大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-09-09 20:25:00

dive72

 「你在说什么?不是单纯的旅行哦。」(何を言っているんですか?単なる旅行ではないんですよ。)

 麗華が驚きと怒りを混ぜたような声で言った。

 「我知道。我也想帮忙。」(分かっています。私も手伝いたいのです。)

 真剣な目でこちらを見る美雨(メイユイ)。私もどういうことなのかわかっているのか半信半疑で尋ねた。すると私の過去のこと、そしてこちらに来てからのこと、大体わかっているようだ。自分も石の被害者として関わってしまった。私たちに逢って自身の運命として受け入れる覚悟を決めたそうだ。しかし、そんな簡単に決められるものなのかな。なんだか他に理由があるのではないかと疑ってしまう。麗華の直感は結構あてになる。野生動物のそれと思って間違いない。その麗華が警戒している。それを見ると、はい、そうですかとはなかなかいかない。しかし、未来に飛ぶためのエネルギーとなる霊力、それを補えるのは彼女しかいない。私がここに来た目的もそれなのだ。迷っている暇はない。こうして、考えていることもどうやら彼女にはわかってしまうだろう。隠し事はできない。この人がどんな人なのかわからない。もしも悪人であったら日本に連れて行くわけにいかない。真っ直ぐこちらを見る美雨の目を見返すことができない。そんな私を見て美雨が

 「我明白了。那么,这个人……」(わかりました。では、この者に・・・・)

そう言って、手を合わせ祈り始めた。何かを感じたのか、立ち上がっていた麗華が座って身をすくめている。なんだか部屋の中の空気が変わった。何ともすがすがしい高原にでもいるような緩やかで優しい風が吹く。どこからともなく霞がかかったようになり美雨がいたあたりが光出した。まぶしいというのともちょっとちがう。神々しいと言ったほうがあっているだろう。そこに現れたのはどことなく美雨に似ている感じの姫君のようないでたちの女性だった。なんだ、幽霊か?

「蓝生。我的名字叫清华。我是守护这个人的人。正如你有使命一样,这个人也有使命。不做坏事。愿共同携手完成使命。无论如何拜托你。」(藍生。私の名は清華。この者を守るものです。そなたに使命があるようにこの者にも使命があるのです。悪事は働きません。ともに手を取って使命を果たすことを祈ります。どうか頼みます。)

そう言って微笑み消えて行った。麗華も見たようでポカーンとしている。いったいなんてものを見せてくるんだ。断るわけにいかないだろ、あんな守護霊見せられて。和尚もすごいけど、この人すごいな。本物だ。でも、これだけの力があれば自分で行けそうなのに・・・ああ、これも読み取られてるんだろうなと思って美雨を見ると、ニコッと笑った。麗華もあきらめたようだ。緊張しすぎてぐったりして、私に任せると言っている。行くのはわかったが、詳しいことを隠さず話してほしいと言うといろいろ話してくれた。

 彼女には霊力を回復し高める力、それと未来予知の力があるそうだ。それはひとえにあの守護霊のおかげらしいが。自分が病に倒れること、そして私たちに助けられともに行動することもわかっていたそうだ。心を読んだのは、先ほど握手をしたときに霊力の糸を私に結んでおいてそこから伝わってくるそうだ。霊力の高いものの近くにいる者もだんだん霊力が備わってくるらしく、麗華が敏感に反応するのはそのせいだと。しかしあまり強くはないので先ほどのような高級霊に当てられると疲れてぐったりしてしまうらしい。霊力がもっと低い者には先ほどの清華さんは見えないそうだ。見えるだけでも相当な霊力があるという。彼女は幼い時から清華が見え、そのせいもあり孤独だったが、いろんなことを教わって来たそうだ。しかし、そんな力を悪用しようとする輩が近づいてくることも少なくなく、一人、旅に出ては逃れてこの街に来た。彼女には大きな使命があると清華に言われて霊力の使い方を学び、人々を救い、癒すために生きてきたが、ある日、見えた未来に自分が倒れるのが見えたそうだ。しかしそんな自分を救い、その後私たちを助けるためにともに行動することが私の使命なのだと気づき願い出たのだそうだ。そう聞いて少しほっとした。また何か厄介事を背負いこんでしまうのではないかとドキドキしていたが、強力な味方ができたようだ。そう思ってほっとしている横で聞いていた麗華は、号泣しながら美雨を抱きしめていた。

「努力了呢。努力了呢。一起加油吧!」(頑張ったね。よく頑張ったね。一緒に頑張ろうね!)

癒しの力ならこいつにかなう者はいない。そう思ったことは、美雨にも伝わったようで、孤独から解放された美雨も麗華を抱きしめ泣いていた。

dive73に続く・・・

Today's Schedule
2026.10.30 Friday