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私の臨床記録 ストレスと疲労の翌朝
吐き気と喉の詰まりが突然強くなった話
今回は患者さんの症例ではなく、私自身に起こった体の変化について書いてみたいと思います。
以前から私は、強いストレスがかかった時や、体がかなり疲れている時に、朝方になると吐き気を感じることがありました。
最近はその頻度が少し増えていて、胃がモヤモヤするだけではなく、喉が詰まるような感覚や、胸が締め付けられるような感じ、呼吸のしづらさまで一緒に出ることがあります。
そして2026年9月19日の朝。
目が覚めた時から、かなり調子が悪い状態でした。
吐き気がある。
喉に何かが引っかかっているような感じがする。
胸も詰まる。
呼吸もしづらい。
胃のあたりはなんとも言えないモヤモヤした不快感。
さらに体全体がバキバキに緊張していて、鉛を背負っているように重く、頭もぼーっとしていました。
前日のことを振り返ると、ある程度理由は思い当たりました。
昼間は会社に行き、精神的なストレスがかなりかかっていました。
さらに夜にはセミナーを受講し、終わる頃にはフラフラになるほど疲れていました。
そのまま眠り、翌朝に症状が一気に出てきたのです。
最近少し風邪っぽさもあり葛根湯を飲むことがあったのですが、体調によっては飲んだ後に吐き気を感じることもありました。
朝食を食べてみても、まだ体はすっきりしません。
そこで自分の体を改めて観察してみました。
私の感覚としては、単純に胃が悪いというよりも、体全体の緊張が強く、上半身に気が集まり過ぎているような状態でした。
東洋医学的に表現するなら
【気が上に上がって下りてこない】
そんな印象です。
そこで今回は、いろいろなツボを使うことはせず、まず足の太衝に一本だけ鍼をしました。
太衝は足の甲にあるツボで、私は臨床でも体の緊張が強い時や、気の巡りを整えたい時に使うことがあります。
鍼をしてそのまましばらく休んでいると、10分ほどで明らかな変化が出てきました。
まず吐き気がかなり軽くなりました。
そして、あれほど気になっていた喉の詰まり感も少しずつほどけてきました。
呼吸もしやすくなってきます。
まだわずかに喉の違和感が残っていたため、そのままさらに10分から20分ほど鍼を置いて休みました。
すると今度は、体全体がかなり軽くなってきました。
朝起きた時に感じていた鉛のような重だるさも減り、喉の詰まりもほとんど気にならなくなりました。
今回改めて感じたのは
症状が出ている場所だけを見ていても分からないことがあるということです。
吐き気があるから胃を見る。
喉が詰まるから喉を見る。
胸が苦しいから胸を見る。
もちろん現代医学的にそれぞれの症状を確認することはとても大切です。
しかし体を一つのつながりとして観察してみると
強いストレス
精神的な緊張
睡眠不足
肉体疲労
自律神経の変化
胃腸の働き
呼吸の変化
筋肉の緊張
こうしたものが同時に重なって、一つの症状として表面に出てくることがあります。
東洋医学では、こうした状態を“気の巡り”という視点から考えることがあります。
今回の私の場合も、太衝という一か所に小さな刺激を入れただけでしたが、喉だけではなく、吐き気、呼吸、体の重さまで一緒に変化していきました。
もちろん、太衝に鍼をすれば吐き気が治るという単純な話ではありません。
その日の体の状態をみて、
どこが緊張しているのか?
どこに流れの悪さがあるのか?
体全体がどちらの方向に崩れているのか?
そこを考えることが鍼灸では大切だと私は思っています。
鍼というと、痛いところに直接刺すものと思われることもあります。
しかし実際には、痛い場所から離れた一本の鍼によって、体全体の緊張や呼吸、胃腸の感覚まで変わることがあります。
ほんの小さな刺激でも、体がそれに反応すると大きく状態が変わる。
今回、自分自身の体を通して改めてそれを体験しました。
自分が治療を受ける側になってみることも、鍼灸師としてとても勉強になります。
体は、思っている以上に正直です。
そして症状は、ときに体からの
「少し休んだほうがいい」というメッセージなのかもしれません。
今回の経験は、また一つ臨床につながる大切な症例として記録しておこうと思います。
※喉や胸の詰まりと呼吸のしづらさは、ストレスや自律神経だけで説明できない場合もあります。特に強い呼吸困難、胸痛、冷汗、失神しそうな感じなどが出た場合は、鍼で変化をみることとは別に医療機関で確認することも必要です。