大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2021-08-25 22:32:00

dive98

 「啊,先去我朋友那里吧。」(まあ、俺の友人のところへ行ってからにしよう。)

そう言って師範は、街道のわきに立つ柱の方を指さした。その柱には、「青龍寺参道」と書いてあった。参道に入ると、先ほどのお土産屋や食べ物屋と違い、縁起物屋やお供え物屋が立ち並んでいた。少しづつ山道を登っていくと藍染の原料になる蓼藍が群生しているのが見えた。藍に気を取られているうちに段々と空気が下界のものと違ってきた。なんというか、ほんとに別の世界に入ったようだった。そのころには、わきに羅漢像が立ち並び、僕たちを見定めるように睨みつけていた。僕は弱気になると押し返されそうなものを感じ、睨み返してやった。そうしていると、階段の上の方に山門が見えてきた。先ほど下の街で見た藍染の青とは対照的な赤い山門。大きな山門には、先ほどの羅漢像よりも大きな仁王像が、入ってくる悪を拒絶するように見張っている。山門をくぐると大きな広場があり、奥にはお堂がいくつか見えた。広場に入り、師範が通りかかった小僧さんに話しかけた。

「哦,青仁,龙德和尚在吗?」(おお、青仁、龍徳和尚いる?)

「啊,白龙先生。好久不见。如果是和尚的话就去正殿。」(ああ、白龍さん。お久しぶりです。和尚様なら本堂に。)

小僧さんは、そう言ってお堂の方へ案内してくれた。

「青仁,你长大了啊。打扰一下。」(青仁、大きくなったな。ちょっとお邪魔するね。)

僕と同じ年ぐらいだろうか。この小僧さん、青仁っていうんだ。こんな年の子もいるんだな。ここの子なのかな。和尚さんの息子か?

「喂,你叫青仁吗。我是行德。和尚是你的父亲吗?」(ねえ、君、青仁っていうの。僕は行徳。和尚さんって君のお父さんなの?)

「哎!・・・・不对・・・行德・・我是法师捡到的。」(えっ!・・・・・違う・・・行徳・・ぼくは和尚さんに拾ってもらったんだ。)

そう言って下を向いてしまった。僕はどういうことなのかわからずに、もっと聞こうとしたが師範が止めた。

「这些孩子们,我也是这样,他们是被杀、被抛弃的人。这座寺庙领养了这样的人。」(この子たち、俺もそうなんだが、親を殺されたり、捨てられたりした者たちなんだよ。そうした者をこの寺が引き取ってくれているんだ。)

「哎!师范也是……是的。对不起,我什么都不知道。」(えっ!師範も、・・・そうなんだ。僕、何にも知らなくてごめんなさい。)

「行德。那种事我们不会输的。因为有佛啊。什!青仁。」(いいんだよ行徳。そんなことぐらいで俺たちは負けない。だって仏様がついてるもんな。なっ!青仁。)

そう言って、青仁の肩を抱く。下を向いていた青仁が、師範を見て誇らしげに笑った。僕は、改めて師範の大きさを感じ、誇らしかった。そんなことを考えながら、はっと気づいた。あれ、考えたくないが、もしかしたら僕も・・・・そう思ったら、そのあと何も言えなかった。下を向いて、身につまされた僕の肩を、今度は青嵐が抱いてくれた。なんだか急に不安が体中にまん延したように力を奪っていく。なんだか、体を支えきれなくなって、うずくまり泣いてしまった。突然泣き出した僕を見て、さっきまで笑っていた青仁が心配そうに僕を見ている。青仁にはそんなつもりはないのだろうけど、僕は青仁に仲間と思われるのが嫌で目が見れなかった。僕が諦めたら、父さん、母さん、姉さんが帰ってこないような気がして、下を向いたまま黙っていた。

「哦,好久不见,白龙。怎么了?发生了什么事。嗯,那孩子怎么了。」(おお、久しぶりじゃの、白龍。どうした?何かあったのか。ん、その子はどうしたのじゃ。)

「和尚,真糟糕。但是,在那之前让我吃饭吧!」(和尚、大変なんです。でも、その前にご飯たべさせて!)

「哈?」(はぁ?)

そう言った和尚の顔は厄介ごとはごめんじゃといっているようだった。

dive99に続く・・・

 

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