梵名アチャラ・ナータ 明王の一尊で、また五大明王の中心となる明王です。

三昧耶形は利剣（倶利伽羅剣）、羂索を持っています。種字はカーン

人間界と仏界を隔てる天界の火生三昧（かしょうざんまい。人間界の煩悩や欲望が天界に波及しないよう烈火で焼き尽くす世界）と呼ばれる炎の世界に住しており、多くの明王の中でも中心的な存在です。姿形は肥満した童子形に作ることが多く、怒りによって逆巻く髪は活動に支障のないよう弁髪でまとめ上げ、法具は極力付けず軽装で、法衣は片袖を破って結んでいる。その装束は古代インドの奴隷ないし従者の姿を基にしたものとされ、修行者に付き従いこれを守る存在であることを表しています。右手に剣、左手に羂索を握りしめ、背に迦楼羅炎（かるらえん）を背負い、貪・愼・痴を許さんとする憤怒の相で、岩を組み合わせた瑟瑟座（しつしつざ）の上に座して「一切の人々を救うまではここを動かじ」と決意する姿が一般的です。

ご真言　ノウマク　サマンダ　バザラダンカン

真言宗の開祖。31歳で中国へ渡り、密教だけではなく土木建築・医学・薬学・文学など様々な分野を吸収し、日本の文化の発展に大きな影響を与えられました。

高野山にてご入定。62歳

諡号　弘法大師

密号　遍照金剛