大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」

2020-08-19 12:59:00

dive60

 一方青龍寺では、和尚が事の重大さに、重い腰を上げた。四天王を集め今までのいきさつをすべて話し、この先どうしていくか決めていた。円炎、円静は千道の今までの行動についてもこれで合点がいくと憤り、円旺は時渡りなど秘伝の術の流出に早く阻止せねばと焦り、円碧に至っては行徳を恐れ、もう何も食べないなどと言っている。和尚もパニックになる四天王をなだめ、まずは最終的にどうなることが最善か、そうなるために何をしなければならないのかを考える様に言いつける。もちろん行徳が改心して一件落着が一番いいだろう。しかし、魔道の道に落ち、人を殺めてしまった今、それはもうできないだろう。改心して助けようにも魔物と契約しておいてただで済むはずがない。奴らにも奴らのしきたりがあるだろう。仏道にも因果と言うものがある。それはもうどうしようもない。しかし、操られているとするならば千道は助けなければなるまい。ただただ親についていく小鴨のように。なんにせよこの青龍寺が発端の一件、青龍寺で始末をつけねばなるまい。そのためには行徳を捕まえなければなるまい。そのためには千道に気づいていないふりをして後をつけ、捕縛するしかないだろう。捕まえてどうするかは、そのあとで考えようということになったそうだ。呵呵の営業を終えて寺に行き、和尚と四天王たちと話し合った。私は行徳と千道を許すことなんてできない旨を伝えると、ではお前は人を殺せるのかと問われ、愕然とした。私は今まで人を喜ばせようとして生きてきた。そんな私には到底できない。でも、奴らは王さんの命を奪ったんだ。それを到底許すことはできない。和尚は言う。王さんは確かに奴らに殺された。だからと言ってそれに引きずられて、私まで魔道に落ちるなと。私には王さんから教えを受け、継いだものがある。人とは脈々とそのタスキを繋げて生きていくものだ。そして良い波動を広め世界を光で照らすのだと。その光である私が闇に落ちてどうするものかと。私はどうすればいいんだ。一体どうしたら・・・

麗華になんていえば、自分の兄を殺した犯人が誰だかわかっていて何もできないだなんて。そう言う私に、和尚は、そんなこと王は望まんよ、麗華も。王はお前たちに幸せになってほしいと願っておるよ、と諭す。それはわかっている、でも、誰かが奴を止めなければ。王さんや私たちみたいな被害者がまた出てしまう。歯を食いしばって黙り込む私を、申し訳なさそうに和尚が慰める。

 話し合う中で、単純に毒がまかれるなら、薬を大量に用意することが手っ取り早く、有効な手段ではないかということになり、術者とダイバー、を育成しようということになった。そこで私は和尚に術を習い、作って小さくして潜ることのできる、一人完結の完全体らーめんダイバーを目指すことにした。王さんとお客さんたちの後押しにより、今なら私の担々麺に石を生み出せそうな気がする。時渡りの術と一緒にこの術をマスターすることが急務だ。円旺と一緒に和尚に習う。和尚が言うには術とは己の力ではなく仏の力を借りるためのきっかけのようなものであり、それ自体は難しいものではないという。難関は仏の気と己の気を同調させることだ。和尚には私たちが術を行っているときに、同調しているかが感じ取れるようで、もどかしい様子だ。私は心が乱れているようでとても出来そうにないらしい。円旺の方はもう少しのようだ。円旺は法力において和尚の次に優れており、あちらこちらに悪霊退治に行っているほどである。修練を続け何日か経った頃、円旺が術を体得し、一度私の作った担々麺で試してみたいと言ってきた。

dive61に続く・・・

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