日記
飯縄山
平ヶ岳
平ヶ岳は、本来、鷹巣登山口から平均往復12時間かけて登るのがメインだが、今回の山行の日程がハードで(八海山、荒沢岳と登っている。次は戸隠予定! 幸か不幸か戸隠は雨で中止に!)、この老体では体力が持たないと判断した。そこで、裏技を用いる。地元の御宿に泊まるとバスを出してくれて、何と6時間ほどで登れるコースに連れて行ってくれる。これなら自分でも登れそうだ。民宿樹湖里さんは、なかなか親切な宿だった。
バスは、民宿の都合か、早朝4時発である。5時半に登山口に着き、用を足して出発する。初めは、厚い霧に覆われていたが、山頂付近の湿地帯に着いた途端にガスが上がって、急に見晴らしが良くなり、2人とも感嘆の声を上げる。名前のとおり、頂上はだだっ広い草原、湿地帯となっており、素晴らしい景観である。日本アルプスのような高山以外で、このような美しい山頂部はめったにないだろう。さすが日本百名山である。山頂からの景色を堪能し、名所の玉子石まで回り、さらにヒカリゴケまで鑑賞して十分楽しんで、11時30分には下山。荒沢岳に比べると何とか、平常ペースに戻って安心する。
帰りもバスは1時間半かけて民宿に戻る。近くの温泉に入って、すっきりした後、次の宿泊地戸隠へ向かう。
荒沢岳
6時に、登山口駐車場出発。すぐに水場があり、冷たくおいしい水を補給できる。山の水でも屈指のうまさだ。 前衛峰の前山までは、調子が良かったが、次第にペースが遅くなる。今まで、こんなに足が遅くなったことはない。年のせいかとも思ったが、軽い熱中症のようでもある。本当に熱中症なら下山すべきだが、何とか体が動く。また荒沢に出直すのも大変なので、そのまま登り続けると、やがて、前嵓という難所に到着。最初は、じめじめした岩場で、鎖と梯子の連続だが、岩がザクザクして気持ちが悪い。おまけに梯子が固定されていないものがあり、ゆらりと揺れて肝を冷やす。 いったん登った後、緩斜面を下り、岩場の基底に着く。ここから、とにかく長い岩場を登らねばならない。一見、難しそうだが、順層でスタンス、ホールドがしっかりしているので、意外に登りやすい。前嵓の岩場は2つ合わせると200mほどにもなろうかとする長いもので、緊張感を維持するのが大変である。「鎖天国」と言われているのも良く分かる。 前嵓からも調子が上がらないが、1900mの稜線に出てようやく調子が戻った。アルペン的な岩稜を登って、ようやく山頂に着く。山頂からの眺めは、雲に覆われて一部しか見えないが、なかなかのものであった。 下りは平常ペースに戻り、足が動き出した。前嵓から下を見るとグレートトラバースで見たのと同じである。落ちれば即死だが、慎重に下れば特に危険ではない。できるだけ鎖に頼らず、三点指示で慎重に降りていく。下りも長く、下山できたのは出発からほとんど12時間後であった。 その後、キャンプ場に戻り、テントを撤収して温泉に浸かり、次の民宿に行く。民宿樹湖里さん 田中陽希氏も宿泊したとのことで、写真が貼ってある。なかなか良い宿だ。 荒沢岳の鎖場はとにかく長いので、どのような鎖好きでも十分満足できるのではないだろうか?
八海山
八海山には、東側の稜線から登り、ロープウエーで降りる少し変わったルート選択の予定であったが、宿の主人が「それは難儀だ。ロープウエーからが初心者コース」というので、震えあがった初心者親子は、予定を変更することにした。 8月22日早朝、ロープウエー始発まで時間があるので、八海神社に参拝した後、始発に乗る。はじめは緩やかなプロムナードコース。しかし、やたらとアブが多く、ひっきりなしに襲撃してくるが、頭上で周回すると去っていく。リュックに付けた「おにやんま君」の効果なのか?正確な検証はできないが、期待できそうだ。 千本檜小屋を過ぎると、途端に険しくなり、岩場の連続となる。ここの岩場の特徴はホールド、スタンスがきわめて小さい。従って、フリクションが効かず、全面的に鎖に頼らざるをえないが、あまり、気持ちが良くない。 岩場を乗り越えていくと、正面に最高峰の入道岳が見える。時間の関係で、登らない人も多いようだが、入道岳に登らないと八海山に登ったことにならないので、頑張って登ることにした。岩場も終わり、楽しい縦走となる。山頂から見る越後駒ケ岳と中ノ岳の眺めは、北アルプスにも負けない素晴らしいものである。いつまでも眺めていたい山頂であった。 登頂後、東側の尾根を下る予定であったが、かなり険しそうで、鎖のない岩場が続く。時間に余裕があれば、そのまま下山したが、時間に余裕がなく、危険と判断して、まき道を通ってロープウエー乗り場に戻ることにしたが、最終的にロープウエーに間に合わなかったので、標高差800mのスキー場の下りをやっこら降りることにしたが、道が良かったので、1時間15分ほどで下った。息子は、車を取りに行くと言って走って降りて行ったが、若い者は元気で良い。