講師(宗夜)ブログ
●人のこころを掴む技術
奈良の東大寺南大門の金剛力士像を見ていた時、中学校の修学旅行生を引き連れていたガイドさんを見かけました。
反抗期真っ盛りの中学3年生ですが、ガイドさんは上手にコミュニケーションを取っていて感心しました。
南大門に生徒を集めて、金剛力士像の説明をしようとしていますが、生徒が三々五々に散らばり1箇所に集まりません。
生徒の方は集まらなきゃいけないことは、本当は分かっています。
でも普通に声を掛けられてもウザいだけ。
そこでガイドさん笑顔でこう言いました。
『はーい、そこの5名さん。いらっしゃーい😀』
そばにいた生徒たちも後に続きます。
👶👦👧『いらっしゃーい!』
『はーい、そこの8名さんもいらっしゃーい😄』
👶👦👧『いらっしゃーい!』
『みんな揃たね。ほな説明するよー😃。これが、かの有名な…』
👦『おっ、風神雷神』
『そ!風神雷神。てっ、ちゃうわ❗️』
👶👦👧『ガハハハ‼️』
上手いなぁ〜、ひとの心を掴むのが。
観察すると、ガイドさんの周りには味方となってくれそうな生徒たちが数名おりました。
ガイドさんの優しく朗らかな人柄に生徒たちは魅了されているようでした。
そして全体を動かすために、彼らの力を上手く借りている感じに見えました。
誰もが楽しそうな雰囲気でWin-Winの関係を築いていました。
集団を動かすには方程式が存在する。
そう言えば、世界的なマエストロ小澤征爾さんもそのようなことを仰っていました。
『8割を味方にするように努力する。まぁ、7割でも良いけどね』
何かの対談で仰っていました。
『100%は目指さないんですか?』
アナウンサーが問うと、
『100%はありえないでしょ。不自然だもん。7割から8割が良いんだよ。』
厳しそうな顔がふわっと緩んで笑顔になる。
最後の最後はガツガツしないで人間味がある。
こういうところに人はホロっとくるのかなと思いました。