【当社の工事例】1‐2、土留めコンクリート 鉄筋工事及び安全性
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鉄筋工事、当社施工方法、手順及び安全性
このページでは、土留めコンクリート(L型擁壁)についての、当社の施工要領及び、土留めの安全性に関する施工ポイントを説明します。
1、鉄筋をうまく組み立てるには
1-1、鉄筋は、下地の砕石との間に、ある一定の間隔(スペース)を開けるため、スペーサーブロックの上に置く事となります。
このスペーサーブロックの高さが、マチマチであったり、ブロックがグラグラ動くようでは、鉄筋をうまく組み立てる事はできません。
まずは、下地の砕石が一定の高さであり、良く締め固まっていて、砕石がばらけていないと言う事が、鉄筋をうまく組み立てるための前提条件となります。
1-2、スペーサーブロックとは
40×50×60mmのサイコロ状のブロックです。
よって、その上記スペースに応じ、ブロックの高さを40にするか50にするか60にするか、によって高さの調整を行う事ができます。
この調整を行う事により、鉄筋を一定な高さで組み立てる事が可能となります。
1-3、ただ単に、端(片側)から、鉄筋の横筋(水平方向)と縦筋(鉛直方向)を縛り付けていくのでは、うまくいかない。
鉄筋は、曲がらずまっすぐな状態、かつ、間隔が正確である状態、かつ、所定の位置に入っている状態で、最良の強度が保たれます。
横筋が垂れ下がって曲がっていたり、縦筋が斜めになっていたりすると、強度が落ちる事となります。
所定の位置については、後述します。
1-4、鉄筋を正確に組むために、1~1.2mおきに親を作る
1~1.2mの間隔とは、横筋が、その区間で垂れ下がらない、最大の長さを意味します。
そこに、高さを合わせスペーサーブロックを配します。その上に縦筋を乗せ横筋を縛り付けていきます。
1-5、鉄筋の固定
下側は、鉄筋が動かないよう、下地の砕石に、短い鉄筋等を打ち込み、組んだ鉄筋に縛り付け固定します。
上側は、斜めに、振れ止めの鉄筋等を打ち込み、組んだ鉄筋に縛り付け固定します。
同時に、水糸を張って、鉄筋の通り(延長線の位置)を合わせます。また、縦筋が、鉛直になっているか(斜めになっていないか)確認します。
これで、1~1.2mおきの親が正確に組み上げられます。
1-6、子の固定
その後、親の間の、子の鉄筋を縛り付けていきます。これで鉄筋組み立ては完了となります。
2、土留めコンクリートの安全性と強度
2-1、後述となりましたが、他ページでも述べていますが、最も土留めコンクリートの安全性と強度(土留めがたおれない)に影響を与えるのが、縦筋の入っている位置です。
2-2、土留めに対する力のかかり具合
土留めコンクリートを土で埋めた場合、立ち上がりコンクリートの壁の外側(埋まらない方)には、圧縮力(コンクリートを押しつぶそうとする力)、内側(土で埋まる方)には、引っ張り力(コンクリートを引き離す力)がかかります。
2-3、その圧縮力に対しては、コンクリートは相当な強度がありますので、外側に関しては、何も入れる必要はありません。
2-4、内側の引っ張り力に対しては、コンクリートは、ほとんど強度がありません。
例を述べれば、細長い縁石を落とすと簡単に割れてしまいます。
そのため、引っ張り力に強い鉄筋を入れ、その力に対抗させるようにします。
2-5、従って、その鉄筋を入れる位置は、内側となりますが、あまり壁際では、鉄筋が錆びる等の悪影響がありますので、4cm
程度は、開けなければなりません。
2-6、以上、説明してきましたが、縦筋の位置については、せめて(立ち上がり)コンクリート壁の外半分、及び、内側から4cmまでのところには入れたくない。と言う事になります。
2-7、鉄筋を組む前に
後述となりましたが、縛る位置については、前もって、縦筋、横筋双方の親にに、マジックで印を付けておきます。
2-8、悪い鉄筋の組み方
前述のように、片側から、親を作らず、鉄筋を縛り付けていく場合、
スペーサーブロックの高さを合わせず鉄筋を縛り付けていくようになります。
そのため、横筋が、しなった(垂れ下がった)状態で、縛り付けていく事となります。
それから、スペーサーブロックを入れて高さを合わせても、鉄筋のしなりが直らず、縦筋が斜めになったりして、うまくいきません。
上記の話は、鉄筋工ならば、誰でも知っている常識です。
2-9、しかし、いくら鉄筋工でも、下地の砕石が、凸凹であったり、砕石がばらけている状態では、鉄筋を組むのに困難をきたします。
3、ベースコンクリートの打設
コンクリートの流し込みによって、鉄筋が動く事もありますので、再度水糸を張って、通りを確認します。
4、立ち上がり型枠の組み立て
写真にはありませんが、型枠組み立て後、生コンの流し込みで、鉄筋が位置ずれしないよう、円盤状のスペーサー(俗にいうドーナツ)を、ある程度の間隔で、鉄筋に挟み付けておきます。
5、その他の注意点
その他、強度に関係するのは、鉄筋の重ね継手です。二重になる部分の長さの事ですが、所定の長さより短いと、ひび割れを起こしてしまいます。
6、まとめ
6-1、土留めコンクリートの強度を保つための条件とは、
a、鉄筋ができるだけ曲がらずまっすぐである事。
b、鉄筋の位置が所定の位置に入っている事。
c、下地の砕石が良く固まっていて、砕石がばらけていない事。
6-2、このページをご覧の皆様にとりましては、業者に依頼し、これから土留めを作ろうと、お考えの方もおられると思います。
見積もりの際などには、カーポートや物置等のエクステリア、アプローチ等のデザインに気を取られ、土留め工事等の、砕石や鉄筋など埋まってしまう物は、どうでもいいように思いがちですが、土留めが傾いて、道路や境界の外へ出てしまってからでは取り返しのつかない事となります。
壊して、作り直すしかない。と言う事になってしまいます。
見知らぬ業者に工事を依頼する場合は、前述のこの段階(砕石工事、鉄筋工事)の写真を見せてもらい、どのように施工を行うか確認しておく事が重要です。
6-3、最後に、他のネットで見る内容とは異なった内容かもしれませが、実際に仕事をしている職人として、お客様の立場にたち、記載しました。写真の工事は全て私1人で行ったものです。
このページが、ご覧の皆様の参考になれば、幸いに存じます。