大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」
dive85
ドン、ドンドンドン、ドン、ドンドンドン
あくる朝、けたたましく戸を叩く音で目を覚ました。いったい何の騒ぎだろうと起きると、村長の声がした。
「ワシだ、おい、村長の陳だ。起きろ。おい。早く起きろ。」
お母さんが、起きていて扉を開け
「おはようございます。村長さん。いったい何事ですか、こんなに朝早く。」
「おお、おはよう。あんたのところ娘に用があってな。昨日うちの娘が変なことを言いだしてな。それで聞きに来たんだ。昨日うちの娘が岩場の上にしか咲かないあの青い花を持っていたもので、あんな危ないところに一人で行ったのかと聞いたら、だんまりでな。これは何かあるなと問いただそうと腕を引き寄せようとしたんだ。すると着物に血がついていた。ははーん、どこかけがをして叱られると思って黙っているのだなと、どこをけがしたんだと見てみてもどこにもけががない。他の者の血かと、これはいかんと問いただしてみたところ、ついに白状した。岩場から落ちてけがをしたが、あんたのところの娘が手をかざして祈ったら、みるみる治ったと言うじゃないか。そんなバカなことを、と言ったが、玲玲は頑として本当だと、泣き出してしまった。もし本当ならすごいことだ。この村に霊能力者が、それも凄腕の。それで確かめに来たんだ。」
「うちの美雪がですか?村長さんそんなバカなことがあるもんですか。美雪なら昨日も畑仕事をしていましたよ。」
「いいから、美雪をだせ。直接ワシが聞いてやる。」
そう言ってきかなかった。村長は悪い人ではないのだけれど、昔から強引でみんなこまっていた。僕も起きて様子をうかがっていたらお姉ちゃんが柱の陰で困っていた。僕はお姉ちゃんに
「玲玲のやつ、お姉ちゃんのこと言っちゃったんだ。助けてやったのに、ひどい奴だ。お姉ちゃん、今度は僕がお姉ちゃんを助ける番だ。任せておいて。」
そう言って、村長のところに行った。会わせろ会わせろ、言っている村長の前に立ち
「村長さん、ごめんなさい。実はあの花を取って落ちてけがをしたのは僕なんだ。危ないところに玲玲を連れて行ってごめんなさい。落ちたはずみで玲玲の頭にぶつかって、ちょっとふらふらしていたからあまり覚えてないのかも。僕の鼻血が玲玲の服に着いたなんて知らなかった。お姉ちゃんは、汚れた僕を抱えてきた玲玲を拭いてあげただけです。玲玲に花のことを言うと大人に叱られるから黙っておいてくれ、と頼んだのも僕なんだ。ごめんなさい。玲玲やお姉ちゃんを責めないであげてください。ごめんなさい。」
「・・・・・そ、そうなのか?じゃあ、霊能力者じゃないのか?そうか・・・わかった。そうだよな。そんなことあるわけないか。」
「ごめんなさい。もう危ないことはしません。ごめんなさい。」
僕が何度も謝ると、村長はあきらめてとぼとぼと家の方に帰っていった。よかった。でも、その後、お母さんに危険な場所に行ったことをこっぴどく叱られた。でもお姉ちゃんは、ほっとしていた。そうだ。いつも僕が助けられてばかりなんてだめだ。それは、自然界の法則に反する。お姉ちゃんが言っていた。与えてもらったら、今度は与えなきゃね。だから、お姉ちゃんは僕が守るんだ。そのためには頭もよくなって、強くならなくちゃ。そうだ。青嵐が習っている拳法を教えてもらおう。玲玲に勉強も教えてもらおう。
こうして、僕の計画は始まった。
dive86に続く・・・・

