大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-09-24 19:48:00

dive79

 宴会が和やかに進んでいく。白龍さんに李家と青龍寺のつながりを聞いてみた。すると、

 「私の先祖があの石の作用で病になった時のことです。病になった娘はその村の村長の娘でした。村長はほうぼうの街の医者に訪ね歩いたが病は治らずに困っていた。そしてあきらめかけて村に帰る途中にあったある麺料理屋に寄ったとき、そこの店主に石をいただいて飲ませたところ、たちどころに治ったそうです。その時に青龍寺に行けと言われたらしく、娘の完治後に青龍寺の龍恵和尚を訪ね、娘は寺で修練することになりました。娘は数年後、術を会得し、村に帰り一族のものに伝授していった。今でもその村には秘術を守り続ける一族が住んでおります。私の先祖はその子孫の一人で、2018年までの日本に、悪の元凶を絶ちに救世主『王藍生』が現れるという言い伝えを受け、日本に移住してきた。私の代になり、いつ来るのかと待ち遠しく思っておりました。」

 その話を聞き、麗華と目が合い、驚いた。

 「あなたが、あの人の子孫なのね!娘さん、いや、ご先祖さんは助かったのね。よかったわ。心配していたのよ。つい、ひと月ぐらい前の話よ。」

 麗華のその言葉に、白龍がびっくりして

 「え!最近の話なんですか?」

 「そうですよ。李さんに会ったのはひと月くらい前で日本に着いたのはついさっき、陳さ・・・いや赤龍さんに電話したちょっと前です。ところで黄龍さん藍の話を・・」

 「そうでしたね、これもやはり運命と言わざるをえないでしょうが、あなたのお孫さん、藍君はもうすでに李家とつながりがあります。藍君には妹さんがおりまして、その妹さんが例の石によって病になってしまったのです。妹を救うために治療法を探しているのを私の教え子の医師から聞き、もしやと思い、李家の村のことを教えました。どことなく言い伝えの『王藍生』に似ていたものですから。そして李家に伝わる治療薬、つまり石ですね、を手に入れ、妹を助け、同時に新しい麺潜師にスカウトされました。彼は今、化学系の会社で潜るためのダイバースーツを開発しています。術も訓練中です。血筋ですかね・・・とても誠実ないい青年ですよ。」

 「あの時助けた李家の子孫に、今度は私の孫が助けられたってことか。白龍さん、黄龍さん、長い付き合いになりそうですね。孫を助けていただいてありがとうございました。これからも彼らをよろしくお願いいたします。」

 さっきからしゃべりたくてしょうがないという感じの陳さんが黄龍を押しのけて話し出す。

 「守山さん、あの日、あの後どうなったんですか。私もあの日あなたに会った人物として色々聞かれましたよ。」

 「陳さん、申し訳ない。あれから横浜駅の宝石店に行って、家に帰ろうとホームで電車を待っていた時に、突然タイムスリップして1840年の成都に行ったんだ。それから・・・・」

 五龍たちに今までのいきさつをすべて話した。そしてなぜ王藍生という名にしたかも。そして行徳が2018年に何かを起こすことも。その前に止めなくてはならないということも。

 「藍生さん、あとで写真を何枚か取らせてください。麗華さんも、美雨さんも。こちらで暮らすにあたって身分証明書がないと不便でしょう。後で手配しておきますので。」

 黒龍さんが申し出てくれた。そう言い懐から四角く、平たい板切れのようなものを触っている。そうだ聞いてみよう。

 「ところで皆さん、ちょっと聞きたいのですが、皆さんが先ほどから持っている、その板切れのような機械は何ですか。町でも見かけたのですが。」

 「守山さん、そういえばあの頃はなかったね。これはスマートフォンと言って電話ができる携帯型コンピューターですよ。」

 なにーーー、携帯電話なんて、なんかニュースで見たような記憶が。なんか、ショルダーバッグみたいなやつだったはず。進化ってすごいな。ついていけるかな。貸してもらったスマートフォンを見てびっくりしている両横から熱い視線を感じる。お前も田舎者の仲間じゃったか、と言いたくて仕方がない二人のニマッとした顔は行徳よりも恐ろしかった。

dive80に続く・・・

 

 

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