病院からのお知らせ

2023-03-10 18:07:00

変形性関節症について

 報告によりますと、飼い主さまの約70%が関節疾患があることに気づいていません。

 気づきにくい理由として、

1. 高齢になったので活動量が減ったと思ってしまった

2. もともとの性格からあまり動かないと思っていた

 近年の報告によると1歳以上で約74%、12歳以上で90%の猫に変形性関節症があるとされていますが、動物病院で変形性関節症として治療されている猫は2.3%だそうです。そもそも症状がわかりにくいため見逃している可能性が多い疾患です。

 今回ご紹介する製剤は「ソレンシア」という、猫用の抗NGFモノクローナル抗体製剤です。慢性疼痛に関与している神経成長因子(NGF)と結合し、NGF介在性の痛みシグナルの伝達を抑制することにより疼痛を緩和します。特徴は、初回投与後に約7割の猫で疼痛を緩和、肝臓・腎臓・胃腸への影響が最小限、1回の注射で1ヶ月間、疼痛を緩和する便利な製剤です。

また、ステージ1・2の慢性腎臓病の猫においても使用可能で、他の薬剤との併用も可能です。

是非ともご検討いただきたい製剤です。