している時間が私には何よりも楽しいです。
何事もスピードが評価されがちな世の中ですが、こうやって時間をかけて一緒にお稽古を作り上げていく生徒さまは最終的には技術をしっかりと自分のものになされます。
後から考えると却って無駄のないお稽古であることが多いのです。
それはきっと『楽しい😆』と思える感情が、生徒さまの潜在能力をもっともっと引き出すからなのでしょう。
そう言えば、子育てもこんな感じでした。
子どもは、キホン、勉強嫌い😠❌
まぁそりゃそうですよね。
でもやっぱり子どもに勉強させないといけない。
その子自身の将来のために。親の務めです。
小学生の時に塾に行っていましたが、親がついていないとしない。ついていてもしない💦 子どもに勉強させたいと思うなら、まず自分が勉強しようと思いました。
自分自身が知識を身につけることを心から楽しんでみようと。
そして子どもが学校に行っている間に塾のテキストを読み込み、頭に入れておいて、帰宅したらクイズ形式で問題を出すことにしました。
『はい、〇〇くん、ここで問題です。ダダン🎵』
ちゃんと効果音も再現します。
『鎌倉幕府の仕組みのなかで、御家人をまとめたり、軍事に関わる役職を何と言う?』
『ええ〜〜⁉️』
『チッチッチッチッチッ…⏰残り時間5秒です。
チッチッチッチッチッ…⏰はい時間切れー‼️ドッカーン💣💥』
ある時は日本の都道府県のテスト前でした。
子『もー💢覚えらんないよ、こんなの😤』
工藤『あれ?もしかして…。中部地方のココのところ、しりとりになってるよ、〇〇くん』
ぎーふ、ふくい、いしかわ…
と言ったところで子どもが節を付けて加えました。
『とやま🎵』
おっ!いいねぇ、いいねぇ😄👍
ぎーふ、ふくい、いしかわ、とやま🎵
その日は車の中で合唱しながら塾に向かいました。
この時期は、子どもに勉強させなければという使命感に駆られて動いていました。
ところが後々になって、むしろ自分自身にとって役に立つものになりました。
リモートでは様々な地方から生徒さまが集まります。
各都道府県の位置や気候、主な産業や歴史背景が頭に入っていることで講師として信用していただけました。
講師とは専門知識だけでなく、人間全体、人生全体で生徒さまと向き合う職業なのだなと思いました。
人間と人間の心のつながり。
さぁ、今日も楽しんで🎵