大将のブログ 冒険小説「らーめんダイバー」
dive48
「哥哥!你突然说什么?蓝生很为难。」(お兄ちゃん!突然何言ってんの?藍生さん困ってるじゃない。)
「蓝生!你讨厌丽华吗?丽华也讨厌蓝生吗?」(藍生!麗華のこと嫌いか?麗華も藍生のこと嫌いか?)
「虽然不讨厌・・・」(嫌いじゃないけど・・・)
「那好吧。蓝生,你有夫人吗?」(じゃあ、いいじゃないか。藍生、お前奥さんいるのか?」
「王先生,请冷静一下。虽然现在不在・・・」(王さん、落ち着いて。今はいないですけど・・・)
過去というか未来というか、なんと言ったら良いかわからないけど、今までの事情を話した。そしていきなりどうしたのかと尋ねた。すると今まで興奮して立っていた王さんが、我に返って椅子に座って話し出した。王さんは昔とある大きな中華料理店で働いていたそうだ。そこのオーナーに気に入られ料理長にまでなった。そして人が足らなかったホールに麗華を誘った。料理長になるまでの努力を尊敬していた麗華さんは王さんの料理が大好きだった。お兄さんの作る料理にはお客さんに対する思いが詰まっていたからである。だからいつもお客さんに自信満々で料理を勧めていた。オーナーはそんな麗華さんを気に入り息子の嫁にと婚約をさせた。王さんもオーナーやこの店のことが気に入っていたので妹の将来を考えて結婚に賛成していた。その時一緒に働いていたホールの先輩でオーナーの娘が、のちに王さんと結婚することになる香月(シャンユエ)さんだが、結婚の話が決まったくらいの頃に突然オーナーが倒れ亡くなってしまった。そしてオーナーの代わりに経営に入ってきたのがオーナーの息子の香陽(シャンヤン)、香月のお兄さんで麗華さんの婚約者だった。香陽はオーナーの今までの経営方針を否定し、もっと効率よく、もっと儲かるように、材料のランクを落とし、原価を抑え、効率だけを考えるようになった。そして王さんともめることが多くなった。王さんはとても自分のお客さんに勧められない、と悩み、結局お店を辞めてしまう。そんな王さんを見て香月さんも香陽ともめ、店を辞めてしまった。麗華さんも新オーナー香陽にこんな料理お客さんに勧められない、とけんかになり婚約を破棄して辞めてしまった。婚約を破棄された香陽は怒って麗華さんの悪い噂を町中に広め、ほかの店でも働けないようにしてしまった。それから麗華さんは人間不信になり、人目を恐れ、あまり笑わなくなってしまった。そんな時香月が、知り合いの麺料理屋さんが歳で辞めるので代わりにどうかという話を王さんに持ち掛けた。王さんはどんなことでもいいから料理を作りたいといい、店をやることに決めた。家を出てきた香月さんと正式に結婚し、二人で店を始めることにした。その店がこの『呵呵』だ。王さんは、一人ではいろいろできないので担々麺に絞った。麗華さんは、まだ人前に出ることができず、家にこもっていた。半年がたち少しずつお客さんもついてきた。常連さんもつき、このお客さんたちが食べて元気になり、明日も頑張れるように一生懸命に作った。皆が『呵呵』と笑えるように。そのころになると麗華も調理場や洗い物の手伝いが少しづつできるようになり、人と話せるようになってきた。それでも笑うことはなかった。それから5年、お店は繁盛するようになり町で評判の担々麺屋になった。しかし、またもや災難が王さんを襲った。香月さんが倒れたのだ。お店を休み看病をする王さんに、香月さんは、
「みんなが、お客さんが待ってるからお店を開けて」
と言ったそうだ。香月さんに言われ戸惑ったが、
「大丈夫です、すぐ良くなるから」
と言われ、麗華さんにホールを任せ店を開けることにした。三日たって香月さんも復活しこれからと思ったが、すぐにまた倒れそのまま帰らぬ人になった。復活した香月さんが、
「やっぱりお店でお客さんに喜んでもらえるときが一番幸せだね。」
と麗華さんに言っていたそうだ。王さんは、やる気がなくなって寺のお墓にばかり来ていた時、和尚に諭されまて、またお店を始めるようになった。香月さんの代わりに接客を任せ、少しずつ昔を取り戻してきたが、麗華さんは以前のような笑顔ではなかった。そんな日々に、麗華を幸せにしてやりたいという思いが高まっていった。それから6年たったある日、店の前で倒れている人がいると麗華さんが言いに来た。水を持っていくとがぶがぶ飲んでまた倒れた人を、すごく心配そうにしていた。それが私だった。それから少しずつ元気になった私と一緒に働き、話して、生活している間に王さんと打ち解けていく様子を見て、信頼し、初めて昔と同じように笑うようになった。王さんも一緒に働いて、笑い、私を料理人として、人として信頼し、妹が笑う姿を見て、この人しかいないと思ったそうだ。その話を聞いて恥ずかしそうにしている麗華さん。私はまた泣いていた。見ず知らずの私を助けて、こんなに信頼してくれている二人を前に号泣していた。自分が尊敬している人にこんなに信頼されて、任されて、断る理由が見つからないが、本人の気持ちは・・・・と麗華さんのほうを向くと恥ずかしそうに笑ってこっちを見ている。そんな顔されては野暮なことはいえないよ。麗華さんに一言だけ、
「我会努力让你呵呵大笑。」(君が呵呵と笑えるようにがんばるね。)
と言った。
dive49に続く・・・

