[ 症状 ]
突然に始まる膝の痛みで、関節を動かす時や体重をかけた時に特に強く痛みを感じます。しゃがむ動作や正座ができなくなるケースもあります。歩行、階段の昇降、椅子からの立ち上がりで痛くなると生活に支障が出てきます。寝返りをうつことでも痛みを感じるようになると良眠できません。損傷によって出血することや、関節内に炎症が起こって水が溜まることもあります。
膝関節の中で物がひっかかるような感覚を感じたり、関節の動きにともなって音が鳴ったり、関節がずれる感覚あるいは関節が噛み合わないような違和感が起こる場合もあります。
[ 診断に必要な検査 ]
典型的な半月板損傷では医師が患者さんの症状を聞き、診察を行っただけで診断に至る場合もあります。しかし、半月板損傷の中でも特殊なケースは半月板損傷に詳しい膝の専門医でなければ診断がつきにくいものもあります。
診察で半月板損傷を疑われた場合、確認のための検査が必要です。一般的には半月板損傷だけではレントゲン上の明らかな変化は現れません。半月板損傷の部位や程度を確認するにはMRI検査が必要です。
[ 治療方法 ]
半月板損傷があっても,そのすべてが手術の対象となるわけではありません。早期に手術が必要なのは、痛みに加えてロッキングという状態(損傷した半月板が関節内にはさまって膝が動かない、あるいはある程度動いても伸ばしきれない曲げきれないという動きの制限がある)になっている場合です。
また、痛みが長く続き、くり返し水が溜まるなどの症状があって、スポーツ活動、日常生活、職業上大きな支障がある場合手術が検討されます。
保存療法(手術以外の治療法)
膝の腫れや痛みが起こったら、患部に負担をかけないようできる範囲で膝の安静を保つことが基本です。強い痛みがある場合は、痛みや炎症を抑える目的で湿布や塗り薬、飲み薬(消炎鎮痛剤)を使います。関節内に多量に水がたまった場合は苦痛がともなうので、針を刺して内容液を取り除きます(関節穿刺)。また、関節の潤滑性を高め、炎症を鎮める効果のある薬剤(ヒアルロン酸など)を関節内に注入する方法もあります。
半月板の血行が良い部位では、自然に治癒する場合もあります。これらの保存療法で症状が徐々に良くなるケースもありますが、完全に治癒しない場合は何らかの違和感や症状が残ります。残った症状に対しては、リハビリや生活指導を受けながらうまく付き合っていくか手術を検討します。医師と相談しながら判断しましょう。