園だより

2023-11-30 10:42:00

他者を思う気持ち 人のために動ける人に 発表会

 11月11日、年長児が長光寺の報恩講にお参りをしました。毎月仏参で練習している正信偈をお勤めして、ハーモニカと歌を披露し、最後に布教使の先生から法話を聞きました。年長の保護者の方にもたくさんお参りいただき、本当にありがとうございました。

 法話の中で、自分のことよりいつもドラえもんを大切にする子どもが登場しました。宗教的には、この子と同様に私たちを大事にしてくれる存在もいると知らせてもらうのですが、この話を聞き、宗教的な理解は別として、こんなことを思いました。

 普段私たちは自分さえよければいいと考え、自分の損得が行動の基準となっています。そのため、思い通りにいかないと、他者に対して怒る人もたくさんいます。人類の起源をたどれば、今でこそヒト一種類しかありませんが、かつて他の人類がいくつもありました。その中で肉体的にはハンディを持つ人類が生き残った要因の一つに、他者を思い、助け合う力が強かったことが挙げられています。先日、研修会で「1歳児が困っている大人に対してどのような反応を示すか」という実験を見る機会がありました。物を落としたり、動けずに扉を開けられずに困っている大人を1歳児は皆ことごとく助けていて、本能として、他者を助ける思いがあることが示されていました。

 いつのころからか、他人のために余計なことをするのは損で、自分優先であるべきで、自分のためなら他者を踏みつけて進んでいくのが当然という価値観が幅を利かせるようになりました。しかし、川島東こども園でご縁を結んだ子どもたちには、自分ひとりの力でできることはごくわずかで、たくさんの人や生き物、周囲の環境のお蔭で、今の私があること、そして、他人のために周囲のために動ける人間、人の役に立って喜びを感じる人間になることが、一番大切なことであると、伝えていきたいと思っています。

 さて、12月15日は生活発表会です。普段の遊び=学びの時間を確保しながら、子どもたちの主体性を大切にして練習を進めています。普段の生活が存分に現れる、文字通り「生活発表会」になります。お楽しみに。