マルチ考

 

人間というか動物は 何か困難に当たれば、逃げたり、立ち向い克服したりできる
雨が降れば 屋根下に、寒ければストーブ、暑ければエアコンって具合に。
でも植物は そこに根を下ろし、一生動かない事を選択した生き物。
何があっても逃げない、立ち向かう。鳥につつかれようが、アブラムシに食われようが
肥料が少なかろうが、雨が降らなかろうが、・・なんと勇敢な生き物でしょう。
その性質を生かして菜園、野菜作りをするのだけれど、彼らにとっては自然の摂理から
離れた人間の所業を思われているかも。元肥だ追肥だ、農薬だ、間引きだ なんて
彼らは所望してなくて、ただ、与えられた条件で生きていくさ。
彼らは必要なだけの実を付け、種を落とせれば良いのです。
ところが、人間は大きくなった、沢山取れた、見た目美しい等
違った物差しを農業として持ち込む。
基本何もしなくとも、それなりに実を付け、種を作ってくれるものです。

その人間の屁理屈農業でも、頭を使う事が多々あります。(まあこれが面白さ)

 

苗や種を植える際に、マルチってものを使い植える事があります。
マルチってのは、黒いビニールで土を覆うものです。これをすると雑草防止になり
地面乾燥を防いだり、地熱を温かく保温したり、農家では結構使われています。
でも、デメリットもない事もなく、マルチの敷設と撤去に手間が掛かる。雨水が十分
浸み込まない、追肥が面倒、ゴミが出るとかあり、一長一短あります。
また、マルチはビニール素材だけでなく、「雑草マルチ」っていう手法もあります。
苗の成長と共に生える雑草を刈った後、それを苗の近くに置いてマルチの代わりに
するというやり方。雑草の処分もできて、やがて肥料にもなり一石2鳥。
小生の考えはというと 使い分けが良いかなと思ってます。
① 玉ねぎとか、長丁場の作物にはマルチ掛けもいいと思います。あと夏場野菜作り時。
② ニンジンやホウレンソウ等の短期野菜には しないか 雑草マルチで
農家だと広大な面積を面倒見るので、マルチが必須かも知れないが、
家庭菜園程度のものなら、雑草マルチでも良いかも。
ビニールマルチの色々
①これは玉ねぎ専用のマルチ(最初から穴空きで売ってます)
 普通のマルチは穴は開いてません。自分の間隔で、穴をあけ、苗を植えます
② これもあり 普通のマルチに 指や棒で穴あけて植える(雑草が生えない、追肥困難?)
後はマルチをせず、雑草マルチ、または何もしないで植える(だって野菜はマルチしてとは言ってないし)
 
好みの問題、手間の問題ですね。人間のエゴ、自己満足の世界。
でも、マルチだけで色々考えさせられるものです。時々人間と野菜の主従関係が分からなくなります。