軽々と「戻るべきところに戻る」ことができる彼らが、普通に考えたらとてもいられないような状態であってもなお、体に留まろうとすることもあります。これは、彼らの“生きたい”という気持ちよりも、私たちへの思いやりから、私たちの心が少しでも軽く、納得が少しでも深くなるまで、辛抱して待ってくれていることのほうが多いようです。しかし、”やるべき仕事“がまだあるときには、どんなに絶望的に見えても、奇跡的な回復を見せるというお話も聞きますので、本当に命の不思議には人知など及ばないものなのですね。お役目を終えた肉体について何か希望があるかお尋ねすることも多いのですが、これも、残された人間の気の済むように、という気遣いあふれたメッセージになることがほとんどです。