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ケールを食べながら考える“からだを整える”ということ
先日、生の【ケール】が手に入りました。
ちょうどその日は家で揚げ物を食べる予定だったので、ケールを軽く塩でもんで、りんご酢と少量の醤油、白ごまで和えて食べてみました。
これがなかなか美味しい。
揚げ物を食べた後にケールを口にすると、独特のほろ苦さとりんご酢の酸味で、口の中がさっぱりします。
実はこのケール、栄養の面から見てもなかなか興味深い野菜です。
ケールはキャベツやブロッコリー、大根などと同じアブラナ科の植物です。
ビタミンCやビタミンK、ベータカロテン、葉酸、カルシウム、カリウム、食物繊維などを含みます。
さらに注目したいのが、ルテインやゼアキサンチンなどのカロテノイドです。
こうした成分は目の黄斑部にも存在し、光などによって生じる酸化ストレスから目を守る仕組みに関係しています。
そしてケールを含むアブラナ科の野菜には、グルコシノレートという少し変わった植物成分があります。
植物にとっては、虫などから自分の身体を守るための仕組みの一つです。
面白いのは、葉を切ったり噛んだりして植物の細胞が壊れると、グルコシノレートとミロシナーゼという酵素が出会い、イソチオシアネートなどの成分が作られることです。
つまり、私たちがケールを刻んで食べるという何気ない行為によって、植物の中で化学的な変化が起きているのです。
私はこういう話を知ると、食べ物は単なるカロリーや栄養素の集合体ではないのだなと改めて感じます。
東洋医学では、食べ物をタンパク質が何グラム、ビタミンが何ミリグラムという数字だけでは見ません。
その食べ物が身体を温めるのか冷ますのか。
潤すのか乾かすのか。
上に昇らせるのか下に降ろすのか。
そして、その人の今の身体に合っているのか。
そうした身体との関係を大切にします。
ケールは現代の野菜ですから、古典の生薬のように東洋医学的効能を断定することはできません。
しかし、濃い緑色の葉や独特の苦味という性質から考えてみると興味深いものがあります。
五行では青や緑は木、そして肝との関係を考えます。
苦味には、こもったものを冷ましたり、下へ降ろしたりする方向性があります。
一方、揚げ物のように油が多く熱を使った食事は、食べ過ぎれば身体に重さや熱がこもりやすい。
そこで、ほろ苦いケールと酸味のあるりんご酢を合わせる。
これは東洋医学的に見ても、食事全体のバランスを考えた面白い組み合わせだと思います。
ただし、身体に良いと言われるものを大量に食べればもっと健康になる、という考え方は私はあまり好きではありません。
身体が冷えている人。
胃腸が弱っている人。
疲れて食欲が落ちている人。
そういう人が冷たい生野菜を大量に食べれば、かえって身体がつらくなることもあります。
そんな時はケールをさっと湯通ししたり、味噌汁に入れたり、胡麻や肉、魚などと合わせてもいいでしょう。
大切なのは、何が身体に良いかだけではなく、今の自分には何が必要なのかということです。
これは私が日々行っている鍼灸治療にも通じます。
肩が痛いから肩だけを見る。
腰が痛いから腰だけに鍼をする。
必ずしもそれだけではありません。
胃腸の状態、睡眠、呼吸、冷え、疲労、身体の左右差など、一見すると痛みとは関係なさそうなところまで見ていくと、身体の状態が少しずつ見えてくることがあります。
食事も鍼灸も、身体を無理やり変えるのではなく、その人が本来持っている働きが発揮されやすい環境を整えてあげる。
私はそこがとても大切だと考えています。
ケール一枚からでも、身体について考えられることはたくさんあります。
・毎日の食事を少し見直してみる
・身体の小さな変化に気づいてみる
そして、自分だけではなかなか整わない時には、鍼灸という方法もあります。
てあーて鍼灸院では、その方の身体全体を見ながら、一緒に原因を探していくことを大切にしています。
