大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-08-28 22:28:00

dive67

 術の最終確認をし、体調を整え、明朝決行することにした。皆で話し合い、まずは3年後の成都へ。あの映像の中で言っていたあたりに店を出してそれらしき男が来るのを待つことにした。その後、今度は2018年を目指して時を渡る。私も知らない未来へ。孫の藍はもう成人して社会人か。会いたいな。でもこんなことに巻き込むわけにいかないから、遠くから見るぐらいにしておかなきゃならんか。そう言えば、あの宝石どうしたかな。あの宝石屋にずっと置いてあるのかな。私が失踪した世界はどうなってるのか。調べても、まさか過去の中国にいるとはおもわないわなぁ。でもあの日の行動を追跡調査しても、とても失踪する人の行動ではないものなぁ。そうだ、向こうに着いたら身分証明とか、住む所とかどうしよう。未来の青龍寺の和尚に何とかしてもらおう。明日、龍恵に・・・考えていたら寝てしまった。

 翌朝、龍恵に話してみた。未来の日本の状態と共に。未来では電話と言うものができて連絡が取れるようになることを説明して、青龍寺に電話を掛けることにした。日本の戸籍を作ることが難しければ、中国籍でもと頼んだ。その時の名前は「王藍生」でと。

 さあ、制限時間いっぱいだ。麗華と離れないようにひもで二人をぐるぐる巻きにしてもらった。麗華が私にしがみつく。印を結び準備をする。あれだけ強がっていた麗華が目をつむって震えている。私もドキドキして心臓が飛び出しそうだ。そんな鼓動を感じて麗華が怖がりはしないか心配でギュッと力強く抱きしめ、

「我爱你、麗華」(愛してるよ、麗華)

麗華の震えが止まり、口元が緩んだ。

補助で真言を唱えていた龍恵が

「现在。」(今です。)

その掛け声とともに私たちを中心にして竜巻のような風が吹く。まるで私たちの中心に穴がありそこに引きずり込むように。徐々に速度を増していく。風の密度が濃くなってだんだん龍恵たちが見えなくなる。麗華のしがみつく力が強くなった。私は真言を唱え必死に仏に願う。真っ白な光に包まれ、周りには何も見えない。1843年の成都を目指して。もし仏が私を導くのならばそこへ連れていくと信じて真言を唱え続ける。もう何回唱えたかわからない。気が付くと目を閉じてしまっていた。あれ、そういえば風がやんだ。恐る恐る目を開けると、そこは見知らぬ街道であった。周りには誰もいなく、元は栄えた町であっただろうが今はさびれてしまっている。何軒か営業している店はあるが、大半の店はもぬけの殻のようだ。

「蓝生!现在可以睁开眼睛了吗?」(藍生!もう目を開けてもいい?)

麗華も無事のようだ。二人を結ぶひもをほどいていると

「再这样就可以了。」(もう少しこのままでもいいよ)

そう言われて、もう一度麗華を抱きしめた。

「丽华!哪里不痛吗?」(麗華!どこか痛くないか?)

あちこち確かめているが、どこも痛くはないようだ。今が何時で、此処が何処なのか、すぐに町の人に確認しなくては。ひもを撒きながら歩き始めた。一軒店が開いていたので、そこの人に聞いてみる。

「1843年4月9日」

成功だ!時を渡ったぞ。

dive68に続く・・・

 

  

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