大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」
dive90
道場に通うようになってから2年ぐらいたったころ、いつものように朝の修練をしてから青嵐の家に行った時のことだった。青嵐が僕に心配そうな顔をして聞いてきた。
「在你家发生了事件吗?可疑的男人们在看你的家。」(お前の家で何かあったのか?怪しそうな男たちがお前の家を見ていたぞ。)
「可疑的男人们?是什么感觉的人?」(怪しい男たち?どんな感じなの?)
「总之感觉很可疑。但是,村长也在一起啊。」(とにかく胡散臭いんだよ。でもなぁ、村長も一緒だったんだよな。)
「村长也在吗?」(村長もいたの?)
僕は、道場に着いてからも気になって修練にも身が入らなかった。そのことに師範も気づいたようで、檄を飛ばす。早く帰って父さんたちに聞いてみよう。落ち着かない。いやな予感がする。集中できない。姉さんに何か・・・
「喂!行德!过来一下。」(おい!行徳!ちょっと来い。)
帰ろうとする僕と青嵐を師範が呼び止めた。
「行德!怎么了?总是筋好的你。发生了什么事?说吧。」(行徳!どうした?いつも筋のいいお前が。何かあったのか?話してみなさい。)
僕は師範のことは信用していたけれど、姉さんのことは内緒にしたまま、青嵐から聞いた怪しい男たちのことを話した。すると、師範は、
「青岚,难道那些男人没有带黄色的带子吗?」(青嵐、もしかしてその男たちは黄色い帯をしていなかったか?)
「啊,对了对了,这么说来只有和村长说话的了不起的家伙戴着黄色的带子。师傅,你怎么知道的?」(ああ、そうそう、そういえば村長と話していたえらそうなやつだけ黄色い帯をしていました。師範、どうして知っているんですか?)
「他们是领主的部下。最近听到过传闻。传言说有少女会使用诡异的术。」(そいつらは領主の手下だ。最近、うわさで聞いたことがある。怪しい術を使う少女がいるという噂話。)
バクン!僕の心臓が破裂しそうなほどの拍動をした。『少女』という単語を聞いたとたんに、体中の血がぐるぐる回っているのがわかった。なんだ。どうしてだ。どこから漏れた。村長?あいつ、まだ疑ってやがったのか?僕の顔色がみるみる変わるのを師範が気付いた。
「你知道吗?是吗,原来是你的家人啊・・・」(お前、知っているのか?そうか、お前の家族なんだな・・・」
しまった!師範にもばれてしまった。僕は早く冷静さを取り戻そうとしたけど、どうにもならなかった。頭の中がぐるぐる回って、いまにも発狂しそうだ。どうする?師範をどうやって黙らせる。僕にそんな力あるわけない。どうしたらいい。姉さん・・・早く帰って姉さんにこのことを知らせなければ・・・息が荒くなって、目を見開いている僕をなだめる様に師範が言った。
「冷静点,行德。虽然不知道情况我知道你是为了什么而变强的。是为了家人啊・・・」(落ち着け、行徳。事情は分からないが私にはお前が何かのために強くなろうとしていることは知っている。家族のためだったんだな・・・)
ああ、知られてしまった。もう駄目だ。どうしよう。どうしよう。どうしよう・・・なんでだ・・どうして放っておいてくれないんだ。姉さんは、ただただ心の優しい人。それだけなのに・・子供である自分が悔しい。大人たちが憎い。なぜ、なぜ・・許せない。許せない。諦めと怒りとがまぜこぜになって、僕の心の底から湧き上がる。どうしようもない感情に、泣きながら怒っている僕の肩をしっかりとつかんで、まっすぐ僕の目を見て師範が言った。
「行德,弟子和我的家人一样。要说家里人的大事,我也得努力啊。」(行徳、門弟は私の家族も同然。家族の一大事とあっては私も協力せねばならんな。)
えっ!僕は、呆気にとられた。師範が言った言葉にも。そして、僕の心を姉さんのように見透かしていたことにも。そして怒りを忘れ、一人でこのことを背負い込んでいた小さな心の境目が解き放たれ、水玉が割れる様に涙があふれた。今まで意地を張って、一人で頑張ってきたすべてをかなぐり捨てて泣く姿を見て、師範は笑いながら僕を抱きしめてくれた。
「那么,赶紧回家吧。」(さあ、では、急いで家に行こう。)
師範も一緒に家に行くことになった。道すがら師範が話してくれた。昔師範のお父さんがいわれのないことでつかまりそうになった時師範の師匠が助けてくれたそうだ。『拳法は人を守るためのものだ。門弟と言えば家族も同然、家族を守らないでどうする。』と言われたそうだ。そう言ってくれる師範でも、姉さんのことはどこまで話していいものだろうか。父さんたちにも話してないのに。
そんな心配をしていると、師範が続けて話してくれた。拳法をやっていると気に対して敏感になり、操ったりすることもできるようになるという。それを人が見ると怪しげな術にも見えると。それに気によって人を見抜くこともできるようになるそうだ。僕を見て色々感じるところもあると教えてくれた。
dive91に続く・・・

