商工会からのお知らせ
労働基準法の基本知識
労働基準法は、正社員、アルバイトなどの名称を問わず全ての労働者に適用されるルールです。
ポイント1 「労働者を採用するときは、以下の労働条件を明示しなければなりません」
・必ず明示しなければならないこと
①契約期間に関すること
②期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること
③就業場所、従事する業務に関すること
④始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること
⑤賃金の決定方法、支払時期などに関すること
⑥退職に関すること(解雇の事由を含む)
⑦昇給に関すること
・定めをした場合に明示しなければならないこと
①退職手当に関すること
②賞与などに関すること
③食費、作業用品などの負担に関すること
④安全衛生に関すること
⑤職業訓練に関すること
⑥災害補償などに関すること
⑦表彰や体裁の関すること
⑧休職に関すること
ポイント2 「賃金」
賃金は通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。
また、労働者の同意があっても最低賃金額を下回ることはできません。
・賃金支払いの五原則
①通貨払い…賃金は通貨で支払う必要があり、現物支給は禁止されています。
労働者の同意などがあれば銀行振り込みも可能です。
②直接払い…労働者本人に直接支払う必要があります。
③全額払い…賃金は全額支払う必要があります。
所得税など法令に定めがあるものや、労使協定で定めたもの以外は控除できません。
④毎月回払い…毎月少なくとも1回は賃金を支払わなければなりません。
⑤一定期日払い…「毎月15日」というように、周期的に到来する支払期日を定めなければなりません。
ポイント3 「労働時間、休日」
労働時間の上限は、1日8時間、1週40時間です。
また、少なくとも1週に1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。
この労働時間の上限を超えて又は休日に働かせるには、あらかじめ労使協定を結び、所轄労働基準監督署に届け出る必要があります。
・時間外労働及び休日労働の上限について
36協定で定めることのできる時間外労働の上限は、原則としてつき45時間・年360時間です。
臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合には、年6か月まで月45時間を超えることができますが、その場合でも
「時間外労働が年720時間以内」
「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満」としなければなりません。
なお、いずれの場合においても、以下を守らなければなりません。
「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満」「時間外労働と休日労働の合計について、1月あたり80時間以内」
ポイント4 「休憩」
1日の労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を、勤務時間の途中でも与えなければなりません。
(※労働者が休憩中でも電話や来客の対応をするように指示されている場合、労働時間となる場合があります。)
ポイント5 「割増賃金」
時間外労働、休日労働、深夜労働を行わせた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。
ポイント6 「年次有給休暇」
雇い入れ日から6か月間継続勤務し、全所定労働日8割以上の出勤した労働者には年次有給休暇が与えられます。
また、年次有給休暇を取得させることが使用者の義務となります。
ポイント7 「解雇・退職」
やむを得ず、労働者を解雇する場合、30日以上前に予告するか、解雇予告手当を支払わなければいけません。
また、業務上の傷病や産前産後による休業期間及びその30日間は、原則として解雇できません。
ポイント8 「就業規則」
常時10人以上の労働者を使用している場合は、就業規則を制作し、労働者代表の意見書を添えて、所轄労働基準監督署に届け出に届けださなければなりません。
また、就業規則を変更した場合も同様です。
就業規則は、作業場の見やすい場所に提示するなどの方法により労働者に周知しなければなりません。
・必ず記載しなければならないこと
①始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること
②賃金の決定方法、支払時期などに関すること
③退職に関すること(解雇の事由を含む)
・定めた場合に記載しなければならないこと
①退職手当に関すること
②賞与などに関すること
③食費、作業用品などの負担に関すること
④安全衛生に関すること
⑤職業訓練に関すること
⑥災害補償等に関すること
⑦表彰や制裁に関すること
⑧その他前労者に適応されること
その他の関係法令の基礎知識
・労務時間の状況の把握
タイムカードによる記録、パーソナルコンピューターなどの電子計算機の使用時間の記録などの客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければなりません。
・健康診断
労働者の採用時と、その後毎年一回、定時に健康診断を行わなければなりません。
・労災保険・雇用保険
労働者を一人でも雇用する事業主は労働保険に加入しなければなりません。
ご不明な点は、最寄りの都道府県労働局、労働基準監督署にお問い合わせください。