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2025/03/10 20:28

第2回鱗kokera賞 選者別15作品

【村上鞆彦先生 15句選】

夏帯のときどき鳥と喋る母 荒川力也 

闇夜汁だんだん甘くなりにけり 前田拓

提げて来し茸飯入り炊飯器 彼方ひらく

サルビアに輓馬の息の荒くあり 古田秀

笹鳴にとなりをみればうなづきぬ 八田吏

女郎花大きな花の如く揺れ 山本たくみ

眠る前雪の愛車を一周す 嶋乃拶希

なにもない秋だ埴輪になりそうだ 桃園ユキチ

風呂吹の半径に箸入れにけり コンフィ

歌声は土にしたしく寒の明 藤色葉菜

ハンカチの夜風にふつとなじみけり うにがわえりも

かりんの木九月の雨を明るうす 加藤柊介

ハンモックより火起こしに口出しぬ 川崎乃古亭

へりくだりながら光の風の中 郡司和斗

春月や雌雄自在といふ魚 中村たま実

 

【西村麒麟先生 15句選】

河豚刺しの箸を寝かせて掬ひけり  前田拓

西瓜割みんな恋してをりにけり  彼方ひらく

川を見るひと妙齢にして裸足  岡一夏

来館者ノートこげらのスケッチも  古田秀

寒泳に参加しますか小さく◯  八田吏

釣るまへの川ひろびろと秋曇  蛙多楓太

写真より大きなパフェや夏休  笠原小百合

初雪やおほきなこゑに茶の揺れて  辻村 栗栖 

白鳥を撮るぼんやりと父も容れ  藤井 祐喜

初日記明日の分まで少し書く  黒島流世

船遊山毎年船に酔ふ人と  山本たくみ

雨の日の雨の色なるソーダ水  今尾 江美子

墓洗ふあらかたの指に指輪 川田果樹 

水ヨーヨーこの人はなんとなく好き  うにがわえりも

ペンギンをピンクに塗つて冬休み  村蛙

 

【鴇田智哉先生 15句選】

 雛壇に新幹線の一輛目  前田拓

芭蕉葉の蔭に顔ありおはやうさん  山崎秀貴

待合の座面の裂けてゐて竈馬  古田秀

掬ふときゆるむあやとり牡丹雪  紺乃ひつじ

露草は花びら足りぬやうなれど  辻村栗栖

葱を買ひ肉少し買ふ川明り  福嶋すず菜

あまがへる恋はなにかと目がかゆい  清水縞午

煙草吸ふウエットスーツを肌脱に   髙田礁湖

長き夜の寮のトイレや誰かゐて  阿部八富利

喧嘩したあとの明るさ柿の花  南方日午

音立てるだけの妖怪木の芽和  桃園ユキチ

声の素溜めて小春の喉ぼとけ  コンフィ

雲のにおい虹のにおいのランドリー  後藤麻衣子

へりくだりながら光の風の中  郡司和斗

日も凍てて大道芸人白塗す  加藤柊介

 

2025/03/10 20:20

第2回鱗kokera賞 個人賞作品

 

【村上鞆彦賞】

 

 行   郡司和斗

 

紫陽花を触れてきし手に手が触れぬ

サイダーやミュシャの絵柄のバッグより

禿げてゐる方の駝鳥は緑陰に

夕立や白い大きい人に会ふ

ナイターの人ら乗り込む三鷹行

鰯の群心臓のごと伸び縮み

秋麗を雲の研究飽きにけり

水始めて涸る新聞捻じ折られ

はじめから平成老いてゐる稲妻

この秋を眠りとほして納税す

霜柱少し話して大学へ

鳥もわれもインフルエンザにて真顔

湖の詠み尽くされし霙かな

詰め物の舌にざらつく氷橋

へりくだりながら光の風の中

 

【西村麒麟賞】

 

 酔ふ人   山本たくみ

 

蜷の道光を曲げてゐたりけり    

空は陽を離れて青し堤焼く

恋猫のふつと素面に戻りたる

蒸籠よりおしぼり出づる暮春かな 

甘酒やここらで宿を探しつつ   

鴫焼の茄子が水吸ひ油吸ひ    

東京を軽く貶して夏の湖  

船遊山毎年船に酔ふ人と     

酒二度と飲まじや烏瓜の花

月涼し隙あらばよき旅と言ひ   

様々の染みある団扇仕舞ひけり  

中元が届きしとすぐ電話あり   

女郎花大きな花の如く揺れ    

溢蚊や南の唄を懐かしみ    

選ばざる方の新酒も注ぎくれし

 

 

【鴇田智哉賞】

 

 冬至の水   加藤柊介

 

わが胸を貫くとせば黄のカンナ

流燈やうす闇ひらきつつ流る

かりんの木九月の雨を明るうす

秋風の彫像石の子を抱けり

十六夜の五体をうすく肉あまる

一分といへども遅刻いてふ散る

救急車鬼の子赫くして過ぎぬ

恐竜を深紅に塗りて秋深む

セロリ噛む良家に苦労あるらしく

老の双子ぽつぽつと来て蜜柑買ふ

火の粉より高きへ落葉焚の音

日も凍てて大道芸人白塗す

しんしんと枯野は山の水を受く

枯れ切つて桜は枝をのばしをり

冬至の血冬至の水をもて漱ぐ

 

2025/03/10 20:14

第2回鱗kokera賞 受賞作

   第2回鱗kokera賞 受賞作

     古田秀 「原野」

原野.png

2025/03/10 19:41

【第2回鱗kokera賞】発表

【 第2回鱗kokera賞 発表 】
2024年10月1日~12月30日に東京・荻窪にある当店が
村上鞆彦先生・西村麒麟先生・鴇田智哉先生に選者をお願いして
募集した第2回鱗kokera賞。
おかげさまで83作品のご応募があり、
厳正なる選考の結果、次の作品が第2回鱗kokera賞に輝きました。
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【 鱗kokera賞 】
・「原野」古田秀さん
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古田さんには村上鞆彦先生・西村麒麟先生・鴇田智哉先生のお三方全員の御句が書かれた色紙と、
鱗kokeraお食事券(1万円分)を授賞式の際に進呈いたします。
授賞式については5月の連休以降で、選者の先生方、受賞者された方々のご都合よき日をお聞きして
調整する予定です。

 

また、次の3作品が各選者の個人賞を受賞されています。
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【 村上鞆彦賞 】
・「行」郡司和斗さん
【 西村麒麟賞 】
・「酔ふ人」山本たくみさん
【 鴇田智哉賞 】
・「冬至の水」加藤柊介さん
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お三方には各先生方の色紙と鱗kokeraお食事券(五千円分)を進呈いたします。
さらに、最終選考に残られたものの、惜しくも鱗kokera賞、個人賞を逃した方々に
奨励賞を贈らせていただきます。
奨励賞の方には鱗kokeraドリンク券を贈らせていただきます。
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【 奨励賞 】(作者名 五十音順)
・「今だけ」荒川力也
・「松虫」うにがわえりも
・「蹴るかたち」彼方ひらく
・「遠く」川田果樹
・「古き絵本」辻村栗栖
・「仄見えて」藤井祐喜
・「波」藤色葉菜
・「日の当たる」前田拓
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受賞された方々、本当におめでとうございます!
惜しくも受賞を逃された方々も力作のご応募、
誠にありがとうございました。
2025/01/26 16:14

鱗kokeraの本棚ページを作りました

店内の本の一覧、PDFにてアップしました

まだ見づらいですが、徐々に整備してまいります

お目当ての本があるか、Ctrl+Fの検索窓で探していただければ。

 

https://r.goope.jp/kokera/free/book