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Shanti Shonan
高崎さん夫婦の出会いは、それぞれが単独でバックパッカーの旅に出ていたインドの地でした。さまざまな宗教が混在し街ごとに民族や文化の個性が際立って豊かなインドに、二人ともどっぷりハマっていたと言います。
インドで意気投合した二人は帰国後、九州に居を構えます。
それから再び、二人で海外を旅する機会が巡ってきます。インドを再訪した際にはヒマラヤの村の中でほとんどの日を過ごした二人。その時滞在していたハウスマザーが作る旬の山菜を使った家庭的なカリーが、とても印象に残ったと彩加さんは言います。
帰国後一度は彩加さんの地元の江ノ島に住みましたが、ヒマラヤや九州のような自然に囲まれながら自給農が出来る移住先を探して、小田原にたどり着きました。
小田原のねもり農園にSOMA farm、あしがらハーモニー畑や中井町のおくつ農場など、農薬や化学肥料を使わずに美味しい野菜や果樹を作る農家さんたちから直接、旬の食材を買い付けてカリーを作る高崎さん夫妻。
昨年は家族そろってのインド再訪を果たしたそうで、切ってもきれないインドとの縁を感じさせます。
箱根や丹沢の山々に抱かれ相模湾を望む豊かな自然に囲まれた小田原で、四季折々の季節を盛り込んだカリーを丹精込めて作る高崎さん夫妻。
店舗営業日や詳細情報、イベント出店の予定はインスタグラムで発信されているので、こちらからご確認ください。
交通/箱根登山線「入生田」駅から徒歩10分
建物の基礎や壁、床、屋根など、石垣と電気工事以外はすべて自分たちで行った店舗のリノベーション
台湾女子
【ヒストリー】
元同僚で食いしん坊の吉川ひろみさんと高瀬直子さんの二人で店頭に立つ台湾女子。度々台湾へ出かけおいしいものをたくさん食べてきました。中でも高雄の街角で食べた愛玉のおいしさは格別でした。満腹でも、愛玉を食べるとすーっと体がリセットされるような不思議な魅力に夢中になったと言います。
驚くのはここから。「自分たちで愛玉を作ってみたい!」と勢いで退職し1ヶ月ほど台湾へ行こうと計画していたところに、世界中で新型コロナウィルスが蔓延します。台湾へ行けないなら作ってみよう、と原材料の愛玉子(種子)を数種類取り寄せ、試作を開始。愛玉子の品種、水の硬度、揉み方によって食感が変わるところにむずかしさと面白みを見出し、繊細で奥深く魅力に満ちた世界にハマっていきました。
商品化にあたっては、台湾新北市にある卸販売の食品雑貨店との出会いも大きな縁でした。訪台できない自分たちの代わりにリクエストした商品を探してもらったこともあるこの雑貨店とはいまでも関係が続き、頼りにしている存在です。現在使用中の愛玉子もこちらとのご縁で出会ったとか。
一昨年実現した念願の農園訪問は、愛玉子についてより深く知る貴重な機会になったと言います。中でもアイギョクコバチ(雌雄異株である愛玉子の受粉を助ける昆虫)を見られたことに感動したそうです。
創業当初は知人の工房を借りて行っていた製造も、その後2022年の春から大磯町にあるシェアキッチンに拠点を移しました。
ちなみに店名の「台湾女子」の「女子」をぎゅっと合体させると「好」。つなげて読めば「台湾好」。台湾が好きな2人で、台湾で食べた愛玉の美味しさを届けられるよう、心を込めてキッチンに立っています。
イラストレーターの佐々木千絵さんが描いた二人の似顔絵缶バッヂ。手元には愛玉も持っている
【こだわりと木フェスでのイチオシ商品】
今回の木工団地フェスティバルでは、檸檬(レモン)愛玉・台湾鳳梨(パイナップル)愛玉・甘夏愛玉を販売予定です。
初めての方には、台湾でも定番の檸檬愛玉がおススメで、こちらの愛玉には主に広島県大崎上島町産の香りの良いオーガニックレモンを使用しています。10月から出回るグリーンレモンに始まり春のこの時期の完熟レモンまで、その時々で香りと酸味の変化が楽しめるそう。「キュンと甘酸っぱいレモンシロップとともにお楽しみくださいね」と紹介してくれました。
材料にもこだわりを持っています。愛玉(オーギョーチ)の原材料となる愛玉子は台湾固有のクワ科・イチジク属の植物。雲林縣にある『綠色保育標章』(有機農業と環境保全を合わせた認証)を取得し、環境や野生生物にやさしい農家さんの愛玉子を使用しているのだとか。体の余分な熱をとり、喉の渇きをいやしてくれるつるんとした喉越しは、愛玉子100%ならではです。
実は台北市内でも愛玉子を100%使用しその上手作りしているお店は少ないようで、日本でその製法を用いていることを伝えると珍しがられるほど。
愛玉自体に甘みがないため、季節の旬の果物を使ったシロップで味に変化をつけています。このシロップに使用する果物も可能な限り西湘地域のものにこだわっていて、原材料は愛玉子・果物・甜菜糖とシンプルなのです。
店頭にて愛玉子を展示しているので、ぜひ実物をご覧になってください!
【イベント出店情報と愛玉子豆知識】
台湾女子のお二人は西湘地域での出店が多く、大磯市とカミイチはほぼ毎月テントを広げています。
下記のインスタグラムにて出店情報をチェックしてくださいね。
台湾女子のInstagramはこちらから → remon_aiyu_taiwan
⭐︎愛玉豆知識⭐︎
愛玉は日本ではオーギョーチとしておなじみの台湾デザート。「オーギョーチ」は台湾語ですが、台湾では中国語(北京語)で「アイユー」や「アイユィ」と呼ばれることが多いとか。
作り方は
①愛玉子(種子)を布袋に入れ、水の中で8〜10分ほど揉み出す
②愛玉子から出るペクチンと水の中のカルシウムが結合し、水にとろみがついてくる
③そのまま常温で1、2時間ほどおくと固まり完成
勉強になりました!
DENT CRAFT Coffee Stand
【ヒストリー】
箱根ターンパイクの小田原料金所脇に、太い木の幹が整列する不思議な建物があります。そのすぐ隣にあるのが、現在リニューアル工事真っ最中のDENT CRAFT Coffee Stand(デントクラフトコーヒースタンド=以下、「デントさん」)です。
店舗側面こそかわいらしいレモンイエローの壁ですが、正面から見るとシックなグレーの四角い建物。
車の修理会社を営んでいる工場の事務所をリノベした、と聞いて納得しました。
オープンは2022年7月。夫が経営する修理会社の事務を担っていた小出さんに「飲食部門に挑戦してみよう」という声が上がり、安全でおいしいコーヒーを提供したい、とコーヒースタンドを始めることになりました。
立地の良さを味方につけ、〝美味しいものを気軽に買えるスタンドを〟と店づくりの方針が固まり、ひたすら美味しいコーヒーの淹れ方を習得する日々が始まりました。
「先にオープン日を決めてしまったんです。だからあとはやるしかなくて。振り返れば不安しかなかったかな(笑)」。自分たちで味を確かめることはもちろん、お隣の店の駐車場整理のおじさんたちにも試飲してもらったり、とにかく練習に明け暮れました。
無事にオープンの日を迎えて以降も、新たな豆や産地を知れば知るほど深みにはまり、休日やこのリニューアル休業中もコーヒー店めぐりを欠かさず続けてきたそうです。
【木工団地フェスでのイチオシ商品】
木フェスへの出店は、昨春の第17回以来2度目となるデントさん。
店舗では通常30種類ほどのメニューからお好きな1杯やスイーツを楽しめますが、木フェスには3種類のコーヒー豆を用意し、ハンドドリップやバッチブリューで淹れてくれるそうです。
前回出店時に好評だったのが、コーヒー豆の果皮と果肉で作った「カスカラシロップ」を使ったドリンクでした。
普段は捨てられる部分を使ったこのシロップは、コーヒー農家の収益向上や廃棄物の減少という環境問題に関する課題解決につながる商品です。
ポリフェノールやビタミンが豊富で体にうれしい成分を多く含み、華やかな香りと味わいの良さでも注目度の高いもの。
昨春、初めての出会いに舌がよろこんだ1杯でした。
お話を聞きながらふと小出さんの名刺に目をやると、かわいらしい象とサーカスのテントのイラストに目がとまりました。
「サーカス」をテーマに依頼したこのロゴには、「ドキドキワクワクするお店でありたい」という願いを込めたそうです。
1年ぶりのカスカラシロップとの再会に、いまから胸が躍ります。
象とサーカスのテント、2種類のロゴマークにはそれぞれコーヒー豆が隠れています
【これからのこと、店舗情報など】
昨春の木工団地フェスへの出店がきっかけとなり、声をかけてくれたオーナーのイベントに出向いてコーヒーを淹れたり、実店舗を飛び出しての挑戦も楽しんできたデントさん。
いずれの場でも楽しみなのは、人との関わりだと話します。
「最初はカップルで来てくださったお客さまが、次に来られた時には夫婦になっていらして。それからまた、家族が増えましたと赤ちゃん連れで来てくださったんです。人生の節目で報告に来てくださるのが、本当にうれしくて」と小出さんたちの顔には笑みがこぼれます。
4月25日(金)に迫ってきたリニューアル後の店内には、そんな家族連れにもゆったり座ってくつろいでいただけるように、ソファ席も設えられるとか。
「いつかこんな風になったらという夢ですが」という前置きに続き、「お子さまのコーヒーデビューの店になれたらいいな、と想像すると楽しみが増します」と話してくれました。
DENT CRAFT Coffee Stand インスタグラム → DENT CRAFT Coffee Stand
店舗営業 午前9時〜午後5時(水・木休み) 駐車場7台分あり
※リニューアルオープン初日の4/25(金)のみ午前10時半〜午後5時
向かって右のブルーシートで覆われている部分がカフェへの入り口。建物左手にゆったり停められる駐車場があります
濱屋
おだわら木工団地フェスティバルの楽しみ方はさまざま。
もちろん木製品の購入が第一目的!という方は多いと思いますが、実行委員が厳選したキッチンカーを楽しみにしている方も多いのでは。
第19回も、ご来場の方々の舌と心を満たす多彩なラインナップでお迎えします!
【ヒストリー】
トップバッターは、豊富な種類のメニューで常に客足の絶えないホットドッグ店の「濱屋」さんです。
店名「濱屋」の由来は、事業主の濱西さんとパートナーの守屋さんの名前から。お二人で、2022年7月より運営しているキッチンカーです。
前職を聞いて驚きました。
濱屋を開業する前の濱西さんのお仕事は、元介護職。主に認知症高齢者の支援に携わり、20年近くも従事していたそうです。
在職中、小田原市内の認知症高齢者支援を行う事業所で組織される連絡会の役員を務めていた濱西さん。
普段の勤務で行う支援とは別に、認知症の高齢者が活躍出来る場所や環境を作り出す活動を行うなか、一つの画期的な取組と出会います。
それは、注文や、料理を運ぶ先を時々まちがえるかもしれない店員がホールで働く、「注文をまちがえる料理店」という企画。認知症の理解促進を試み、介護福祉事業に携わってきた認知症ケアのプロが仕掛けた取組でした。
濱西さん自身もこの〝注文をまちがえる飲食店〟をカフェを借りて実施した経験をもとに、細かな規制や施設のしばりが無いところで認知症高齢者が〝まだできること〟を活かせる場所を提供出来たら、との思いでキッチンカーに着目したそうです。
「手っ取り早く独立でき、想いを叶えられそうだと思ったから」と当時を振り返る濱西さん。介護の道を離れての開業直後は、前職で繋がりのある施設に出店し利用者の方たちに販売を手伝ってもらったり、その後は小田原市内の地域包括支援センターに定期的に出店するなど、新たな道を力強く前進しています。
この3月には二宮の子ども支援団体に協力を仰ぎ、キッチンカーを使った職業体験も実施しました。子どもたちの真剣でイキイキとした様子と、それを見守る親御さんたちの姿に感動し、「やってよかった」という思いに包まれたそうです。
今後は、「イベント等への出店や職業体験などを継続しながら店舗を構えることが目標」と語ってくれました。
根強いファンを持つ濱屋さんのホットドッグ。キッチンカー前の注文待ちは、いつもの光景です。
【ホットドッグへのこだわり】
そもそもなぜホットドッグなのか。
単なるファストフードとしてのハンバーガーとは一線を画すグルメバーガーが注目を集めるなか、「次はホットドッグがくるな!」と言う直感を得た、と濱西さんは話します。
開業を決めてから東京や神奈川のソーセージ製造元やホットドッグを扱う店舗を巡り、ホットドッグを〝食べまくった〟のちに出会ったのが、現在濱屋で提供しているソーセージです。
濱屋のホットドックの最大の売りは、ドイツの伝統製法を採用した熟成肉の無添加ノンスモークソーセージ。このソーセージの旨さを邪魔しないパンと2種類のオリジナルソース、そして食べた時に口の中ですべての具材の一体感が生まれるように、シンプルな味付けと食べやすさにこだわっていると言います。
なにを隠そう、この特集記事を書いている実行委員も毎回並んで買ってしまう濱屋さんのホットドック。とがった味付けや食材に心と舌を乱されることなく、一口目から最後まで安定したおいしさに満ちたホットドッグは、クセになってしまうのです。
【イチオシと出没スポット/イベント】
プレーン、チーズ、チリコンカンにダブルドックやハンバーグドックを筆頭に常時10種類ほどのメニューの中でのイチオシは、「鉄板で焼いたナチュラルチーズをトッピングした映えるチーズドック!」とのこと。
木フェスでも販売予定だそうですので、ぜひチェックしてください。今回は残念ながら木フェスに来られない、という方に耳寄りな情報です。週に1〜2度は西湘バイパス下りの西湘パーキングエリアに、また週末は神奈川県内各所のイベント等へ出店しています。
スケジュールはInstagramで告知を行なっているので、お見逃しなく!
濱屋Instagram → hamaya808dog
薗部産業株式会社
【つくり手ヒストリー】
仁取(にとり)皿やめいぼく椀など、生活に調和した木のテーブルウェアを生産する薗部産業株式会社。「僕が継いだら4代目」と快活に笑う薗部弘太郎さん(35)は、同社のプロダクトデザイナーです。
薗部産業の前身は、木工業者へ木材を販売する〝材料屋〟として1946年に創業した薗部木工。すぐに時代は高度経済成長期に突入、先見の明に長けていた祖父・弘さんは「これからは、材料ではなく商品を売った方が良いのでは」と、アメリカへ輸出するためのサラダボウルやポップコーンボウルの製造へと舵を切ります。これが転機となりました。弘太郎さんの記憶に残るのは、小柄でクラウンをカッコよく乗りこなす祖父の姿。後を継いだ父・利弘さんは、いまや薗部産業の代名詞ともなっためいぼく椀※を生み出します。
二人の背中を見て育ったものの「継ぐ気はなく、3年間社会人生活を経験してから考えよう」と工学部に進学。在学中には「近くて遠い国」と感じていた中国で、文化も風習も日本とまったく異なる、刺激的な8ヶ月の留学生活を送りました。
帰国してしばらく、自分の進むべき道を見失っていた時期があったという弘太郎さん。「世界は広い。そしてもっと世界を見たい」と強く思ったと言います。復学し心身ともに健康を取り戻してからは、資格取得にインターンシップ体験と、残りの学生生活を精力的に過ごしました。
進学前の決意通り、日本有数の産業機会メーカーに就職。3年間の営業職を経験したのち、父に相談し家業に入ることを決めました。1年目は製造の現場で、2年目は営業に、3年目からはプロダクトデザイナーに就き、気付けば8年目となった現在。尊敬するファッションデザイナー・川久保玲氏の「前進せず同調、無難でいいの?」の言葉を胸に、いつか父の作っためいぼく椀を超えるものを!と意欲を燃やす毎日です。
※めいぼく椀シリーズは2021年、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞
薗部弘太郎さん(右)と、弟・玄士朗さんの妻で木工団地フェスの運営補佐を任された純子さん
【こだわり】
ものづくりにおいて、デザインに優れ機能性に富むものを生み出すは必須の条件。それに加えて「自分たちがつくった商品・自分たちのことを発信する、伝える力がとても大切だと考えています」と弘太郎さんは話します。
例えばプラスチックの容器に入った数種類の惣菜を木の器に盛りかえてみたら、単なる「食べ物」が温度を帯びた「食事」に変わったように見えたとき。「木の器を介して、人の暮らしを豊かにできるんだ」と強く感じると言います。その思いを伝えるのに有用な、1枚の写真が語る雄弁さを弘太郎さんは大切にしています。
商品は「つくり手(生産者)」から「つたえ手(店)」を通して「つかい手(ユーザー)」に届きます。つくり手は思いを込めた商品をつたえ手に託し、つかい手は率直な評価をつくり手に反響として届けるー。商品を中心に成り立つこのトライアングルのおもしろいのは、それぞれが互いの立場になり得る、という点。つくり手は製造の現場を離れればつかい手にもなるし、つかい手は商品を気に入れば人に勧めてくれるつたえ手にもなります。
弘太郎さんとの話中には「お客さまの立場で」、「お客さまの気持ちになって」という言葉が何度も出てきました。自分たちの器を手にした人の幸福度を想像するその先に、ものづくりの方向性が見えると信じて進む姿勢が垣間見えました。
背後に並ぶ無数の鑿(のみ)を使い分け、熟練の職人の仕事は進む
【手にとってもらいたいもの】
毎回、薗部さんの新作やフェス限定品を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
今回のイチオシは、新作のケーキスタンド(写真中央)やオーバルトレー(同右)。丁寧な作りながら水洗いが可能、お手入れ楽ちんというのがうれしいテーブルウェアです。どんな秋の味覚を盛り付けようか、想像するのも楽しみですね。
さらに定番のマグボウルやめいぼく椀など、樹種やサイズもさまざまな商品が多数登場します。
春と秋の木工団地フェスをはじめ、年間30回ほどのイベント出店をとても大切な場と考えている弘太郎さん。「リピーターから聞かせてもらう使用感や満足度など、良い点も悪い点も含めて得るものがたくさんあります」と話します。
フェス当日発表になる限定品も登場予定とのことなので、Instagramでのチェックをお忘れなく!
新作のケーキスタンド(中央)とオーバルトレー(右)。「自由な使い方で楽しんでほしい」と弘太郎さん
→ 薗部産業株式会社公式ホームページ ←












