インター根ット

 

寒い 枕で失礼しました。
「可愛い子には水やるな」でも記載しましたが、野菜作りではとかち、どれだけ
大きな実がなり、茎が成長し立派と 地上表面の「外見」に目が行きがちですけど
それは、単なる結果であって、本来は根と土の活動の結果なので、そこは
どうなってんの?ってことです。上手く結実した場合は喜ぶけど、そうでない
場合は 次回どうやって上手く作るかって工程が 非常に大切です。
今回の不作は 肥料の多寡、or 水の多寡、鳥害、病気? 原因がなんで
次回は何をするか? って事です。そこで今回はその 地下に目を向けます
人間と同じで外見で判断すると ろくなことがありません

 

まずは 根っこを見てみましょ

 

根の先端に細かく枝分かれしている白い部分。これを根だと思われている方も多い
と思いますが、実は微生物の塊なのです。微生物自体は目に見えないものですが、
無数に集まることで菌糸と呼ばれる糸状の塊になっていきます。キノコも菌糸の集まり
で、無数の微生物が集まってできたものです。実際にはどこからが菌糸でどこまでが
根なのかは見分けがつかないのですが、ほとんどの植物の根の先端にはこの菌糸が
広がっています。このように根の中や周囲に住み着いている微生物は菌根菌
(キンコンキン)と呼ばれています

菌根菌の働き

 

菌根菌は根の中や周囲に住み着いて、その植物が光合成して作った糖分をもらって
生きています。そのかわりに菌根菌は菌糸を土の中に広げ、栄養を探して来て植物
に運ぶという役割を持っていて、共生関係を築いています。この菌根菌が多くいる
土壌の方が植物がよく育つと言われています。また菌根菌と共生している植物の方
が病気にも強いという説もあります。

野菜のインター根っト

 

菌根菌が地中に増えると植物はよく育つというだけでなく、さらに様々な働きをしていることが最近の研究によって分かってきています。実はこの菌糸は他の植物の菌糸とつながり合い、ネットワークを形成しており、それはまるで僕たちの世界のインターネットのような役割をしているという説があるのです。このネットワークを通して、お互いに栄養を交換しあったり、情報の交換も行なっているようだというのです。例えばある植物に虫が来たとして、その情報がその菌糸ネットワークを通して、他の植物に行き渡ります。するとその虫が来て欲しくない植物は、その虫が嫌う物質を生成して準備をするということが行われているのです。まさに植物たちのインターネットの役割をこの菌根菌が担っていると言えます。このネットワークは、特に生物多様性のある森の中で発達していると言われています。

 

野菜にとっても、同じように菌根菌が多いと、以下のような効果が期待できます。
・土壌から効率よく栄養を摂取できるようになる
・病気や害虫の被害に遭いにくくなる
畑においても森のような環境に近づけていくことで、この菌根菌を増やし、そのネットワークを築くことができます。具体的には、以下の4つがポイントになると考えられます。
1)植物性原料を中心に土作りをする
化学肥料で土づくりをすると菌根菌がいなくても野菜が栄養を吸えてしまうため、この共生関係が築かれにくいと言われています。また牛糞などの動物性の堆肥よりも、雑草や落ち葉などで作った植物性の堆肥で土づくりをした畑の方が、植物と共生する菌根菌が増えやすいようです。
2)耕す頻度を減らす
耕してしまうと土壌中の菌根菌ネットワークを壊してしまうので、土づくりが進ん
で来たら少しずつ耕す頻度を減らしていったり、浅く耕すようにしましょう。
不耕起栽培に向いている野菜もあります。不耕起=>土は固いが、丈夫な根を張る
3)根を残して、収穫や草刈りを行う
枯れた根は菌根菌のエサとなります。また根があったところが空気の通り道となり、菌根菌が呼吸しやすくなります。
4)多種の野菜を一緒に植える
森の中のように多様な種類の植物が多い土壌の方が、植物と共生する菌根菌も多いと言われています。コンパニオンプランツってやつです
以上の4つのポイントを畑づくりに活かすことは、農家の畑では難しいところも多いですが、家庭菜園では比較的取り組みやすい点も多いです。栄養の吸収効率が良くなることが期待できるので、肥料をあまり入れなくても育つようになることが期待されますし、病害虫にも強くなるので、ぜひお試しください。