大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-10-06 08:52:00

dive83 シーズン3『白き光と黒き炎』

 「お姉ちゃん、お庭で鳥さんが倒れてた。治してあげて。」

僕は行徳、6歳。僕には5歳年上のお姉ちゃんがいます。お姉ちゃんは僕にすごく優しくしてくれます。今も何かにぶつかったのか地面に落ちてパタパタしていた鳥さんをお姉ちゃんが治してくれています。お姉ちゃんが手をかざしてお祈りをするとすぐに元気になります。僕の自慢のお姉ちゃんです。でもお姉ちゃんは僕に言います。

 「行徳、このことは絶対誰にも言っちゃだめよ。言ったらもう一緒にいられなくなっちゃうからね。」

僕はなんだかわからないけど、お姉ちゃんがそういうから絶対誰にも言いません。お姉ちゃんがいなくなっちゃうといやだから絶対に言いません。あっ!鳥さん治った。また飛んで行ったよ。よかったね。

 僕は毎日お姉ちゃんと一緒に遊んでいたいけど、お姉ちゃんはお家のお仕事を手伝っているのでそうもいかないから、いつもは近所の子たちと遊んでいる。村長さんのところの一人娘で玲玲(リンリン)と鍛冶屋の兄弟ガキ大将の青嵐(チンラン)、優しい白嵐(バイラン)、中華料理屋の子、太っちょの飛(フェイ)、いつもこの5人で遊んでいる。玲玲はうちのお姉ちゃんが大好きでよく家に来ます。そして僕とも一緒に遊んでいると言うと、青蘭が怒ります。青蘭は玲玲が好きです。でも玲玲はあまり好きではありません。すぐ怒るからいやだって。僕は白嵐と仲良しです。白嵐は虫や動物が好きな男の子で家で飼っている馬の世話をしたりしています。馬も白嵐のことが大好きで小屋に近づくだけで顔を出して脚をガシガシしています。一緒に遊びたいのだと思います。

 今日もいつもの原っぱで遊んでいました。玲玲が花で輪っかを作るというので僕と白嵐が花を探して積んでいると、白嵐がバッタを見つけた。僕も一緒になってバッタを追いかけた。するとバッタが草にとまった、僕の正面だ。バッタがこっちを向いてる。僕が動くとバッタが逃げようとする。動けない。そんな僕を見てバッタがいることに気が付いた白嵐が、バッタの後ろからとびかかろうと構えた。僕はバッタを見たり、白嵐を見たり。ドキドキする。白嵐と僕の目が合った。僕がちょこっとうなずき、バッタに目線を向けた瞬間、ぶわっと白嵐が飛んだ。草むらがバサバサした。バッタはどこだ。バッタ。近くの草むらを見るがいない。あたりの草をけ飛ばすが出てこない。白嵐が起き上がってニヤッとした。捕まえたのだ。なんてこった。取られちゃった。白嵐がバッタに糸を結んで服にとまらせていた。うわーーー!僕も欲しいなー。そう思ってバッタを探していると、

 「あんたたち、何やってるの?花はどうしたの?」

と、玲玲が怒っている。あちゃー、バッタ欲しいけど玲玲怒ってるしなー。そこへ遅れて飛がやってきた。なんだか懐がぱんぱんだ。なんだろうと思ったら、

「父ちゃんがおやつに持って行けって、みんなの分もくれた。」

そう言って懐から真っ白な饅頭を出した。ふかふかだ。飛のところの饅頭はとっても美味しい。僕は、

「飛はいいな。こんなにおいしい饅頭をいつも食べられるなんて。うらやましいよ。」

そう言うと

「うちの父ちゃんの料理は清国で一番だ。毎日美味しいご飯を作ってくれるんだぜ。いいだろ。うらやましいだろ。でも怒ると怖いんだぜ。昨日なんかちょっとお店のものをつまみ食いしたらおしりを何回もぶたれた。」

そう言って下履きを下げておしりを出して僕らに見せた。ぐわははははは、僕たちはそれを見て大笑いをした。ただでさえでかい飛のおしりが2倍にはれていた。するとそれを見た玲玲が、

「女の子の前でおしりを出すなんて、下品だわ。最低。」

と言ってあっちに行ってしまった。でもしっかり饅頭は持って行った。玲玲も飛のところの饅頭が大好きなんだ。

 みんなで饅頭を食べていたら、あっちの川で釣りをしていた青嵐が魚を持ってやってきた。青嵐は釣りが上手でいつもいっぱい釣って来る。

「兄ちゃん今日も大漁だね。飛のところに持っていくの?」

「ああ、今日は大きいのが釣れたから、ちょっと高く買ってもらえるかも。小さいのは行徳にやるよ。」

「いつもありがとう、青嵐。うちのお姉ちゃんも美味しいって喜んでるよ。」

じゃあ、また明日。と言ってみんな家に帰っていく。青嵐たちと飛は飛のお店に、僕と玲玲は僕の家に向かった。なんだか玲玲がむくれている。なんだろう。そう思いながら家に帰るとお姉ちゃんがいた。

 「お帰り!あれ、玲玲どうしたの?」

 「美雪お姉ちゃん。行徳がバッタに夢中になって花を取ってきてくれないから、首飾りにしようと思ってたのに、こんなに短くなっちゃった。」

そう言ってお姉ちゃんに渡した色とりどりの花輪は、頭の上にちょこんと冠のようにのせられた。

 「ありがとう、玲玲。私、とっても嬉しいわ。これからも行徳と仲良くしてやってね。」

 さっきまでむくれていた玲玲が笑っている。そんな玲玲を見て、僕ははっとして肩を掴んだ。

 「どうしたの、行徳」

玲玲がびっくりして僕を見る。パッと肩から手を放し玲玲に見せた。肩にとまっていたバッタを捕まえたのだ。僕は自慢げに見せたのに玲玲は

 「ぎやぁ―ーーーーーーーーーーーー!」

と言って一目散に家に帰っていった。それを笑って見ていたお姉ちゃんが

「行徳、可哀そうだから逃がしてあげなさい。」

と言った。白嵐のより大きかったのになぁ。仕方がないので逃がしてやった。

「お姉ちゃん青嵐がまた魚をくれたよ。」

「あら、じゃあ、今日は行徳の好きな魚のスープにしようか。」

僕の一日はいつもこんな感じだった。

dive84に続く・・・・

 

 

 

 

 

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