園の生活
運動会御礼 中学生の職業体験 自分で判断する力を育てる
澄み渡る空と日々早くなる日没時間に、秋の深まりと1年の過ぎ去る早さを感じます。
10月7日の運動会には、多くの方にお越しいただきありがとうございました。4年ぶりの全体での開催となった今回の運動会では、思い切って競技も観覧方法も変えました。いかがでしたか。園の伝統でもあった組体操を変え、チャレンジした技を披露しました。一人一人が輝く場が出来て、自信につながりました。また、場所取りを無くして、譲り合って見る方式については、保護者の皆様のご理解とご協力で非常にうまく回り、どの方もお子様を間近で見ることが出来ました。誠にありがとうございました。
運動会同様に、コロナ明けで戻った行事の一つに、中学生の職業体験があります。10月26日・27日と川島中学校から2年生が26名やってきて、保育士の仕事を体験しました。各クラスに2~3名ずつの中学生が入り、一日子どもたちと過ごしました。子どもたちはお兄さん、お姉さんが来てくれたことに大喜びで、特別な2日間になったようです。参加した中学生にとっては、マナーやルール等、社会人としての厳しさや大変さを知ると同時に、そして保育士としての楽しさや喜びも感じた2日間だったことを願っています。
さて、先日の個人懇談には、お忙しい中、お時間を作っていただき誠にありがとうございました。懇談の中で、子どもの思いは尊重したいけど、どこまでもこのままでいいのかと、悩まれるお母さんの姿がありました。それに関して、ぜひ読んでいただきたい文があったので以下に引用します。
『子育てのゴールの一つは、子どもが自分の目標を見つけ、その実現に向けて自分がとるべき行動を、その時々の状況に応じて判断、選択し、実行できる力を育てることです。最近、「叱らない子育て」というのがブームになっているようですが、何でもかんでも子どもの好きなようにさせ、それをただ見守るだけでは、本来育ってほしい判断力や自分で選択、実行する力は育ちません。子どもは、いざという時には大人がきちんと制限や限度を示し、自分のことを守ってくれると信じているからこそ、思い切っていろいろなことに挑戦できるのです。安全がある程度保障された中で、成功や失敗を繰り返しながら、子どもは自分で物事を考え、判断する力や、選択する力を身につけていきます。子どもがしてもよいことと、してはいけないことやしないでほしいこと、その線引きをし、安全に行動するための枠を子どもに伝えることは、大人の役目です。それをしないのは、本来大人が担うべき判断の責任を、子どもに押し付けているのと同じなのです。』
主体性が大切、思いを満たすことが大切と聞きますが、地図のない街を無軌道に進むことを良しとはできません。がちがちに拘束するのではなく、ある程度の方向性を付けてあげるのが、親の役割でもあります。
つぶやき(R5.10)
年長
歯の絵本
子1:「たくさん虫歯があるね。虫歯は抜けばいいんだよ。」
子2:「でも、抜くのが痛そうだね。」
保:「抜いたところは歯がなくなるけど、どうするの?」
子1:「そうなったら、歯を買いに行けばいい。」
ごまのサヤ
子1:「この形、オクラに似ているね。」
保:「サヤを触ってもいいよ。」
子2:「中から、なんか種が出てきた。」
子1:「種じゃなくて、ゴマでしょ。」
子2:「ゴマって、黒なのに。」
保:「これは、金ゴマって言うんだよ。」
子1:「高そうなゴマだね。給食で食べたい。」
盆踊り
子:「先生たちがギャルみたいだった。」
年中
子:「先生、川にカモがいたよ。」
保:「何してたの?」
子:「顔付けの練習してたよ。」
帰る時
子1:「相棒、またな!」
子2:「また明日な!」
年少
月
保:「こんな形(細い形)のお月様見たことある?」
子:「うわー。細いね。」
保:「どうして細いと思う?」
子:「食べられたからかなあ。」
お店屋さんごっこ
子1:「すいませーん。」
子2:「いらっしゃいませ。」
子1:「これ、ください。」
子2:「あ!まず消毒してください。」
ばら
玩具のかたづけ
子:「おもちゃ、おうちに帰りたいってエンエンしてる?」
保:「うん、そうだね。」
片付けながら
子:「おうちだよ。」
警察ごっこ(ままごと)
保:「○○ちゃん、何で逮捕されちゃったの?」
子:「うーんとね、お茶こぼしちゃったから。」
新しい運動会 観覧席の交代 園創立70周年
朝晩のひんやりした空気に、ようやく秋の訪れを感じるようになりました。
10月7日には運動会を予定しています。過去3年、コロナ禍で学年ごとの運動会が続きましたが、ようやく全体での運動会となります。思い起こすと、コロナ時代は大変なことが多々ありましたが、コロナを経験したからこそ変えることができたものもあります。運動会の形式もその一つで、従来こだわってきたものや慣習で続けてきたことを、今回思い切って捨てて、新しい形式での取り組みとなりました。
まず、0歳・1歳児の参加は見合わせて、2歳~5歳児のみの参加としました。また、運動会の目玉とも言える年長の組体操をやめ、得意技を取り入れました。練習を強いる種目でなく、自分で意欲をもって取り組む種目へと、これから必要となる能力も見据えての交替です。保護者の皆様に関することでは、観覧席については場所取りを行わず、トラック周辺の観覧場を、競技ごとの入れ替え制としました。トラック周辺はお子さまが出ている保護者の方の応援席となります。素早い交替をお願いします。
さて、川島東こども園の前身である川島東保育園が開園したのは昭和28年11月1日で、来月で70周年を迎えます。最初は託児所として始まり、翌年には認可保育園となりました。当時年長で入園した最初の卒園生の方は、今76歳になり、親子3代で通っていただく方も少なくありません。この間、時代の要請に応じて、保育時間や、保育の機能がどんどん拡張し、園舎から保育の在り方まで変化する中、利用者の方、地域の方に支えていただいて、ここまで来ることができました。心から厚く御礼申し上げます。今後とも各務原市、そして川島地区の福祉に貢献できるよう精進いたしますので、ご協力のほどお願いいたします。この70周年を記念して、園バスを新しくします。諸事情により、年度末の納車予定です。年長の皆さんにも新しいバスに乗ってもらう予定ですのでお楽しみに。
子どもの有能感を育てる
「自分で」は自信がついてきた証拠
2歳になると、手先が器用になり、運動能力もついてくるので、自分でやってみたいという要求がふえてきます。自分に対する自信もついてくるので、いままでやっていなかったことにもチャレンジしてみたくなるのです。
そのために、親がやってあげようとすると「自分でやる」と言い張って、なんでも自分でやってみようとします。
言葉をかえていえば、大人のやっていることをじっと見ていて、「自分もやってみたい」という自我が育ってくるのがこの時期です。
大人がやれば10秒、子どもだと10分!
靴を自分ではくと言い張って、どんなにやってもうまくいかず、じれて泣きだす。それならとお母さんが手助けしようものならもう手がつけられないほど怒って、大泣きしてしまう。あるいはごはんを自分で食べるといって、盛大にこばす。たまりかねて食べさせると、怒り狂ってテーブルの上のものを全部床に落としてしまったり、このころの「自分で」につきあうのは本当に大変です。
しかし、子どもが「自分で」と言い出したときは、自我や能力が飛躍的に伸びるチャンスですから、親の都合やうっかりした対応でその意欲をつぶしてしまわないように気をつけましょう。
「自分で」と言ったときのプライドをどれだけ保証してやるかという親のゆとりが、決定的に大事になってきます。
「自分」と言って始めたことでも、できなくてあたりまえと思ってあげましょう。よくできたら「すごいわね」とほめてやるのは当然ですが、失敗したり、途中で挫折しそうになったら、「もうちょっとだったのに、残念だね」とか「じゃあ、いっしょにやってみようか」などと声をかけてやります。
子どもの有能感を育てる
2~3歳のころは「自分はなかなかに有能なんだ」という意識を育てる時期です。この感覚が十分に育つと、子どもは積極的に集団の中に入っていけるようにもなります。
この感覚を育てるのに「自分でやる」ことは大いに役立つので、子どもが自分でやりたがったら、なるべくその希望はかなえてあげましょう。子どもが自分でやりだすと、お母さんのぺ-スどおりにはいかないことが多くなりますが、そういうことをくぐり抜けていくのが子育ての当面のテーマなのだと、心がけてほしいのです。
そのためには、親の精神的なゆとりがあることが絶対に必要です。
3歳ごろになると、パジャマの着かえ、歯みがきなどの自立の訓練が始まりますが、子どもが言いだしたときがチャンスです。やりたくないのに「はい、きょうからよ」なんて言われても、いやになってしまうだけですから。お母さんは、子どもが言いだすチャンスをのがさないようにしましょう。
「自分で」と言いだすには、いろいろなことに興味を持つ心が必要です。もし、あまり「自分で」に固執しない子だったら、親がうまくリードしてやってもいいと思います。しかし、あくまでも子どもの後ろからついていくという原則はくずさないようにしましょう。
たとえばNHKの「おかあさんといっしょ」を見ていて、テレビの前でいっしょに歯みがきのまねをし始めたら、お母さんもいっしょにまねをして、歯みがきって楽しそう、もっとやってみたい、と思わせてあげます。簡単なお手伝いを体験させるのもいいことです。「新聞をとってきてちょうだい」とか「ドアを閉めて」といったことでも、「自分で」やったことがみんなのためになったという体験は非常な自信につながり「ぼく(わたし)って、けっこう有能なんだ」ということを確信することができます。
(0~3才 能力を育てる 好奇心を引き出す/汐見稔幸著より)
乳幼児期の学び
わたしたちが目指したい社会と環境構成
昭和の高度成長期には、指示通りに行動し指示以外のことはしない人間を育てる画一型の教育が行われてきました。
しかしこれからの時代は、変化の激しい予測不可能な社会です。指示通りに行う仕事はAIが行い、人間に残される仕事は創造性と柔軟性が必要な仕事や、複雑なコミュニケーションが伴う仕事です。子どもたちは、これから過去の経験では解決できない課題と向き合うでしょう。社会は大きく変化しています。保育者は自分か受けた画一的な教育とは違う保育を創り出す必要があります。
2017、2018年に改訂された「学習指導要領」は、幼児期から高等教育まで教育課程全体を通して育成をめざす資質・能力として三つの柱を示しています。
1.何を理解しているか、何ができるか。
生きて働く「知識・技能」の習得。
2.理解していること・できることをどう使うか。
未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成。
3.どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか。
学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養
要領に示される学習者の要はとても主体的です。このような資質・能力を育むには、保育者の指示通りに行う活動中心から、環境に対して子どもが働きかける主体的な活動を中心にする必要があります。
乳幼児期の学び
幼児教育といえば、体操教室、音楽教室など、小学校のような教室のイメージをもつ人も少なくありません。しかし、乳幼児期は、学童期とは異なる発達段階にあり、学童期とは異なる学習経験が必要です。
乳幼児期の効果的な学びは、情緒と体の安定が基礎であること、身体と感覚を使った体験による学びであること、自発的に始まり環境との関わりによる学びであること、抽象化された教材(教科書や視聴覚教材)よりも、自然や物、人など具体物による学びであること、状況の中での学びであること、子どもが必要に応じて学ぶことといえます。
そのために乳幼児期は、遊びを通した教育を行い、保育者は環境を構成して子どもの豊かな体験を支えます。ただし、保育所・幼稚園、認定こども園での遊びは、完全に自由な遊びではなく、保育者の意図に支えられ、保育者が行う環境構成に影響を受ける遊びです。
遊んでばかりでは、小学校で机に座ることができるか心配する保護者もいることでしょう。実は逆で、のびのびと遊び、情緒と身体が安定した子どもは、意欲的に学習に取り組むことができます。教科書を広げる、字を書く、消しゴムで消すといった行動にも、安定した身体と調整能力が必要です。自分で状況を判断し行動する主体的な生活態度と、わからないことを人に尋ねるコミュニケーション能力を身につけている子どもの場合、園と学校の文化の違いは問題になりません。
乳幼児期には、学童期以降の抽象的な概念の学習を行う前に、抽象的な学習の土台となる遊びと生活の体験を積む必要があります。たとえば、小学校以降の計算や応用問題、文章を使って表現する算数を理解するには、乳幼児期に豊かな数量体験を積み、思考力や表現力の基礎を培うことが大切です。保育者は、子どもたちが遊びや生活の場面で、重さや広さ等を身体で感じる体験や、分ける、比べる、順序づける等の体験を積むことができるように環境を構成します。
(環境構成の理論と実践 保育の専門性に基づいて/高山静子著より)
