上郷ぶらり散策

戸塚山古墳(とつかやまこふん)
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プロローグ

関東以北最大の古墳群と言われる戸塚山

昭和57年の発掘調査で古代女性の骨が発見され、「置賜の卑弥呼」と注目を浴びた、米沢市大字浅川にある戸塚山古墳群をご紹介します。

戸塚山とは?

戸塚山は米沢市の北東にある、標高356メートル周囲6キロの独立した丘陵です。

この山の山頂や山麓に約200基の古墳(土を盛り上げて作った古い時代の墓)が点在し、置賜の古代の歴史を知る上で大変貴重な遺跡として、昭和61年に史跡に指定されました。

戸塚山古墳群

もっとも大きな古墳は、山頂の139号墳です。

長さ54メートル、高さ4.5メートルで、上空からみると台形と円形を合わせた形の前方後円墳です。

この古墳の東側に、ホタテ貝の形をした帆立貝式古墳が2基(137、138号墳)あり、137号墳が発掘され話題を呼んだ古墳です。

長さ24メートル、後円径21メートルの大きさで、中央を2.6メートル掘り下げたところに石を組み合わせて作った箱形の石棺がありました。

石棺から置賜の女王が

石棺の大きな蓋石を持ち上げると、その中には人の骨1人分がほぼ完全な形で横たわり、まわりから縦に長い櫛が3個、握り部分を鹿の骨で作った鉄製の刀子(とうす)が発見されました。古墳から人骨が発掘されたのは珍しいことです。

人骨は独協医科大学の解剖学の先生方によって調べられ、骨盤などから見て明らかに女性で、身長145センチほど、年齢は壮年中後期(40~50歳)と推定されました。また、全体的に骨が細く華奢な体つき、22本残っていた歯のうち7本が虫歯であることが特色として示されました。甘い物が食べられ、重労働をしないで育った、身分の高い女性と想像されます。

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