坂口屋の図書館
糀をつくる
米糀とは
蒸した米を一気に冷ますと、米粒は徐々に冷えて外側表面から硬くなります。そこへ種麹と呼ばれる糀菌の胞子を付着させると、糀菌は米粒の内側のデンプンを求めて、内側へ内側へと活発に浸透(繁殖)し始めます。最終的に米粒は糀菌で真っ白となり、同時に米粒の周りには白い菌糸が覆い、その姿はまるでフワフワした雪のような形になります。
上質な米糀の条件:
米粒の形がしっかりしていること、真っ白であること、乾燥させた時に粉をふくこと
■ 手作り糀
糀を造るということは、野菜や果物を育てるのと同じようなものです。
野菜を作るには、まず土に種をまき、土をかぶせて水をやり、時には支柱を立てて成長を支えてやり、時には袋をかぶせる、そうやってたくさんの人の手をかけて、ようやく作物は立派に育ちます。
糀も同じで、蒸した米に糀菌をまき、稲わらのコモで保温し、時には水分を与え、糀菌が寒そうにしていれば糀室の中の温度を上げる、そうやってたくさんの人の手を加えて初めて良い糀が出来上がります。
■ わらすき
毎年稲刈りが終わると、稲わらを梳きます。
主な用途は、まず稲わらを束ねてコモ(小さなムシロ)を作り、それを糀菌を繁殖させる時の保温道具として使います・
稲わらは、たんに丈夫な素材だけでなく、保温性、保湿性、通気性にとてもすぐれており、古くなってボロボロになると次は畑で雑草防止の日よけに使われ、最後は朽ち果てて畑の肥料となります。