お知らせ
「労務費転嫁の価格交渉に関する指針」を活用しよう!
この記事では、建設業・運輸業など「人件費が上がって経営が厳しい」とお悩みの経営者様に向けて、国が定めた価格交渉の指針を活用した「適正価格での受注方法」をご説明します。
令和8年1月から施行される新しい法律により、発注者が価格交渉に応じないことは違法になります。この機会に、適正な価格で仕事を受注できる環境を整えましょう。
制度の概要とそのメリット
国が令和7年12月に改正した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」は、最低賃金の上昇や人材確保にかかる費用(労務費)を取引価格に反映させるための交渉ルールです。
発注者に協議の義務が発生
令和8年1月施行の中小受託取引適正化法(取適法)により、協議に応じず一方的に価格を据え置くことは法律違反となりました。
発注者(元請け会社など)が受注者からの価格交渉に応じることが「義務」になったのです。
公表資料だけで交渉できる
交渉の根拠として、最低賃金の上昇率や春季労使交渉の結果など公表データを使えば良いため、細かい経費明細を開示する必要がありません。公的データを基にした価格交渉支援ツールも無料で利用できます。
心理的ハードルが下がる
経営トップが価格転嫁の方針を決定し、定期的に協議を実施することが求められているため、「言い出しにくい」という心理的なハードルが下がります。
対象となる方
労務費の上昇により経営が圧迫されている事業者
建設業、運輸業、情報サービス業、製造業などで、長年価格が据え置かれている取引がある場合は、今すぐ協議が必要です。「スポット取引」という名目で同じ価格を更新し続けている取引も対象になります。
発注者(元請け)との定期契約がある事業者
年1回や半年に1回など、定期的な価格見直しの機会を設けることが推奨されています。
交渉までの進め方
価格転嫁の交渉を進めるには、以下の3ステップです。
根拠資料の準備
最低賃金の上昇率(山形県では令和7年度に955円から1032円へ8.1%上昇)や、春季労使交渉の妥結額など、公表データを収集します。埼玉県が開発した「価格交渉支援ツール」など、全国で利用できる無料ツールを使えば、エビデンス資料を簡単に作成できます。
埼玉県のホームページ「価格交渉に役立つ各種支援ツール」
中小企業庁のホームページ「価格交渉・転嫁の支援ツール」
交渉の申込み
業界の定期的な価格交渉の時期を狙って、発注者に価格交渉を申し込みます。建設業なら毎年4月、運輸業なら繁忙期前など、タイミングを見計らいます。国が示した「価格交渉の申込み様式」を活用すれば、スムーズに話を切り出せます。
交渉記録の作成と保管
価格交渉の内容は必ず記録に残し、発注者と受注者の双方で保管します。これにより、後日のトラブルを防ぎ、次回の交渉もスムーズになります。
ご相談は商工会でも
価格転嫁の交渉へのサポートとして価格交渉の準備資料作成のためのお手伝いをします。まずは自社の状況を分析、的確なアドバイスのための専門家派遣制度なども活用して、公的データ(最低賃金など)を基にした根拠資料の作成へとつなげていきます。
「どのくらいの値上げ額が妥当か」「発注者にどう伝えれば納得してもらえるか」といった具体的ご相談にも対応していきます。
万が一、発注者が協議に応じない場合の相談窓口(公正取引委員会など)の情報提供も行います。相談は何度でも無料です
会員・非会員を問わず、ご相談は無料です。まずはお気軽にお電話ください。


