「傷の大きさはどれくらいか」
近年手術においてはMIS(最少侵襲手術)という考えが普及して、手術をする部位に加わる負担ができる限り少ない手術が重要と言われています。人工関節に関しても関節周囲の筋肉をなるべく切らずに、傷も大きくない手術が普及してきています。しかし、人工関節においては傷の小さいことが大切なのではなく、何よりも長い期間調子良く使えるように正確に人工関節を設置することが大切です。当院でも、可能な限り手術部位の負担が少ない方法を心掛けていますが、傷の大きさは必要に応じた大きさとなります。
「手術後のリハビリはどこまで必要か」
人工膝関節の手術成績は一般に安定したものと言われています。しかし、その関節を動かすのは筋肉であり、ひどく変形した膝からまっすぐの膝に変わった場合には筋肉の環境も変わります。うまく人工関節を使って歩く、滑らかに膝を曲げ伸ばしする、階段の昇り降りや外歩きなど実用的な動作を安全に行う、これらを実現するためには手術後のリハビリがたいへん重要です。入院期間に行うリハビリは、移動が安全にでき、自宅で生活できる状態をめざします。当科では、入院期間は手術後約3週間が標準です。また、リハビリは入院中だけではなく、十分な筋力の回復と膝関節の動く範囲の拡大を目指して通院できる範囲で退院後も行います。
まずは医師にご相談ください !
「手術をすすめられたけど、私の膝は手術をしなければ治らないの?」 「手術方法は人工関節以外にないの?」 「手術はひどくつらいのでは?」 など、不安をお持ちの患者さんも多くいらっしゃいます。お話だけでもうかがいますので、まずは診察にいらしてください。